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長髪のイケメン副社長 彰
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そして商店街の『端っこ』に到着した玲は、一旦自転車を降りた後
トムと呼ばれたカラスを捜して狭い道路をグルグルと歩き回ってみたけれど
電線に止まったカラスの『どれ』がトムなのか、
と言う一番重要な事が全くサッパリ分からなかったので
*****
(どうしよう…どのカラスも全部トムに見えてきちゃったよ~)
と密かに呟く諦めの早い玲は、もうこのまま家に帰ろうとしていたのに
この後いきなりPrrrr!とポケットの中から
お婆ちゃん的な携帯電話がブルブルしながら鳴り響いたので
(えっ、何この番号?知らない番号からの着信は取っちゃダメだよね)
と思った玲はこの着信を無視しようと思ったが、
でもひょっとしたら動物からの着信かもしれないし……
もしも可愛い動物が相手なら、そりゃあ喜んで話をしたいと思ったので
ここはひとつ勇気を通話ボタンを押した後
「も、も、もしもし!」
「玲か?今どこにいる?」
「えっと、こんにちはー!貴方は誰ですか?
犬ですか?猫ですか?それともカラスですか?」
「龍崎だ!お前、昨日の給料まだ貰っていないだろう?
直接手渡しで払ってやるから今すぐ桜が丘の第一公園に来てくれるか」
こうして犬でも猫でもカラスでもない
Clubベルサイユの関係者とカオスな会話をしてすぐに……
「えっと、はい、わかりました。
じゃあ あと15分位で公園に到着するので宜しくお願いします」
「わかった……」
と言う事で、このまま会話が終わった玲は
このあと再び自転車に乗って、初めての給料を貰う為に駅前の公園へと急いだが……
**********
この後10分で公園に到着した玲が見た人物は……
どこをどう見ても昨日の夜に事務所のソファーで
オレンジジュースを飲みながら会話をした無言イケメンの男性だったので
結構びっくりした玲は小さく頭を下げながら
(えっと どうして無言イケメンさんが この公園に居るの?
あっ、そうかー!やっぱりこの人もアルバイトだったのね。
それで今日は私の為にワザワザお給料を持ってきてくれたと言う事だから
じゃあ今すぐ彼に、お疲れ様です こんにちは…って感じの挨拶を言った方がいいよね?)
と心の中で自分なりに今の状況を整理して
早速あいさつをしてみようと思ったが、いざ本人を目の前にすると案の定……
「えっとぉ…あの~…い、い、一条ですぅ…はぃぃ」
とまぁこの様に……
やはり今回もコミュ障の玲には普通の挨拶が出来なかったから
(またやっちゃったよ~…どうしよう……)
て感じの玲は元気にヘタレながら
為す術もない状態で下を向いて固まっていたのに……
次の瞬間、玲の前に立っていた人物は、なぜか無言イケメンさんではなくて
「こんにちは 一条さん…」とめっちゃ優しい声を出す、
まるで少女漫画の世界から抜け出して来たかの様に美しい、
長い髪のモデル風イケメンだったから!
なんだか訳が分からない玲は冷凍コロッケみたいに固まっていたのに
*********
そんな玲とはまるで真逆の
威風堂々としたモデル風イケメンの男はこのままの勢いで、
「あぁ、私とした事が……
自己紹介が遅れてしまった様ですね?
申し遅れましたが私は円行寺彰と申します」
…って感じの丁寧な自己紹介をしながらニコニコと微笑んでいるので
いきなり初対面の人にニッコリされたヘタレの玲は更に固まっていたけれど
どうやら今は石像みたいに固まっている場合ではなさそうなので……
(えっと、円行寺彰さんってドコの誰?
…って言うか この人もClubベルサイユのバイトなの?
じゃあ何がなんだかイマイチ訳が分かんないけど
とりあえずこの人にも軽く頭を下げておこうかな?)
と思った対人スキルがゼロの玲は
今日も安定の無言で彰に向かって軽く頭を下げていると
今度はいきなり目の前に現れた無言イケメンさんに手を引っ張られながら
「行くぞ…玲」と無愛想な態度でドコかへ連れて行かれそうになったので
(えっ?…何?)
とは言えない玲は、勿論めっちゃ動揺しながら
思わずついつい正直に……
「あの!ちょっと待って下さい無言イケメンさん!」
と心の声を漏らしていたが、
(あっ!ヤバッ!どうしよう……
無言イケメンさんって言っちゃったよーー!)
と心で呟く万年無言女の玲は、この時もう既に……
「無言イケメン……
これは可愛らしい…クックックック!」
こうして秒で彰に爆笑されたので
これである意味 吹っ切れた玲はこのままの勢いで
「ご、ご、ごめんなさい!
でも私、この人の名前を知らなくて…それで あの!
わざわざお給料を届けて下さった事を…その…とても感謝しています」
と珍しくまともな会話が出来たのに
次の瞬間、哀れな玲は、とにかくメチャメチャ運悪く……!
「えっと皆さん、今日は色々と…ぐうぅ……
ありがとうございましたー…ぐううぅぅーーー!」
と突然このタイミングで……
空腹の限界を迎えたお腹が突然大きな音を出したから!
*****
もうこのまま消えてしまいたいレベルの最悪な状況の中で……
(どっ!どっ!どうしよう!!
今度は勝手にお腹が鳴っちゃったよ~!!
確かに今日は朝ご飯を食べなかったけど……
…って言うか、どうして私のお腹は空気が読めないの?)
とは言えない真っ赤な顔のみっともない玲は
このまま無言で下を向く事しか出来なかったのに
そんな玲をジッと見つめるモデル風イケメンは……
この後なぜか、いきなり唐突に……!
「では一条さん、もし宜しければ……
これから一緒に御食事でも如何でしょうか?」
と更に胡散臭い笑顔でニコニコしながら
万年ぼっちの玲をいきなり食事に誘ってきたので
もちろん玲はこの後すぐに……!
「いえ、お構いなく!今からコンビニに行く予定ですから!」
こうして即座に彰の誘いを断った。
なぜならどんなイケメンが相手でも、ぼっちでコミュ障でオタクの玲は
見知らぬ初対面の男達と食事に行ける度胸なんて、1ミクロンも持っていないからだ。
トムと呼ばれたカラスを捜して狭い道路をグルグルと歩き回ってみたけれど
電線に止まったカラスの『どれ』がトムなのか、
と言う一番重要な事が全くサッパリ分からなかったので
*****
(どうしよう…どのカラスも全部トムに見えてきちゃったよ~)
と密かに呟く諦めの早い玲は、もうこのまま家に帰ろうとしていたのに
この後いきなりPrrrr!とポケットの中から
お婆ちゃん的な携帯電話がブルブルしながら鳴り響いたので
(えっ、何この番号?知らない番号からの着信は取っちゃダメだよね)
と思った玲はこの着信を無視しようと思ったが、
でもひょっとしたら動物からの着信かもしれないし……
もしも可愛い動物が相手なら、そりゃあ喜んで話をしたいと思ったので
ここはひとつ勇気を通話ボタンを押した後
「も、も、もしもし!」
「玲か?今どこにいる?」
「えっと、こんにちはー!貴方は誰ですか?
犬ですか?猫ですか?それともカラスですか?」
「龍崎だ!お前、昨日の給料まだ貰っていないだろう?
直接手渡しで払ってやるから今すぐ桜が丘の第一公園に来てくれるか」
こうして犬でも猫でもカラスでもない
Clubベルサイユの関係者とカオスな会話をしてすぐに……
「えっと、はい、わかりました。
じゃあ あと15分位で公園に到着するので宜しくお願いします」
「わかった……」
と言う事で、このまま会話が終わった玲は
このあと再び自転車に乗って、初めての給料を貰う為に駅前の公園へと急いだが……
**********
この後10分で公園に到着した玲が見た人物は……
どこをどう見ても昨日の夜に事務所のソファーで
オレンジジュースを飲みながら会話をした無言イケメンの男性だったので
結構びっくりした玲は小さく頭を下げながら
(えっと どうして無言イケメンさんが この公園に居るの?
あっ、そうかー!やっぱりこの人もアルバイトだったのね。
それで今日は私の為にワザワザお給料を持ってきてくれたと言う事だから
じゃあ今すぐ彼に、お疲れ様です こんにちは…って感じの挨拶を言った方がいいよね?)
と心の中で自分なりに今の状況を整理して
早速あいさつをしてみようと思ったが、いざ本人を目の前にすると案の定……
「えっとぉ…あの~…い、い、一条ですぅ…はぃぃ」
とまぁこの様に……
やはり今回もコミュ障の玲には普通の挨拶が出来なかったから
(またやっちゃったよ~…どうしよう……)
て感じの玲は元気にヘタレながら
為す術もない状態で下を向いて固まっていたのに……
次の瞬間、玲の前に立っていた人物は、なぜか無言イケメンさんではなくて
「こんにちは 一条さん…」とめっちゃ優しい声を出す、
まるで少女漫画の世界から抜け出して来たかの様に美しい、
長い髪のモデル風イケメンだったから!
なんだか訳が分からない玲は冷凍コロッケみたいに固まっていたのに
*********
そんな玲とはまるで真逆の
威風堂々としたモデル風イケメンの男はこのままの勢いで、
「あぁ、私とした事が……
自己紹介が遅れてしまった様ですね?
申し遅れましたが私は円行寺彰と申します」
…って感じの丁寧な自己紹介をしながらニコニコと微笑んでいるので
いきなり初対面の人にニッコリされたヘタレの玲は更に固まっていたけれど
どうやら今は石像みたいに固まっている場合ではなさそうなので……
(えっと、円行寺彰さんってドコの誰?
…って言うか この人もClubベルサイユのバイトなの?
じゃあ何がなんだかイマイチ訳が分かんないけど
とりあえずこの人にも軽く頭を下げておこうかな?)
と思った対人スキルがゼロの玲は
今日も安定の無言で彰に向かって軽く頭を下げていると
今度はいきなり目の前に現れた無言イケメンさんに手を引っ張られながら
「行くぞ…玲」と無愛想な態度でドコかへ連れて行かれそうになったので
(えっ?…何?)
とは言えない玲は、勿論めっちゃ動揺しながら
思わずついつい正直に……
「あの!ちょっと待って下さい無言イケメンさん!」
と心の声を漏らしていたが、
(あっ!ヤバッ!どうしよう……
無言イケメンさんって言っちゃったよーー!)
と心で呟く万年無言女の玲は、この時もう既に……
「無言イケメン……
これは可愛らしい…クックックック!」
こうして秒で彰に爆笑されたので
これである意味 吹っ切れた玲はこのままの勢いで
「ご、ご、ごめんなさい!
でも私、この人の名前を知らなくて…それで あの!
わざわざお給料を届けて下さった事を…その…とても感謝しています」
と珍しくまともな会話が出来たのに
次の瞬間、哀れな玲は、とにかくメチャメチャ運悪く……!
「えっと皆さん、今日は色々と…ぐうぅ……
ありがとうございましたー…ぐううぅぅーーー!」
と突然このタイミングで……
空腹の限界を迎えたお腹が突然大きな音を出したから!
*****
もうこのまま消えてしまいたいレベルの最悪な状況の中で……
(どっ!どっ!どうしよう!!
今度は勝手にお腹が鳴っちゃったよ~!!
確かに今日は朝ご飯を食べなかったけど……
…って言うか、どうして私のお腹は空気が読めないの?)
とは言えない真っ赤な顔のみっともない玲は
このまま無言で下を向く事しか出来なかったのに
そんな玲をジッと見つめるモデル風イケメンは……
この後なぜか、いきなり唐突に……!
「では一条さん、もし宜しければ……
これから一緒に御食事でも如何でしょうか?」
と更に胡散臭い笑顔でニコニコしながら
万年ぼっちの玲をいきなり食事に誘ってきたので
もちろん玲はこの後すぐに……!
「いえ、お構いなく!今からコンビニに行く予定ですから!」
こうして即座に彰の誘いを断った。
なぜならどんなイケメンが相手でも、ぼっちでコミュ障でオタクの玲は
見知らぬ初対面の男達と食事に行ける度胸なんて、1ミクロンも持っていないからだ。
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