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彰編 I'm Your Man 後編

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そしてこの後、龍崎プレジデントヒルズの近所にある

けっこう有名なパティシエが経営している洋菓子店に寄り道をした彰は

とても美味しそうな紅茶のシフォンケーキと苺のタルトを買った後、

まるで初めての彼女が出来た高校生みたいにウキウキしながら帰宅をしてすぐに

*****

(さてと、可愛い恵さんの部屋はドコにしようかな?
やっぱり寝室の隣のピアノルームが一番のオススメか?
あそこは音を出す為の部屋だから、防音対策もバッチリだしね、フフフッ)

こうして早くも卑猥な目的で

めっちゃオシャレなピアノルームを恵の部屋にしようと思いながら

シーンと静かな寂しいリビングのソファーで煙草を吸っていたけれど

なぜかこの後、このタイミングで彰の脳内は……


『あの…えっと、そのぉ……
私はキスの時は…何を…すればいいの?』

『ん?恵さんはキスをした事がないのかい?
じゃあセカンドキスをする前に…少しキスの練習をしましょうか』

と色鮮やかに

処女の恵とつたないキスをした時の思い出が甦ってきたので、

またまた一人でノッてきたロマンティストの彰は無意識に

(今夜もお前とキスをしようか…胸が苦しい不思議なキスを……)


もうこのまま曲にすればいいレベルの独り言を心の中で呟いていたけれど

そんな事よりも時計の針はもう既に、夜の8時をさしていたので

そろそろ出かける準備をする為に、キンキラキンの広いバスルームに向かった彰は

今夜も丁寧に髪と身体を洗った後で、長い髪をブローして、

そして細い首筋に甘い香りのコロンを付けながら


(さてさて、あと15分で秘書の村上が下の駐車場に来るから
今夜は村上の車でClubベルサイユに送ってもらって、
璃音達と軽く飲んだ後はまた村上の車でシンデレラを迎えに行こうかな?
まぁ村上は一滴も飲めないゲコのオブシディアン信者だから、
美味しいコーラをジャンジャン飲ませてハルカあたりを席につけとけば
何時間でもニコニコ笑って残業をしてくれる優秀な部下だからな?フフフッ…)

こうして今日も、

有能な秘書の村上に頼る気マンマンでオシャレなスーツに身を包み、


(じゃあそろそろ出掛けようか!)

と上機嫌な彰は高校生の様に胸をキュンキュンさせながら


(なぁ璃音…少しだけお前の気持ちが分かりかけてきたけど
お前も玲を迎えに行く時は、毎回こんなにウキウキワクワクしていたのか?)

て感じの恥ずかし過ぎる質問を、心の璃音に投げ掛けて、

この後すぐに自宅マンションを後にしたけれど……

まさかこの時 愛しの姫が、Clubベルサイユでホールメンバーをしていて、

しかも昔のバンドメンバーだった涼宮鋼牙に指名されているとは夢にも思っていなかった。
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