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恵のオーナー 前編
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そして何事もなかったかの様に
シレッと店に戻ってきた恵は普通に仕事をしていたが
この後わずか10分で……
*****
「あのさぁ星野さん、7番テーブルの鋼牙~じゃなくて
涼宮会長が今すぐ星野さんを席に付けろって煩いからさぁ、
ちょこっとでいいから7番の席に付いてくんない?
もちろん指名料は今日の帰りに一万円を現金で支払うからさ?」
とチーフにイミフな事を言われたので
もちろん恵も間髪入れずに「また指名の話ですか~?」
とイミフな返事をしたけれど、結局やっぱりこの直後
「ところで誰が一万円を払うんですか?」
「そりゃあ、もちろん会長が」
「えっ?私も会長ですけど?」
「いいから早く7番に行ってよ星野さん!」
「はぃ、わーりました」
こうしてチーフの命令によって
トットと7番テーブルに送られたので……
(えっと私は今から客席で何をすればいいのかな?)
と不安な気持ちを抱えながらも一応これは仕事だから
このあと恵は急いで7番の席に向かったが……
*****
本日2回目の7番テーブルに到着した恵は本気で訳が分からないから
ついつい鋼牙をじっと見つめて、今日も明るくフレンドリーに
「えっと仕事だから一応来たけど、
どうして会長は何回も私をこの席に呼ぶの?
て言うか私と会長はもう友達になったんだからさ?
わざわざ高いお金を出して指名とかをしなくても、
今度一緒にラーメンとかを食べに行けばいいじゃん」
「ん?ラーメン?星野会長は俺と一緒にラーメンを食べたいのか?」
こうして早くも カオスな話題で盛り上がっていたのに
なんと、この直後!
「ちょっと貴女!たかがホールメンバーの癖に
会長に向かってなんて失礼な事を言うの?今すぐ土下座をして謝りなさい!」
「まぁまぁ愛さん落ち着いて~、
きっと彼女はナイトクラブの経験がないから何も分かっていないのよ」
「はぁ?何も分かっていないのはルナさんの方でしょ?
大切なお客様の席でスタッフが失礼な事を言ったのに、
どうしてルナさんはこのホールメンバーに注意をしないの?
そんな事だから、いつまで経っても貴女はナンバースリーなのよ!」
て感じの喧嘩がいきなり始まったので
思わず恵は心の中で
(うわぁ、なんかいきなり女子の口喧嘩が始まっちゃったよ~
えっと えーっと、どうしようかなぁ。貧弱な人の喧嘩ぐらいじゃ
ヒーロー研究会が介入する事は出来ないし、これは困ったなぁ……)
と真剣に悩んで下を向いていたけれど
そんな事よりも次の瞬間、恵の目の前で………
「おい…煩い女ども…今すぐ俺の前から消えろ」
と怖い声で喋った涼宮会長の後すぐに
「…恵さん?」と背後から突然聞こえた優しい声の男性は!
(えっ?ええぇ~?えええぇえーー??)
なんと!怖い鬼嫁から逃げてきた円行寺彰の声だったから
今世紀最大級にビックリした恵は勿論クルッと後ろを振り向いて
「な、な、なんで彰さんがココに居るの?」と彰に向かって質問をしたのに
なぜか目に涙をためている彰は今にも泣きそうな声で
「なんでって……それは俺が……
この店のオーナーだから…俺がお前のオーナーだからだよ!」
と返事をしながら思いっきり恵を抱きしめて
しかもこのままの状態で
「なぁ璃音……こんな俺が……
こんなに可愛い恋人を作っちまってもいいのか?」
なんて柄にもない事を
鋼牙の隣の龍崎璃音に向かって話しかけた後すぐに
「ちょっ!彰さん落ち着いて!…って言うか彰さんは既婚者でしょ?
早く鬼嫁の家に帰って、明るい家庭を存続させた方がいいと思いま……んっ!!」
こうして皆が見ている目の前で、いきなり恵にキスをしたもんだから
*****
そりゃあ勿論この瞬間に
騒がしかったClubベルサイユは波を打った様にシーンと静まり返ったが
この静かな状況の中で璃音だけは上機嫌な顔で
「クックックックックッククック…」と笑いながら
とても悲しい目をした涼宮会長に向かって一言……
「残念だったな鋼牙…どうやらお前はまだらしい」と優しい言葉を掛けた後、
哀しげな笑顔の鋼牙とブランデーグラスで乾杯を交わしていたけれど
そんな事よりも次の瞬間、恵の最強センサーは……
(えっ?急にどうしたのルナさん……
彼女がさっき背中に隠した鋭利な物は…フルーツ用のナイフだよね?)
なんと、このタイミングでまたしても危険な空気を察知したので、
またまた一刻の猶予もない恵は彰に抱きしめられたままの不利な体勢で
突然いきなり闇落ちをしたホステスのルナと戦う事になったけど、
この時の恵はまだ、乱れまくった彰のトンデモナイ女性関係を知らないから
どうしてナンバースリーの美しいルナが
彰に対して殺気を放っているのかを全く分かっていなかった。
シレッと店に戻ってきた恵は普通に仕事をしていたが
この後わずか10分で……
*****
「あのさぁ星野さん、7番テーブルの鋼牙~じゃなくて
涼宮会長が今すぐ星野さんを席に付けろって煩いからさぁ、
ちょこっとでいいから7番の席に付いてくんない?
もちろん指名料は今日の帰りに一万円を現金で支払うからさ?」
とチーフにイミフな事を言われたので
もちろん恵も間髪入れずに「また指名の話ですか~?」
とイミフな返事をしたけれど、結局やっぱりこの直後
「ところで誰が一万円を払うんですか?」
「そりゃあ、もちろん会長が」
「えっ?私も会長ですけど?」
「いいから早く7番に行ってよ星野さん!」
「はぃ、わーりました」
こうしてチーフの命令によって
トットと7番テーブルに送られたので……
(えっと私は今から客席で何をすればいいのかな?)
と不安な気持ちを抱えながらも一応これは仕事だから
このあと恵は急いで7番の席に向かったが……
*****
本日2回目の7番テーブルに到着した恵は本気で訳が分からないから
ついつい鋼牙をじっと見つめて、今日も明るくフレンドリーに
「えっと仕事だから一応来たけど、
どうして会長は何回も私をこの席に呼ぶの?
て言うか私と会長はもう友達になったんだからさ?
わざわざ高いお金を出して指名とかをしなくても、
今度一緒にラーメンとかを食べに行けばいいじゃん」
「ん?ラーメン?星野会長は俺と一緒にラーメンを食べたいのか?」
こうして早くも カオスな話題で盛り上がっていたのに
なんと、この直後!
「ちょっと貴女!たかがホールメンバーの癖に
会長に向かってなんて失礼な事を言うの?今すぐ土下座をして謝りなさい!」
「まぁまぁ愛さん落ち着いて~、
きっと彼女はナイトクラブの経験がないから何も分かっていないのよ」
「はぁ?何も分かっていないのはルナさんの方でしょ?
大切なお客様の席でスタッフが失礼な事を言ったのに、
どうしてルナさんはこのホールメンバーに注意をしないの?
そんな事だから、いつまで経っても貴女はナンバースリーなのよ!」
て感じの喧嘩がいきなり始まったので
思わず恵は心の中で
(うわぁ、なんかいきなり女子の口喧嘩が始まっちゃったよ~
えっと えーっと、どうしようかなぁ。貧弱な人の喧嘩ぐらいじゃ
ヒーロー研究会が介入する事は出来ないし、これは困ったなぁ……)
と真剣に悩んで下を向いていたけれど
そんな事よりも次の瞬間、恵の目の前で………
「おい…煩い女ども…今すぐ俺の前から消えろ」
と怖い声で喋った涼宮会長の後すぐに
「…恵さん?」と背後から突然聞こえた優しい声の男性は!
(えっ?ええぇ~?えええぇえーー??)
なんと!怖い鬼嫁から逃げてきた円行寺彰の声だったから
今世紀最大級にビックリした恵は勿論クルッと後ろを振り向いて
「な、な、なんで彰さんがココに居るの?」と彰に向かって質問をしたのに
なぜか目に涙をためている彰は今にも泣きそうな声で
「なんでって……それは俺が……
この店のオーナーだから…俺がお前のオーナーだからだよ!」
と返事をしながら思いっきり恵を抱きしめて
しかもこのままの状態で
「なぁ璃音……こんな俺が……
こんなに可愛い恋人を作っちまってもいいのか?」
なんて柄にもない事を
鋼牙の隣の龍崎璃音に向かって話しかけた後すぐに
「ちょっ!彰さん落ち着いて!…って言うか彰さんは既婚者でしょ?
早く鬼嫁の家に帰って、明るい家庭を存続させた方がいいと思いま……んっ!!」
こうして皆が見ている目の前で、いきなり恵にキスをしたもんだから
*****
そりゃあ勿論この瞬間に
騒がしかったClubベルサイユは波を打った様にシーンと静まり返ったが
この静かな状況の中で璃音だけは上機嫌な顔で
「クックックックックッククック…」と笑いながら
とても悲しい目をした涼宮会長に向かって一言……
「残念だったな鋼牙…どうやらお前はまだらしい」と優しい言葉を掛けた後、
哀しげな笑顔の鋼牙とブランデーグラスで乾杯を交わしていたけれど
そんな事よりも次の瞬間、恵の最強センサーは……
(えっ?急にどうしたのルナさん……
彼女がさっき背中に隠した鋭利な物は…フルーツ用のナイフだよね?)
なんと、このタイミングでまたしても危険な空気を察知したので、
またまた一刻の猶予もない恵は彰に抱きしめられたままの不利な体勢で
突然いきなり闇落ちをしたホステスのルナと戦う事になったけど、
この時の恵はまだ、乱れまくった彰のトンデモナイ女性関係を知らないから
どうしてナンバースリーの美しいルナが
彰に対して殺気を放っているのかを全く分かっていなかった。
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