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冬馬君は自重……
冬馬君は友達に謝る
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とりあえず、自己紹介は済んだ。
ここからが、ある意味で1番大事だ。
「さて……これで、自己紹介は済んだな」
俺は地べたに正座し、土下座をする。
「と、冬馬君!?」
「まあ、お前ならそうするか」
「ガハハ!相変わらずだな!」
「まあ、冬馬は筋を通す男ですから」
「アハハ!たしかに!」
「仕方のない人……まあ、それが良いところでもあるわ」
「皆、不義理をしたことを謝らせてくれ。俺の勝手な都合で、今まで関わらなかったことを……そして、それに付き合わせてしまったことを……すまなかった!!」
「冬馬君……」
これが、本当の目的だ。
こいつらを、俺は勝手な都合で裏切った。
母さんを亡くした俺を、心配してくれた友達を……。
こいつらが、変わらず俺を友達と言ってくれたことが、どんなに嬉しかったか……。
きちんと、謝りたかった。
こいつらは、気にするなと言うだろう。
だが、俺は自分が許せない……!
「よし!冬馬、起きるんだ」
「アキ……ありがとな。お前が無理矢理関わってきたこと……今では感謝している」
「へっ……らしくないこと言うなよ!親友!」
「アキ……」
「エヘヘ、冬馬君!いい友達だね!」
「だが……ケジメは必要だな。まずは、俺からだな!」
「よし!こい!」
「オラァ!」
腹に拳がめり込む!
「グホッ!」
「と、冬馬君!?」
「いいんだ、綾。さあ、次!」
「ガハハ!セイァ!!」
同じく、腹にめり込む!
「ゲフッ!!……あ、相変わらずだな……!はい、次!」
「やれやれ、暑苦しいですね。まあ……悪くないですけど!」
こちらも、同様にくらう!
「ガハッ!見かけによらない奴め……!」
「ハァ……仕方のない人ね。ハァ!!」
頭にチョップをくらう!
「アイタッ!お前は呼んでないから!さっき殴っただろうに!?」
「よーし!いっくよー!!」
「待て待てーい!飛び蹴りはーーグハァ!?」
俺は吹っ飛び、床を転がる!
「冬馬君ーー!!??」
「あー!スッキリした!帰ろー!」
「そうね、帰りましょう」
「ガハハ!またな!」
「やれやれ、律儀な男ですね」
「じゃあな!冬馬!綾ちゃん!そいつヨロシク!!」
……全員が、教室から出て行った。
たくっ……こんな俺に、変わらずに接してくれるとは……。
良い友達を持ったな、俺は……。
その後起き上がり、急いで昼飯を食べる。
「なんか、凄かったね……それぞれ有名な人だし」
「あー……そういや、そうだな。生徒会長、勉強でほぼ学年トップ、陸上部のエース、運動部連盟の会長、学校1のモテ男……うん、地味なのは俺だけか……」
「えぇー!?地味じゃないよー!もう目立ってるよー!」
「いやいや、まだまだだ。大好きな綾の彼氏に、相応しくなるためにはな」
「あ、あぅぅ……!でも、でも……もう!どうしようー!?」
悶えている綾を見るのが、俺は好きだ。
愛しさが込み上げてくる……。
「……そういえば、チアガールやるんだっけ?」
「う、うん……恥ずかしいけど、冬馬君が応援団やるから……」
「まあ、応援団と一緒にやるからな。無理はするなよ?」
「してないよ!じ、実は……やりたかったの。でも、周りに止められて……私がいると、男子が押し寄せて練習にならないって……」
「ほう?それはそれは……綾、安心しろ。見にきた奴の目を、片っ端から潰していく」
「ダメだよ!?……あと、冬馬君と一緒に帰れるし……お、応援団姿の冬馬君見れるから……絶対カッコいいもん!」
……どちらかというと、チア姿の綾に俺がやられそうだな……。
見たいけど、見せたくない……!
グググ……!!いや、綾がやりたいなら尊重すべきだ。
俺がすることは……邪魔者を始末することだな。
その日の放課後、早速体育祭の練習をした。
リレー選手には、バトンの受け渡しのがあるからな。
こればかりは、時間外にやるしかない。
といっても、30分程度だ。
練習が終わった俺は、綾が待っているところへ向かう。
すると、森川や黒野と楽しそうに話していた。
……そうか、俺と付き合ったことで、遊ぶ時間は減ったはず。
恋人も大事だが、友達も大事だ。
今なら、それがよくわかる。
そうだな、少し待っていよう。
俺は気づかれぬように、その場を離れる。
そして水道水を飲み、近くのベンチに座る。
「よう、冬馬」
「おう、アキ。珍しいな?1人か?」
「いんや、あそこにいるよ。ただ、疲れてな……悪いが、お前を口実に使った」
「いや、いいさ。それくらいなら構わん」
「おっ!?やっぱいいな!」
「肩は組むな!」
「キャーーー!!!」
「来たわ!きたわーー!!」
「隠れ男前の眼鏡姿も良かったけど、これはこれで……!」
「イケメンと男前の友情……萌えるわ!!」
「……ア、アキ?アレはなんだ?」
「……前にもあったろ?」
「そういえば、電車の中であったな……あれは、そういう視線だったのか……」
「そういうことだ。ただでさえお前、一部では人気だったからな。そっから、俺とお前が……その……」
「やめろーー!!言うなーー!!」
「俺だってやだよ!!だが、俺は女の子の期待は裏切れない!!」
「威張るんじゃねーー!!」
「キャーー!!」
「いちゃついてるわ!」
「眼福……!!」
……一体、世の中はどうなってる?
ハァ……言葉にならない。
精神的ダメージが大きい……。
「冬馬君ーー!!」
ハッ!俺の天使がきた!
傷ついた心を癒されたい!
「綾ーー!!」
俺は綾を強く抱きしめる!!
「はぇーー!?と、冬馬君!?な、なんで!?」
「綾ーー!!好きだーー!!」
「えぇーー!?う、嬉しいけど……わ、私も好きーー!!」
「……お前ら、バカップルか」
「うるせーー!!お前のせいだよ!!」
……だが、俺は知る。
帰りに綾に事情を説明すると……。
「え?あ、そういう……だ、ダメ!あっ、でも、悪くないかも……」
「綾さん?おーい、綾さーん?」
「でも、でも……」
……どうやら、綾も萌えたらしい。
だが……そんなことでは、俺の愛は揺るがない!!
ただ……想像はしないでくれと、頼み込んだことは明記しておこう。
ここからが、ある意味で1番大事だ。
「さて……これで、自己紹介は済んだな」
俺は地べたに正座し、土下座をする。
「と、冬馬君!?」
「まあ、お前ならそうするか」
「ガハハ!相変わらずだな!」
「まあ、冬馬は筋を通す男ですから」
「アハハ!たしかに!」
「仕方のない人……まあ、それが良いところでもあるわ」
「皆、不義理をしたことを謝らせてくれ。俺の勝手な都合で、今まで関わらなかったことを……そして、それに付き合わせてしまったことを……すまなかった!!」
「冬馬君……」
これが、本当の目的だ。
こいつらを、俺は勝手な都合で裏切った。
母さんを亡くした俺を、心配してくれた友達を……。
こいつらが、変わらず俺を友達と言ってくれたことが、どんなに嬉しかったか……。
きちんと、謝りたかった。
こいつらは、気にするなと言うだろう。
だが、俺は自分が許せない……!
「よし!冬馬、起きるんだ」
「アキ……ありがとな。お前が無理矢理関わってきたこと……今では感謝している」
「へっ……らしくないこと言うなよ!親友!」
「アキ……」
「エヘヘ、冬馬君!いい友達だね!」
「だが……ケジメは必要だな。まずは、俺からだな!」
「よし!こい!」
「オラァ!」
腹に拳がめり込む!
「グホッ!」
「と、冬馬君!?」
「いいんだ、綾。さあ、次!」
「ガハハ!セイァ!!」
同じく、腹にめり込む!
「ゲフッ!!……あ、相変わらずだな……!はい、次!」
「やれやれ、暑苦しいですね。まあ……悪くないですけど!」
こちらも、同様にくらう!
「ガハッ!見かけによらない奴め……!」
「ハァ……仕方のない人ね。ハァ!!」
頭にチョップをくらう!
「アイタッ!お前は呼んでないから!さっき殴っただろうに!?」
「よーし!いっくよー!!」
「待て待てーい!飛び蹴りはーーグハァ!?」
俺は吹っ飛び、床を転がる!
「冬馬君ーー!!??」
「あー!スッキリした!帰ろー!」
「そうね、帰りましょう」
「ガハハ!またな!」
「やれやれ、律儀な男ですね」
「じゃあな!冬馬!綾ちゃん!そいつヨロシク!!」
……全員が、教室から出て行った。
たくっ……こんな俺に、変わらずに接してくれるとは……。
良い友達を持ったな、俺は……。
その後起き上がり、急いで昼飯を食べる。
「なんか、凄かったね……それぞれ有名な人だし」
「あー……そういや、そうだな。生徒会長、勉強でほぼ学年トップ、陸上部のエース、運動部連盟の会長、学校1のモテ男……うん、地味なのは俺だけか……」
「えぇー!?地味じゃないよー!もう目立ってるよー!」
「いやいや、まだまだだ。大好きな綾の彼氏に、相応しくなるためにはな」
「あ、あぅぅ……!でも、でも……もう!どうしようー!?」
悶えている綾を見るのが、俺は好きだ。
愛しさが込み上げてくる……。
「……そういえば、チアガールやるんだっけ?」
「う、うん……恥ずかしいけど、冬馬君が応援団やるから……」
「まあ、応援団と一緒にやるからな。無理はするなよ?」
「してないよ!じ、実は……やりたかったの。でも、周りに止められて……私がいると、男子が押し寄せて練習にならないって……」
「ほう?それはそれは……綾、安心しろ。見にきた奴の目を、片っ端から潰していく」
「ダメだよ!?……あと、冬馬君と一緒に帰れるし……お、応援団姿の冬馬君見れるから……絶対カッコいいもん!」
……どちらかというと、チア姿の綾に俺がやられそうだな……。
見たいけど、見せたくない……!
グググ……!!いや、綾がやりたいなら尊重すべきだ。
俺がすることは……邪魔者を始末することだな。
その日の放課後、早速体育祭の練習をした。
リレー選手には、バトンの受け渡しのがあるからな。
こればかりは、時間外にやるしかない。
といっても、30分程度だ。
練習が終わった俺は、綾が待っているところへ向かう。
すると、森川や黒野と楽しそうに話していた。
……そうか、俺と付き合ったことで、遊ぶ時間は減ったはず。
恋人も大事だが、友達も大事だ。
今なら、それがよくわかる。
そうだな、少し待っていよう。
俺は気づかれぬように、その場を離れる。
そして水道水を飲み、近くのベンチに座る。
「よう、冬馬」
「おう、アキ。珍しいな?1人か?」
「いんや、あそこにいるよ。ただ、疲れてな……悪いが、お前を口実に使った」
「いや、いいさ。それくらいなら構わん」
「おっ!?やっぱいいな!」
「肩は組むな!」
「キャーーー!!!」
「来たわ!きたわーー!!」
「隠れ男前の眼鏡姿も良かったけど、これはこれで……!」
「イケメンと男前の友情……萌えるわ!!」
「……ア、アキ?アレはなんだ?」
「……前にもあったろ?」
「そういえば、電車の中であったな……あれは、そういう視線だったのか……」
「そういうことだ。ただでさえお前、一部では人気だったからな。そっから、俺とお前が……その……」
「やめろーー!!言うなーー!!」
「俺だってやだよ!!だが、俺は女の子の期待は裏切れない!!」
「威張るんじゃねーー!!」
「キャーー!!」
「いちゃついてるわ!」
「眼福……!!」
……一体、世の中はどうなってる?
ハァ……言葉にならない。
精神的ダメージが大きい……。
「冬馬君ーー!!」
ハッ!俺の天使がきた!
傷ついた心を癒されたい!
「綾ーー!!」
俺は綾を強く抱きしめる!!
「はぇーー!?と、冬馬君!?な、なんで!?」
「綾ーー!!好きだーー!!」
「えぇーー!?う、嬉しいけど……わ、私も好きーー!!」
「……お前ら、バカップルか」
「うるせーー!!お前のせいだよ!!」
……だが、俺は知る。
帰りに綾に事情を説明すると……。
「え?あ、そういう……だ、ダメ!あっ、でも、悪くないかも……」
「綾さん?おーい、綾さーん?」
「でも、でも……」
……どうやら、綾も萌えたらしい。
だが……そんなことでは、俺の愛は揺るがない!!
ただ……想像はしないでくれと、頼み込んだことは明記しておこう。
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