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第二章 異世界を生き抜くアウトプット

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 <もももももっひー>の良いところとは…


「温泉だー!!!」


 長老に付いていった先にあったものは、森の中にある岩場だった…また岩!?<もももももっひー>ってやっぱり岩大好きなんだ。
 と思ったんだけど…近づいていくうちに、だんだん暖かくなっていき、地球にいた時に嗅いだことのある独特な匂いもしてきた、近くの岩場から湧水みたいに暖かい水がが流れていたるのが見えてきた時には、良いところの正体はほぼわかっていた。


「すごいー!!温泉~!!」


『カッカッカッ!温泉?ここはワシら<もももももっひー>の秘密の場所での、この暖かい水に入って体を暖めると、不思議と疲れもとれ良く眠れるのじゃ』


 温泉の、効能・効果って感じかな~


『お主は昨日洞窟で水に入ったじゃろ…ワシを助けてくれた後、お主の体はだいぶ冷えとった、あまり風にあたらんよう草で覆ったが、冷えとった事には変わらん、早く入って暖まるとよい。』


「ありがと~長老ー!!」


 嬉しすぎて、急いで温泉まで走り飛び込む勢いで入った!
 
 ジーン……と体が暖まるのがわかる。

 久しぶりの、暖かいお風呂に体だけでなく心まで癒される


「う~…幸せだー!!」


 温泉…すごいよ、気持ち良すぎる。このまま寝てしまいたい。温泉にうっとりしていると近くでバチャバチャ音がしてきた。

 

『もんもん~』


 マリンが泳いでいる。スイスイ~。

 長老が腹を見せながら、浮いている。プカプカ


 マリンが泳いで起きた波に長老は流されていく…ただよう赤フンドシ…入浴着衣なんだ長老…プッ


「あははは。」


『どちたの~?』

 
 急に笑いだした私にマリンは不思議に思ったのか聞いてくる。
 昨日死ぬかと思ったのに、今日は<もももももっひー>達とのんびり温泉に入ってるなんて変なの

 どこかでまだ、張りつめていた気持ちがあったのか、暖かい温泉でほぐれていく…


「なんでもないよ、あったかくて気持ちいいね!」

『もんもん~、アイリもきっと気に入るって思ったの』

「うん、すごい気に入った!!連れてきてくれてありがとう!………ん?<マリン>体が半分ピンクに戻ってるよ!?」

 温泉に入った事で毛が濡れてしまっているが先ほどまで土色だったのが、濡れた部分からピンク色に戻っている。

『あったかい水に触ったから戻ったの』

「あったかい水に触ると戻るの?」

『うん。あったかい水に触ると気持ち良くなって擬態が解けちゃうの』

「冷たい水は?水でも解けちゃうの?」

『冷たい水は、ビックリするけど解けないの』

 う~ん…たぶんだけでお風呂入ってリラックスして解除されちゃうのかな?お風呂パワーは動物にもよく効くってことね。


一一一一一一一



 
 温泉でさっぱりし、その後無事に収納リュックも返してもらってテントに帰ってきたところで…

 紹介しないといけない!!


「ナビ助~仲間が増えましたー!!」

『えー…また、急に呼び出してなんなのさ』


『ナビちゅけ~??』

 急に叫んだ私を見て、<すま~ほ>の画面を不思議そうにマリンがのぞきこんでいる。

『<もももももっひー>!?絶滅したって言われてた種族だよ、絶滅してなかったの!?』

 ナビ助がビックリしている。普段常識ない扱いされてるから、ナビ助にも知らない事があるってのはちょっと嬉しい。
 大きな声を出されたマリンもビックリして、私の背中に隠れた。

「ふふふ、ビックリしたでしょ~この島で生き残ってて、これから仲間をこれから増やしていくんだよ!ちなみに絶滅の危機は私が救ったんだから!」


『へー、すごいじゃん。』

「もっと誉めてくれていいよ~!!うふふ~」


 背中からマリンがそっと出てきて<すま~ほ>をジッと見ている、なんだかすごく警戒している感じがする。

『・・・・・』

「マリン?怖くないよ~、大丈夫だからね」

『まぁいいや、それで?仲間を増やしてどうしたワケ。』

 え??


「いや、べつに?それだけ」


『は!?それだけ?それだけでボクの事呼び出したの!?暇じゃないって言ってるよね!いい加減学習してよね!』

 バチ!と音がして、画面がブラックアウトした。

「なにそれ~、そんなにおこらなくてもいいじゃん!!感じわる~い」

(ナビちゅけ。アタチ達とはちがう固くて冷たい生き物…?変な生き物…?)


 ナビ助に、ガチャ切りされて怒っていた私はマリンがいまだに警戒を解いていない事に気づいておらず…このあと、盛大に追いかけっこすることになった

一一一一一一

(変な生き物、良くない!ポイちゅる!)

「マリンー!!まちなさ~い、<すま~ほ>返してー!!」

 砂浜での追いかけっこはマリンに軍配が上がったが、途中スッ転んだ私を心配したマリンが助けに戻ってくれた事で話し合いをすることができ…
 なんとか、危なくないとわかってもらい。無事<すま~ほ>を回収した。

「はぁ、ひどい目にあった…まさかマリンが暴走するなんて…」

『ぼうそう?マリンなんにもちてないよ、変な生き物危ないからポイちようとちただけ』

「だから、<すま~ほ>は機械で、ナビ助は中に住んでる人だから危なくないの!大丈夫!!もー」

『変なアイリ。その中にはちゅめないの。でもアイリが言うなら危なくないからポイちゅるのはやめるの』

 実は、まだちょっと納得していないような気がするけど…とりあえず捨てないでいてくれるみたいだから良しとしよう。


「さてマリン、これから島から脱出して外の大陸にいく予定なんだけど本当に着いてくるの?それこそ変な生き物とかもたくさんいて危ないんだよ。いいの?」

 これは、自分にも言い聞かせている外の世界にはなにがあるかわからない…このまま島にはいれないけど外には不安しかない。

『いく!マリンがアイリをお世話ちゅる!アイリは仲間!』

「仲間か、ありがとマリン…」

 マリンの言葉にほっこりしていると、遠くから赤い塊がやってくるのが見えた。

「あれは…」

『また、変なのきたの』

『ペッペヨ・ペッペヨ』

 と掛け声であわせてやって来たのは赤い妖精?<えっさほいさ>だった。
 なにか、カゴを2人組で担いでいるようだ。


「<えっさほいさ>、どうしたの?」


『ペヨ!ペッ』

 片手を上げて挨拶してくれる。

 カゴから、なんと野菜を取り出してきた!


「え、早!?野菜できるの早くない??」

『ペッペヨ~』

 頭を掻いている…どうやら照れているようだ。そんな<えっさほいさ>の匂いをマリンは嗅いでいる。

(葉っぱの匂いがちゅる、悪いやつじゃなさそう…)

『アタチ<マリン>よろちく』

『ペヨ~』

 良かった…ナビ助と違って、この組み合わせは仲良くできそう!
 仲良く話して?いるのを見て安心した。


「えーと<えっさほいさ>は、できた野菜をおすそ分けに来てくれた感じかな?」

『ペッ!』
 大きくうなずいてくれている。

「ありがとう!美味しそうだね!」

『ペッペヨ~』


 いい機会だから、私が島から出る事を考えているって話しておこう。

「<えっさほいさ>あのね、もうしばらくしたら島をでていくの私…戻ってくるかはわからなくて、でも、今のまま畑は使っていて大丈夫だから安心して!
でもって、今後もし私が何日も不在とかなら野菜は持って来なくてもいいからね。おすそ分けしないとダメだっていうなら、ここにある買い取りBOXに入れてくれたら助かる」


『ぺ!ペヨ!?』

『ペヨペヨ』

 前髪とヒゲで表情はほとんど見えないが、驚いているようだ…

 そこからしばらく2人で話し、最終的にはオッケー。と体で文字を作ってくれた。理解が早いっていうか、野菜が作れたらなんでもいいのかも…

「ありがと、<えっさほいさ>これからもよろしくね」

『『ぺ!』』

 <マリン>と<えっさほいさ>は仲良くなり、その後皆で一緒に砂浜でお城を作って遊んだりした。



 って遊んでる場合じゃない!!

「<イルオーレ>に、行くための準備をしなくちゃ!」



一一一一一一一

これにて第二章完結です。

ここまで、読んでいただいてありがとうございました。



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