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第二章 異世界を生き抜くアウトプット

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さて!

支払いも滞りなく完了したし、一通りのものもそろって日々の暮らしも安定って事で…

「これより第1回異世界旅行資金確保会議を始めたいと思います!」

『・・・』

「出席者は、私・ナビ助。以上!と、いうわけで早速はじめま~す」

『呼び出されたと思ったら…ちょっと待ってよ、なんでボク会議に参加しないといけないの??』

「ナビ助は私の異世界アドバイザーでしょ、右も左もわからない、異世界一般常識ゼロな私が帰れるかどうかはナビ助にかかっているって言っても過言じゃないんだから、参加は必然ってやつ」

『アドバイザーじゃなくて、ボクはナビゲーターそこは間違えないでよね。アドバイザーっぽいこともしちゃうけどさ』

ナビ助が不服を訴えてくる。

「なにか違うの?」

『簡単には、アドバイザーは助言する人。ナビゲーターは進行する人。ナビゲーターは助言(アドバイス)はしないものだよ』


『例えばキミが道で迷った時に、右か左かどちらに進む?と相談したとして、アドバイザーはキミの話を聞いて右か左でどちらがよいか勧めてくれるけど

ナビゲーターはそのどっちがいい?には答えられない。大きな街に行きたいんだけど右か左かどちらに進む?なら答えることができる。わかる?』

「え…うーん、なんとなく」

『キミの<すま~ほ>マジックアイテム、道具なんだよ、中にあるアプリの機能もね。中身を正しく理解して使わないと、どんなにすごい道具も宝の持ち腐れだよ。』

・・・・十分アドバイザーなんじゃないかな。
なんて思うんだけど、ここは空気を読んでおこう、ナビ助が私の為に言ってくれてるし、中身を正しく理解する、って重要な事だし。

「うんうん、わかった!いつもありがとうナビ助!では、改めて会議をはじめま~す」

『本当にわかってんのかな?』


一一一一一一一

「まずは目標!私には100億GO必要です!」

『しってるよ~』

「できれば早く欲しいんです!」

『しってる~』

「いくら旅行先の日時指定ができるといっても…資金調達に10年かかったら、私は20代後半になってしまいます!回りは皆10代の中に溶け込めるんでしょうか??」

『見た目、ちょっと老けた高校生で押し通しなよ』

見た目ちょっと老けた高校生って…

 回りが10代の中、自分だけ20代後半って…ナイナイ!ナビ助が言うように、ちょっと老けた高校生でいけなくないかもだけど…いけるのか??ムリじゃない?四捨五入して30才の高校生なんて、ドラマかっての

「そんなのムリ!ムリムリムリー」

 どう考えても、10年なんてかかったら日常生活に溶け込めないでしょ…コスプレして高校に通うようなもので、犯罪臭する気がするし。

「そんなわけで!」

『どんなわけで?』

「目標年数は最高でも3年!20才になるまでに帰ります!」

『パチパチー拍手ー頑張ってー』

「棒読みなセリフで応援ありがとう!3年で100億って事は1年で最低でも30~40億貯めないといけなくて、頑張って1ヶ月で1000万GOいかないくらいの現状では1年で1億?………足りてない!全然目標金額に足りないのー!」

『まぁ、それなら1ヶ月で最低でも2億ないとダメだね』


 100億GOなんて大金(大GO?)どう稼ぐんだよ!って、思ってはいたんだけど…目標決めて貯めようと考えた時に、あれ?って思ったの、そもそもこのままじゃ帰れる資金調達までにすごい時間かかるって

「だから、タイGOでもがんばる他に、この世界でお金(GO)を稼ぐ方法はどんなのがあるか教えてほしいの!」

『GOを稼ぐのに物を売る以外は、働く。だよ』

「働く…え?会社とかで?」

『そう、雇われて働く。とか自分で何かするなど…ある意味タイGOも、キミが島で採取したものを売るのも報酬だね』

「それって、月に2億稼げるの?」

『やり方かな…色んな職種があるから』

 色んな職種ってなんだろ??異世界だから未知の仕事とか存在しそうで怖いんだけど…

『一確認中一…そうだな~、この島を出たとして普通に街で働くなら商店とか飲食店とかもあるけど、キミの場合お金をたくさん稼ぎたいから…オススメなのは…』

ゴクッ…

「オススメなのは?」


『まずは、ギルドに登録して冒険者。色んな依頼がある中には高額なものもあるし常時欲しいと出している依頼もあるからいいと思うよ。おそらくタイGOはギルドと定期的な契約をして売買をしていると思う、キミが出した夜光蜂もタイGO通さなければ手数料いらなくなるしね』

「定期的契約…手数料…」

 確かに、今回も手数料が払えなくて大変な思いをしたばかりだし。月々の目標著金額プラスで手数料分稼がないといけないこと忘れてた…

「わかった。他には?」

『前にこの世界について少し説明したと思うけど、北にある大陸を覚えてるかな?』

北にある大陸…確かオレがついてた気がする。

「…………オレオーレ?」

『・・・・全然覚えてないね、うろ覚え感ハンパないよ、なにさ!オレオーレって、サッカーの応援!?』

ナビ助、サッカー知ってるんだ!?

『もう一度言うからよく聞いてよね!でもって覚えて!』

 口をはさむスキがない、似たような名前ばっかりだしそんなに色々言われたって覚えられないよ…プリプリ怒りながら説明を始めた…

『北にある大陸は<ノルオーレ>陸地の半分以上がが山脈なんだけど常に春の気候で絶え間なく花が咲く事から<花の街>って呼ばれてる。小人族って、とても身体の小さい種族が住んでいるのも有名なんだけど、もっと有名なのが山脈の下にある巨大な地下神殿都市<オレンピア>このオレンピアにはオーレレ神を崇める<オーレレ教団>があって教団の<神聖軍>は世界最強って言われてる。

 世界各地に神殿があって、オーレレ神の信仰を布教するのと同時に治療院でもあるんだ、普通の怪我や病気以外にも呪いとか特殊な事情のある治療を受けてくれる、ただしその時にかかるGOはすごく高い…』


 ふーん…たしかに前聞いたような…?神殿ってイメージはなんかボランティア精神強そうな感じだったから、治療費が高いって聞いてイメージと違うなって思ってた気がする。

『キミに関わってくる部分はこの神殿!オーレレ神を信仰してる教団からしたら神島は神が住む島そのもの、毎日神島の方向に礼拝してるんだから。

神気の強い所では生き物が生息する事ができないって言ったでしょ、その島付属の小島とはいえ、普通に生きて生活してるキミは教団からしたら奇跡みたいなもんだよ』

「えー、大げさ~」


 神気が強いとか言われても、私にしてみればただの無人島で、頭痛いとかもないし、神気?なにそれ?なんかあんの?って感じ

『キミはなんにも感じてないけど普通の人はこの領域に近づく事すらできなくて、頭痛・吐き気・めまい。この島で生活するなんてアリエナ~イってやつなんだよ』

 「って、言われてもなんも感じないもんは感じないし…」


『教団はね、神気に耐えるため訓練を日々積んでるんだ、どうしてわざわざ山脈ばかりの地下に都市と神殿作ったんだって思わなかった?、ノルオーレの山脈の奥にはオーレレ神が降りたったとされる湖があって、この島と一緒で湖の神気は強くその付近は生き物が住める所ではないんだ

 神島の回りには激しい海流があるから近づくことすらできない…だからノルオーレに神殿を作ったんだ地下に都市を作ったのは湖の水が地下水と混ざって少し神気が弱まるからなんだよ』



 フムフム、神島には行きたくても行けない、だから行ける範囲で一番神様の存在が近くに感じる場所に神殿作ったって事かな~


『そんな、教団では神気に強い存在を随時募集してるんだ』

「え!?なんで??」

『ずーっと言ってるけど、神気が強い場所では生き物が生きていけないんだよ湖を調査したりしたいのに、近づけないんだ』

「なるほど~神気に元々強いとかあれば湖の調査に行けるってことか!」

『そう!だから、キミにとってはその体質を活かした最高の職場だよ、命がけだから報酬も高いしね!………ただ…』


 ??ただ…?ナビ助どしたの?珍しく言葉につまるからちょっと不安になる


『ただ…キミのその神気に強い体質は奇跡みたいなもんって、言ったでしょ…ヘタすると監禁されるかも?』



「……は??」


『神気の影響まったく受けない人間なんてさ…もう神様の使者様?神子様?扱いになってもおかしくないし、逆に異常だ!ってなるかも?』


 なにそれ!ただ元気に生きてるだけで監禁とか無理なんですけど、オーレレ教団には気をつけた方がいいかもしれない…

『でもさ、報酬はいいよ!うまくごまかす事ができれば重宝されて衣食住完備で最高の職場だよ!』


ナ・ビ・助~!!

「イチカバチカ!みたいな職場紹介すんな!!」



第1回異世界旅行資金確保会議はたいした収穫なしで終わった…


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