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第一章 異世界で生き抜くチュートリアル

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『おっほん!それでは気を取り直して、タイGO利用を進めていければと思いますがアイリ様いかがですか?』

「バッチリ、ナンシー」

『最初に説明いたしましたが、専用の宅配BOXをご利用頂き品物のやりとりをさせていただきたいです。宅配BOXは基本サイズ30×30がレンタル無料となっており、より大きいサイズは有料となりますがいかがなさいますか?』

また、有料アイテムでてくるんだ…とりあえず無料の使ってみてから要検討したらいっか。

「無料のやつでいいです」

『かしこまりました。それではBOXを転送いたしますね、それと、ここからはアイリ様の任意になりますがタイGOでは環境配慮のいっかんでリサイクルBOXとコーンポストの配布を無料で行っております。』

無料…ナンシーから無料だなんて信じていいのかな

『アイリ様!何か失礼な事を考えていらっしゃいませんか!?』

ナンシーがプリプリしている、もふもふと揺れている。

「ナンシーってば、普段のおこない振り返ってよ。思われても仕方ないと思う…その、リサイクルBOXはわかるけど、コーンポストってなに?」

『コーンポストは生ゴミを処理して堆肥にするものです、生ゴミをそのまま捨てずに土の栄養にしましょう!って事です。リサイクルBOXも同じくまだ使えるものや、分解して再利用できるものはできるだけ活用していこう!という取り組みです』

ナンシーが力強くフルフルし始めた。

『タイGOも大きな組織となりまして、こうした環境配慮にも大々的に取り組む事ができるようになりました、これも世界の皆様にわが社をご利用頂きましたおかげです!消費するだけでなく、再生にも取り組んでいく!それが今後のわが社の方針なのです!』

ドドーン!!もふもふの胸を蹄で叩いた!

「そ、そっかぁ、すごい取り組みだね、私も協力できるならしたいな。無料なんだよね?」

『無料です、気にせずお使いください!宅配BOXと一緒に転送いたします。』


ゴミどうしようかと思ってたんだよね、ありがたく使わせてもらおう。

「ありがとう!ナンシー、それで宅配BOX届いたらどう使えばいいかな?」

『はい、使用方法は簡単で宅配BOXのフタに、売る・買うを切替えるスイッチがありますので必要に応じて切替えてください』

「売りたいなら、スイッチを売るにして中に何か入れて、買いたい時は中身空にしてスイッチ買うにするのかな。オッケー」

『それでは、今からそれぞれのBOXを送ります。届きましたらいつでもご利用し始めて頂いてかまいません。アイリ様のご利用おまちしています~』

「ありがとう!ナンシー、待ってるね」

一一一一一一一



 さて、BOXはこれから届くけど外はまだ嵐だしこれからどうしようかな。

そういえば、まだ見てない最後のアプリがあったな(∞)オーレレプレイってやつ。


(∞)ポチっ

検索…「    」※キーワードを入れてください。

オススメアプリのご紹介

・パズルゲーム ピンポンパン

・脳トレゲーム ウノーサノー

なるほど、ゲームまであるんだ「すま~ほ」ってすごいけど時々普通のスマホっぽいよね。

ゲーム以外にも色々ありそうだ、とスクロールして見ていく。 

でもダウンロードにお金かかるみたい…

虫眼鏡の、マークの「見えてます」
鑑定アプリ…100GO

ぐるぐる渦巻き、マークの「カトリ~ヌ」
虫除け。…100GO

たこ焼き?、マークの「デリバリーぼうず」
宅配アプリっぽい…1000GO

赤い三角、マークの「えっさほいさ」
菜園ゲーム?ぽい…500GO

気づいてたけど、異世界のアプリって変なのばっかり…



旅行アプリなんてのもあるみたい。

(HTB)、ハイパートラベル
旅行アプリ…10.000GO

世界の果てから果てまでも。異世界旅行始めました!


「異世界旅行…」


これって、もしかして帰れるかも…………?
もしかして帰る方法見つけた!?

 偶然みつけたアプリで帰る事ができるかもしれない。でも、ダウンロードして中身を確認するまで内容はわからない。

 落ち着いてアイリ、こんな時こそ落ち着いて考えないといけない。深呼吸よ深呼吸…。
スーハー、スーハー。震える手でいったん(∞)を切り上げる。


一一一一一一一


 目を閉じて、ゆっくり深呼吸して落ち着いて考える。こんな時にはナビ助に調べてもらおう。

(代神)ポチっ

「ナビ助。ちょっと調べて欲しい事があるの」

『はーい。なになに?』

「さっき見てみたら「すま~ほ」のアプリ異世界旅行ができる(HTB)ってのがあったの、これって本当に異世界旅行できるのかな?」

『一確認中一…(HTB)は最近そういったキャッチフレーズをうたっているみたいだね、「すま~ほ」はマジックアイテム、魔法の道具、中に入るアプリも同じく魔法の力が使われている、世界は広い、もしかしたら次元や時空の壁を超えて移動するほどの転移魔法があるのかもしれない』

ナビ助にしてはゆっくりと、小さい子どもに言い聞かせるように話してくる

『ただし、アプリをダウンロードして中身を確認して実際使ってみるまでは、それがキミの望んでいる異世界旅行なのかわからない。希望を持つ事は大事だけれど、それにすがりすぎてはいけないよ。』

 わかってる、わかってるよ期待し過ぎて中身が全然違うものかもしれないって、言いたいんでしょ。わかってるよ…

 でも、この世界に来て初めて見つけた帰れる方法なのかもしれないんだよ!希望を持つなって方が無理だよ。


 右も左もわからない無人島で、しかも異世界…ゾンビは来るし、ひつじは油断ならないし、ナビ助も助けてくれるけど寂しいのは変わらない。
期待し過ぎないよう、期待するって難しいよ。

気持ちがぐるぐるして。どうしたらいいのかわからない…

そのまま後ろ向きに倒れて、手で目を覆った。

「あーー!!もー!」

手足をバタバタさせて、狭いテントの中で暴れる。

「はぁーぁ」

 どうしろっていうのよ、サンター!こんなに悩まされるとか、今年どんだけ悪い子だったのよ私!

 でも悩んだところで、できることは限られてる。
もうなるようになれ!

やれることやって異世界旅行してやる!そのためには、水と食料を見つけて、まずは生きる!ナンシーの力を借りて10.000GO稼いで(HTB)をダウンロードする!よし!

気合いを入れて腹筋を使って起き上がる!



「ナビ助まだいる?」

『いるよ~。考えるのは終わったの?』

「うん、今後の方針を決めたよ、自分にできることからやる!それでお金も稼ぐし!家にも帰る!」

『数日前のキミからしたら、だいぶ進歩したね、いいんじゃない?にしても、肩の力入りすぎ。少しは気楽にいきなよね~』 

「ナビ助が、力抜けすぎだから私はこれでちょうどいいんだよ!」

『言うじゃん、まぁ元気になったなら良かった、そろそろ雨上がるよ。出かけるなら道ぬかるんでるから気を付けなよね、じゃまたね~』

ナビ助が去っていきテントの中は静かになった。


一一一一一一一



テントの入り口を開ければ、言われた通り雨がもうあがるようで、雲のすき間から光が差してきている。

テントの入り口横に見慣れない箱が3つ並んでいるのを見つけて

「ナンシー、仕事早!」

宅配BOXを売るを選択して、なんとなく足元にあった石を入れてみた。




その後、「すま~ほ」が激しく振動してタイGOからメッセージが届いた

『ちょっと!ただの石を入れてくるとは、どういう事なのですか!?』

ナンシー激おこだった。


その後、石もちゃんと売ってくれた。
ナンシーやっぱりただ者じゃない。ひつじかも怪しいけど謎生物だけど…





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