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復讐編
ep2 終焉の日
しおりを挟む数分後に保健室の先生が戻ってきた
しかし
教室であったことなんて言えるはずもなく
保健室の先生には
「 階段から落ちました 」
「とても疲れたような顔してるわ………
何かあったの??」
と返してくる
「、、、」
言えるわけがない
言ってどうこうなるもんではないと思うし
今は一人にして欲しかったんだと思う
「気分が悪いんで帰ります」
と伝えて足早に学校を出た
帰っている道中色々な思いが巡った
自分は小学生の頃は上手く話せていたのに
中学生になった途端に
何故か声が出なくなっていって
頑張って伝えても揶揄う奴が
中学には沢山いてこんな世界嫌だと思った
人の中に他人を貶して
自分より下だと保険を作る奴がいるのを
そこで学んだ でも………
その時には既に遅かった
どんどん連鎖的に広まり
クラス全体が自分をバカにしてくる
小学生の頃お互い名前で呼びあってた人は
自分をわざと苗字で呼び
まるで自分がウイルスかなんかのような
扱いをされるようになった……
物を隠され、
投げられ、
悪口を言われ、
トイレに待ち伏せされて
色々されたりもした
血と痣だらけになるほど殴られ
首を絞められて意識が無くなったことも
数えきれないくらいある…
倒されてさらに殴られて……
先程のように身体をぶつけられたりもされたし
恐喝なんて当たり前で
身体中に痣ができるまで心身を蝕まれた
爪を剥がされ骨を砕かれ
先生達や両親にも疑われ続けるなか
それでもいつか終わると信じて耐えてきた
ストレスのせいか辛いものを辛く感じなくなり
教室の悪魔達は味覚さえも奪っていくのかと
あまりの理不尽に独りで涙を押し殺した…
ただ黙って耐えてきたのだ…………
独りでただ………
気づけば自分は泣いていた
いつもより酷く声を上げて泣いていた
「自分だって、、
こんな風になりたかったわけじゃない…
自分は確かに悪いかもしれないけど
俺を歪めたのは…お前らだろうがッッ………」
こんな 世界 どうにでもなってしまえ……
家に着いた時には泣き止んでいたがモヤモヤした
制服を脱ぎ捨ててそのまま寝てしまった
全て忘れたい…そんなことできないけど………
「こんにちは せーしろーさん?」
いつか聞いたあの綺麗な声が脳裏に響く
「あなたは誰?」
「起きてくださいな
今から 喜劇 が始まりますよ?」
と言われた。
阿呆らしいように感じた自分は
「はいはい、 何が起こるの?」
と返すと彼女は 微笑のまま
「全秩序の崩壊」
と静かに告げた
ゆっくりと目を覚ますとそこは…………
文字通り <別世界> だった…
まず起きて気づいたのは 窓からの景色が
全部 赤 に染まってることだ
「大規模な火災か……?? 」
室内は幸い火事にはなってないようだが…
消防や警察は対処しきれてないのか?
そう思った瞬間 自分は思いがけないもの
いやものってより人を見てしまう
「なんだ…あれは、、?
複数の黒焦げの 人型の何か が
足を引きずりながら 彷徨っている… 」
みんなもゲームや映画などで
一度は見たことあるだろう?………
ゾンビ
というドロドロとした人型の怪物を…………
それに似ている奴らが彷徨っているんだ
ゲームは死んでもセーブデータが
あればやり直せるし
映画も脚本を書き直せば誰も死なない
でもこれは 現実 だ…
死んだら即一発アウトな世界って……
あまりにも過酷すぎないか…?
美九は…?
藤村さんは……??
不安に駆られるなか一つの言葉が浮かんだ
「全秩序の崩壊」
普通の人なら怖いとしか思えない言葉が
自分にとっては希望となるとはな…
確かに警察は謎の生物に手を焼いているはず
コレを利用しない手はないじゃないか
「まったく自分って人間は罪深い人だよ……
秩序が崩壊したなかで
俺を見下し歪めた人間に 復讐 を望むとは…
でもまずは生き残ってやるっ!…」
第二の産声をあげた瞬間だった
復讐劇は大きく序章と本編の二部構成としよう
まずは序章の幕開けだ
~ ep2完 ~
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