後宮の女医 明明

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第二章 明明桃妃の補佐任命

第3話逃れる術はないのか…

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「私の補佐になってほしい!!!」
は???
この人は一体何を言っているのだろう
位が高い女官でも無い今日会ったばかりの女官ごときに後宮内で…いや、この国で己よりも目上のひとなんて片手で数えるくらいの人間が勧誘するなんて!!
「お気持ちは嬉しいのですが、私はただの女官です。桃妃様の補佐など…」
「そうかそうか!!やってくれるのか!」
だめだこの人話通じねぇえええ
武官も「おめでとう!」じゃない さっきから煽ってばっかだなこの武官
桃妃は些細な動作すら美しく、椅子から立ち上がったかと思えば
チュッ
私の髪のひと房にキスを落とした
「よろしくね、明明」
「~!?!!?」
さすがは上級妃、所作も顔も国宝級だ
色気に当てられた真っ赤な顔の私とは正反対だ
ただ少し離れた場所にいた武官だけが面白くなさそうな顔をしていた


「明明、そこはホコリが貯まりやすいから念入りにお願いします」
「はい!蘇さん!」
仕事は蘇婆に教えて貰ってくれ!とあのあと投げ出された(入れられた?)私は蘇さんに余っていた部屋を貸してもらい休ませてもらった。今日は早朝から大掃除に励んでいる
結局何が起きたのかこの天才的な脳(自覚あり)でもイマイチ理解できていないが、
とりあえず、お咎めなしでしかも昇進…って事だよね!
と考えることにした
「明明は仕事が早くて助かるわ~」
「掃除は得意ですので!」
うちの診療室でも前の後宮での仕事場でも掃除には気を使っていた。きちんと掃除していないと喘息を起こしたり病気にかかりやすくなったりするからだ。
この知識があったから先の騒動でも乗り切れたのだと思う
「それじゃあ次は桃妃様にお茶を入れてきて貰えるかしら?」
そして蘇さんは思ってたよりもお優しい。指導者としての評判や噂を聞いていたのだからもっと堅苦しくて融通の聞かない方なのかと思っていた
こうやって仕事をくれるのも私への配慮なのだろう
そんな風に考えてる私の思考を察したのか蘇さんが口を開いた
「何事も柔軟に受け止め、一人一人の意思を尊重し、背中を押さなければならないのですよ。若者の道を塞いでなるものですか」
やっぱり蘇さんは凄い指導者だ  だから
「はい!」
今できる限りのことで期待に応えよう
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