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みなさまわたくしのことを忘れてなくて?え?どうでもいいですって?

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なんだかお話がシリアスになってきてません?
でも恐らくそれこそ神の望みのままなはず。

ええ、これでもわたくし、神の神子なんて名を与えられておりましたからね。そういう雰囲気には目ざといんですのよ。うふふ。

ようやく、大人しく勇者様が攻略本通りに、神が望むままに歩みを進めて下さるようになりました。
一度北の大陸からわざわざ戻って来たときはコイツ頭おかしいんじゃないかって本気で思いましたわ。
それはもう、わたくしをストーキングするために戻ってきたと思うほど。

実際は神の存在について疑問を感じたからだそうで、どう誤魔化したら良いか困ってましたけれど。
でもなんだか勝手に「神はみんなの心のなかにいるんだ」とか言って納得してくださったので安心しました。

それよりもあの司祭の男です!
なにが「神の神子なんて嘘っぱちなんじゃないか」ですの。
誰が好き好んで塔に監禁された上に、神の神子だなんてイタい名前を自分に付けなきゃいけないのでしょうか!?
わたくしにはちゃんと素敵な名前がありますのよ。それに、確かに神は存在するのです。そう、イダインダ・ワレカミ・カミゴッド様は。

……相変わらずイタい名前だなオイ!?

もうちょっとどうにかならないのか?こいつネーミングセンス無さすぎだろ。てかなに?その名前は誰が付けたの?自分?それとも他の何者かが?どちらにせよイタいわ!
通りで教会のやつらも神としか言わないわ恥ずかしいもんこの世界の神はイダインダ・ワレカミ・カミゴッドですとか言えないわ!

うふふ。取り乱してしまいましたわ。

まあとにかく、イタ神は確かに存在するのです。何せ実際監禁されましたからね、わたくし。
どうせまた見た目のいい女を探しに行ってるだけなんだと思いますけどね、わたくしは。
でもちょうどいいところでしたわ。勇者様はやる気などないようですが、わたくしは神に用事がありますからね。
なにせわたくしはあいつを滅ぼしてやらなきゃ気が済みませんもの。うふふ。
いいようにわたくしをコキ使いやがって…わたくしの一番輝いていた美しき20代前半を返しやがれクソが!!

ですからね?復讐に燃えるわたくしが一緒の方が、おろかな人々が探し求める神を見つけられる確率が上がると思いますのよ?
まあそこまではいいでしょう。わたくしと一緒に旅をさせていただきたいと思うそのお気持ちはよおく解りますのよ?

ですけどね?

そのキーパーソンをですよ?神に仕えるこのわたくしをですよ?
まさか縄で縛って無理矢理つれ回すだなんて!!
ストーカーに飽きたらず拉致監禁!
いやつれ回してるから誘拐か!?

クソ変態勇者一行め!こいつらも滅ぼしてやろうか!?

とまあ思いましたのよ。てか思っても文句言われないと思うんですのよ!?
ですがわたくしは神に仕える身。
誤っても憎さゆえに魔王に勇者と神を滅ぼすようお願いすることできないじゃあありませんの。

でも大丈夫。今のわたくしには、強い味方がおりますの。
なにせわたくしは神の神子。
神に愛されし唯一の存在。

攻略本をくださったあの神に従ってさえいれば、この世界を牛耳るも容易いこと。
え?神神うるさいですって?仕方ないでしょう、わたくしは神の神子なのですから、そりゃあ神神言いますわよ。

それに、神が一人だなんて誰が決めたんですの?ああ、あの教会のやつらでしたっけ。
なんにも知らないかわいそうな人々。うふふ。

神様がお一人だなんて限らないじゃありませんこと?
遠いかの国では八百万の神々がいらっしゃると言うではありませんか。それも神から伝え聞いたこと。
まあ、この世界はあの神が神としていらっしゃる間は、本当の意味の神はお一人なんですけれどね。
ああ、神神うるさくてごめんあそばせ。

ともかく今は、わたくしが知っていることは隠しておかなければなりませんわね。
なにせわたくしの存在なぞ、どうにでもできるのですからね、神は。

それはつまり、神の望むままに動いてさえいれば、よくあしらってもらえるということ!

お気に召していただければ、このみなさまから不評な衣装も変えてもらえて、もしかしたら一国の姫にだってしてもらえるかもしれないではありませんか!

うふふ。いいですか?これはわたくしだけの秘密ですからね?うふふ。
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