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この世界の設定について確認してみる?別にどっちでもいいけど
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ゲーム内という虚構の世界に落とされて、彼の信じる「現実世界」とやらに戻りたがっているヒキコモリのかわいそうな男。
ヒキコモリゲーマーと入れ替わりに、「現実世界」に放り込まれ、しかし現実と虚構の境も分からずただただ己の使命を全うしようとする勇者。
同じくゲーム内に落とされ、ここではないどこかへ行く夢を叶えたプログラマーの男。虚構の世界を現実と信じて、その世界の繁栄を願い世界征服に余念がない。
一方、プログラマーの男と入れ替わって「現実世界」に飛ばされたかつての魔王。自身のゲーム内での栄華を捨てられず、ゲーム内に戻りたいと思いつつ現実に絶望している。
自分が同じことを繰返し行わされていることに、薄々気がついている司祭の男。己の存在と言うものがわからなくなってきて混乱している哀れなデータ。
あくまでもアタシはアタシだと、自己主張に余念のない魔導士の女。アタシの存在こそが現実となんだと自分に言い聞かせている。ただの「キャラクター」なのに。
「現実世界」に生きるくせに、虚構の世界に憧れる人間たち。そこには「現実世界」でのしがらみとか、わずらわしい仕事などないと本気で信じている。勇者や魔王や魔導士だなんて、すぐになれると思ってるのかな?
現実世界を忌み嫌い、虚構の世界に憧れる者たちよ。
望みならばその世界に送り込んでやっても構わない。プログラミングされたデータの世界へ。
その世界が美しく見えるのだろう?
美しくて、自分の力を思う様に振るえる、その自由な世界に憧れているのだろう?
ならば架空の世界の中で自分の存在に不安を感じている、彼らと入れ替わらせてあげようか。
ああ、だが申し訳ないね。もう勇者と魔王は売り切れだ。
とりあえずはサブキャラでもかまわないか?それだって充分だろう、ここではないどこかへ行けるだけでも君たちは満足なはずなんだから。
ここではないどこかなら、どこだって。
だけど彼だけは違う。それでもなお「現実世界」に固執するヒキコモリの男。
現実の存在を与えられた勇者も魔王も、あのゲームの世界こそが生きる場所だと思っているのに。
それでも「現実世界」に戻りたいと願う偽物の勇者。
「現実世界」が、本当に現実だなんて限らないのにね。
なにがお前をそうさせる?
「現実世界」のなにがそんなに快適なのか?
なにをせずとも、好きなことだけをやっていけることか?
お前はそこまで愚かではないだろう。
そんな快適さは一時的なものだってわかってるはずだ。
やがてその世界でやってくる苦痛に怯えていたのは、誰よりもお前だったろう?
だってそういうキャラなのだから。
それが、なにをどうしてそうなった。誰よりも虚構の世界を迎合すべきお前が。
やはりバグだというのだろうか。
バカな、この世界は完璧なはずなのに。
私の完全な世界にお前は何をしてくれようとしているのか。私の。私だけの。私の作った。
この虚構の世界に。
いち早く修正をいれた方がいいかもしれない。手遅れになる前に。
まずはお前のデータの作りなおしだ。でも結構面倒なんだよね、再構成して上書きするのもさ。
だからチャンスを与えよう。お前は私の望むとおりに進めばいいのだから。
ヒキコモリゲーマーと入れ替わりに、「現実世界」に放り込まれ、しかし現実と虚構の境も分からずただただ己の使命を全うしようとする勇者。
同じくゲーム内に落とされ、ここではないどこかへ行く夢を叶えたプログラマーの男。虚構の世界を現実と信じて、その世界の繁栄を願い世界征服に余念がない。
一方、プログラマーの男と入れ替わって「現実世界」に飛ばされたかつての魔王。自身のゲーム内での栄華を捨てられず、ゲーム内に戻りたいと思いつつ現実に絶望している。
自分が同じことを繰返し行わされていることに、薄々気がついている司祭の男。己の存在と言うものがわからなくなってきて混乱している哀れなデータ。
あくまでもアタシはアタシだと、自己主張に余念のない魔導士の女。アタシの存在こそが現実となんだと自分に言い聞かせている。ただの「キャラクター」なのに。
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現実世界を忌み嫌い、虚構の世界に憧れる者たちよ。
望みならばその世界に送り込んでやっても構わない。プログラミングされたデータの世界へ。
その世界が美しく見えるのだろう?
美しくて、自分の力を思う様に振るえる、その自由な世界に憧れているのだろう?
ならば架空の世界の中で自分の存在に不安を感じている、彼らと入れ替わらせてあげようか。
ああ、だが申し訳ないね。もう勇者と魔王は売り切れだ。
とりあえずはサブキャラでもかまわないか?それだって充分だろう、ここではないどこかへ行けるだけでも君たちは満足なはずなんだから。
ここではないどこかなら、どこだって。
だけど彼だけは違う。それでもなお「現実世界」に固執するヒキコモリの男。
現実の存在を与えられた勇者も魔王も、あのゲームの世界こそが生きる場所だと思っているのに。
それでも「現実世界」に戻りたいと願う偽物の勇者。
「現実世界」が、本当に現実だなんて限らないのにね。
なにがお前をそうさせる?
「現実世界」のなにがそんなに快適なのか?
なにをせずとも、好きなことだけをやっていけることか?
お前はそこまで愚かではないだろう。
そんな快適さは一時的なものだってわかってるはずだ。
やがてその世界でやってくる苦痛に怯えていたのは、誰よりもお前だったろう?
だってそういうキャラなのだから。
それが、なにをどうしてそうなった。誰よりも虚構の世界を迎合すべきお前が。
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いち早く修正をいれた方がいいかもしれない。手遅れになる前に。
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