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37.A
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唇を離すと、ベナはキヤギネの首に抱きつき、キヤギネはベナの白く柔らかな髪を撫でます。
髪を撫でられるのが嬉しくてキュンとしながらベナが話を続けます。
「・・ここへはリークの案内で来ました。」
「女2人でか・・・困った子達だな・・危険な目に遭ったらどうするつもり・・」
「遭いました。 盗賊みたいな男達に襲われそうに・・」
「!! ベナ!? 何かされたのか!?」
キヤギネは首に絡みついていたベナを押し戻し、その瞳を覗き込みながら訊ねます。 男達に酷い目に遭わされた麗華の事を思い、蒼ざめます。 まさかまた、あんな思いを――!?
「いいえ、リークと二人で、やっつけましたわ!」
ベナが元気に、かなり得意げに答えるので、キヤギネはホッとします。
「・・頼むから、今後そんな危険な事はしないでくれ・・」
厳しい表情でそう言うキヤギネに、ベナも真剣な瞳で言います。
「リークに聞きました。 キヤギネ様は過去に沢山の女性とお付き合いされたって。 色々なタイプの女性と恋のゲームを楽しまれたって。」
「え・・・(リーク、何て事をリークしてくれてるんだ・・)・・あ、いや・・」
「経験豊富なあなたに、未経験の私が教えてあげます・・・女が危険を冒して男に会いに来る理由はたった一つです。 それは―― 」
ベナはそこで言葉を切ると、遠くを見る様な眼をして柔らかく微笑みます。
キヤギネの脳裏に、何故か不意に自分が生まれた時占い師に言われたという文言が浮かび、ベナの声と重なって聞こえてきます。
「あなたが仰って下さった様に、私の魂は怒りや復讐心を持っていません。」
“この王子は強い怒りと復讐心を持って生れて来た。”
「本当なら復讐心に燃え、大変な罪を犯すはずだったかもしれないけど・・」
“いつか、国を揺るがすような罪を犯すだろう。”
「前世、最期に見た光景が私の魂を守り、今も尚守り続けてくれているのです。」
“前世からの強い意志は、誰にも止める事は出来ない。”
「私の魂を濁らせることなく守ってくれたもの、それは――」
“だた唯一、止める事が出来るとしたらそれは――”
「愛です。」
「(・・ッ)」
キヤギネは息を呑みます。 それが、A――
謎の占い師が示さなかった解決策・・ベナの魂を守り続けたもの・・ベナが危険を冒してここへ来た理由・・全ての答えは、
「・・愛ですわ、キヤギネ様・・・前世、私が最期に見た光景が私を愛で包んでくれたのです。」
「・・ハッ・・・ ベナ・・ しかし、麗華が最期に見た光景は、悲惨な・・」
麗華はマロを庇ってマロに覆いかぶさったまま死ぬまで金属バットで殴られたのです。 麗華が最期に見たのは環の別荘のフローリングの床だったはずです。
「崖から海へ放り投げられた直後、私は息を吹き返しました――意識が戻ったのです。 その瞬間、“ヴァゥッ”という声がして、視線を彷徨わせた先に白いものが見えました。 それは私を追って、私をめがけて、真っ直ぐに崖から海へ飛び込んだマロ――あなたの姿でした。 きっともう、動くのも辛かったはずなのに、私を追いかけて、真っ直ぐ、私に向かって・・・そんなマロを見た瞬間、マロの眩しい程の愛に包まれて麗華の魂も愛で溢れました。 辛く苦しい人生だったけど、最期の最期に麗華は愛に満ち溢れて死を迎えたのです。」
「・・あの時、最期に目が合った様に感じたのは、麗華が笑った様に感じたのは、気のせいではなかったんだな・・・」
環の別荘の部屋の端に蹴り飛ばされたまま忘れられていたマロは、部屋から運び出される麗華を追って行き、崖からまるでゴミを捨てる様に放り出された麗華が不憫で、独りにしたくなくて、必死に最後の力を振り絞って崖からをダイヴしたのでした。
「麗華の人生は悲惨でしたから、ベナとして生まれた後、長い間魂は委縮したままでしたけど、それでも怒りや復讐心に苛まれる事はありませんでした。 私の魂は濁らず守られたのに、あなたの魂が苦しみに灼かれ続けているなんて・・・今度は私の愛で、あなたの魂を救いたい・・!」
ベナは祈る様に熱い気持ちを口にした後、やわらかな瞳でキヤギネを包み込む様にやさしく見つめながら、訊ねます。
「あなたはどうしたいのですか? あなたの魂が一番に求めているのは何なのでしょう?」
「・・俺は・・俺の望みは・・・君の幸せだ・・麗華の分も、君に幸せになって欲しい。 だから、それを邪魔するものを排除したい・・」
「だったら、先ず私を幸せにして下さい。 あなたにしか出来ない事です。」
「うん・・どうすればいい?」
真顔で訊いて来るキヤギネに、ベナは2、3度目を瞬いて、
「ふふっ、マロはよく分かってくれていましたよ? 私の望み・・」
そう言ってベッドから降りて数歩離れ、ビシッと“気を付け”の姿勢で、
「側に居て下さい。 側に居させて下さい。 妻でなくても、メイドでも、何でもいいのです。 それが私の一番の、唯一の望み、幸せです!」
「・・・ッ・・ ベナ・・本当に・・俺でいいのか? ヤカフ伯爵・・」
「は、伯爵!? 何でここでまた伯爵!? 何で彼にこだわるのですか!?」
もう呆れて、ハの字眉でベナが叫びます。
「・・君は伯爵に真剣に色仕掛けを・・」
「それは、伯爵に恩を返さなきゃと。でも、本音を言ってしまうと、伯爵から離縁されなければ、あなたの側に居られるっていうのが大きかったです! “奥様の部屋”に居続けられれば、バルコニーからあなたの姿を見れると思ったから、頑張ろうと――でも、それで分かりました。 伯爵とは無理だと。 “大人のキス”が、どうしても出来なかったのです・・。 ――純也君の事を思い出す前に、伯爵は既にアウトだったのですわ!」
ベナはハァハァと肩で息をしながら一気に言い切ります。 何だか泣きそうです。
「俺には“大人のキス”が出来ると?「しっ、していいのですか!?」
かなり食い気味に質問に質問で答えたベナが、“キヤギネ様のお気持ちが変わらない内に!”とばかりにタタタとベッドに近付くと、
「・・ッ!? ・・ゥンッ・・」
強い力で引き寄せられ、唇が塞がれて・・
舌を絡め、視線を絡め・・・
想いも絡まり、一つになる様に・・・
ベナは自分が女である事、愛する男に触れ、触れられるヨロコビに驚き、震えます。
優しい愛撫に過剰に反応してしまう自分のイヤラシイ体に戸惑い羞恥を感じるものの、強烈な快感が羞恥心をあっという間に消し去り、消し去っては新たな羞恥心に襲われ、それもすぐに忘れさせられ、さらに深く、強く・・・
「・・あ、あぁッ、キヤギネ様ッ! 愛してま・・「ベナ、愛してる・・ッ」
「 !!! 」
初めて、ハッキリと言ってくれた・・愛の言葉を、“愛してる”と・・・
「・・あぁッ・・!!」 嬉しさに心も体も完全に蕩けたベナ。 解き放たれた女のカラダは男が戸惑う程の快感をもたらし、狂わせて・・・
長い、長い“大人のキス”をしながら重なり、繋がり、波打ち・・・
愛の行為が連れて来る快感の凄まじさに悶え狂うカラダ――前世で知る事の無かったソレに圧倒され目眩を覚えながら何度でも求め、何度でも受け入れるベナに、キヤギネは何度でも与え、何度でも求めて―――
温度を上げ湿度を帯びる部屋の空気。
その空気を激しく優しく揺らす波打つカラダ達は外が明るくなっても離れられないのです・・・
髪を撫でられるのが嬉しくてキュンとしながらベナが話を続けます。
「・・ここへはリークの案内で来ました。」
「女2人でか・・・困った子達だな・・危険な目に遭ったらどうするつもり・・」
「遭いました。 盗賊みたいな男達に襲われそうに・・」
「!! ベナ!? 何かされたのか!?」
キヤギネは首に絡みついていたベナを押し戻し、その瞳を覗き込みながら訊ねます。 男達に酷い目に遭わされた麗華の事を思い、蒼ざめます。 まさかまた、あんな思いを――!?
「いいえ、リークと二人で、やっつけましたわ!」
ベナが元気に、かなり得意げに答えるので、キヤギネはホッとします。
「・・頼むから、今後そんな危険な事はしないでくれ・・」
厳しい表情でそう言うキヤギネに、ベナも真剣な瞳で言います。
「リークに聞きました。 キヤギネ様は過去に沢山の女性とお付き合いされたって。 色々なタイプの女性と恋のゲームを楽しまれたって。」
「え・・・(リーク、何て事をリークしてくれてるんだ・・)・・あ、いや・・」
「経験豊富なあなたに、未経験の私が教えてあげます・・・女が危険を冒して男に会いに来る理由はたった一つです。 それは―― 」
ベナはそこで言葉を切ると、遠くを見る様な眼をして柔らかく微笑みます。
キヤギネの脳裏に、何故か不意に自分が生まれた時占い師に言われたという文言が浮かび、ベナの声と重なって聞こえてきます。
「あなたが仰って下さった様に、私の魂は怒りや復讐心を持っていません。」
“この王子は強い怒りと復讐心を持って生れて来た。”
「本当なら復讐心に燃え、大変な罪を犯すはずだったかもしれないけど・・」
“いつか、国を揺るがすような罪を犯すだろう。”
「前世、最期に見た光景が私の魂を守り、今も尚守り続けてくれているのです。」
“前世からの強い意志は、誰にも止める事は出来ない。”
「私の魂を濁らせることなく守ってくれたもの、それは――」
“だた唯一、止める事が出来るとしたらそれは――”
「愛です。」
「(・・ッ)」
キヤギネは息を呑みます。 それが、A――
謎の占い師が示さなかった解決策・・ベナの魂を守り続けたもの・・ベナが危険を冒してここへ来た理由・・全ての答えは、
「・・愛ですわ、キヤギネ様・・・前世、私が最期に見た光景が私を愛で包んでくれたのです。」
「・・ハッ・・・ ベナ・・ しかし、麗華が最期に見た光景は、悲惨な・・」
麗華はマロを庇ってマロに覆いかぶさったまま死ぬまで金属バットで殴られたのです。 麗華が最期に見たのは環の別荘のフローリングの床だったはずです。
「崖から海へ放り投げられた直後、私は息を吹き返しました――意識が戻ったのです。 その瞬間、“ヴァゥッ”という声がして、視線を彷徨わせた先に白いものが見えました。 それは私を追って、私をめがけて、真っ直ぐに崖から海へ飛び込んだマロ――あなたの姿でした。 きっともう、動くのも辛かったはずなのに、私を追いかけて、真っ直ぐ、私に向かって・・・そんなマロを見た瞬間、マロの眩しい程の愛に包まれて麗華の魂も愛で溢れました。 辛く苦しい人生だったけど、最期の最期に麗華は愛に満ち溢れて死を迎えたのです。」
「・・あの時、最期に目が合った様に感じたのは、麗華が笑った様に感じたのは、気のせいではなかったんだな・・・」
環の別荘の部屋の端に蹴り飛ばされたまま忘れられていたマロは、部屋から運び出される麗華を追って行き、崖からまるでゴミを捨てる様に放り出された麗華が不憫で、独りにしたくなくて、必死に最後の力を振り絞って崖からをダイヴしたのでした。
「麗華の人生は悲惨でしたから、ベナとして生まれた後、長い間魂は委縮したままでしたけど、それでも怒りや復讐心に苛まれる事はありませんでした。 私の魂は濁らず守られたのに、あなたの魂が苦しみに灼かれ続けているなんて・・・今度は私の愛で、あなたの魂を救いたい・・!」
ベナは祈る様に熱い気持ちを口にした後、やわらかな瞳でキヤギネを包み込む様にやさしく見つめながら、訊ねます。
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真顔で訊いて来るキヤギネに、ベナは2、3度目を瞬いて、
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ベナはハァハァと肩で息をしながら一気に言い切ります。 何だか泣きそうです。
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かなり食い気味に質問に質問で答えたベナが、“キヤギネ様のお気持ちが変わらない内に!”とばかりにタタタとベッドに近付くと、
「・・ッ!? ・・ゥンッ・・」
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舌を絡め、視線を絡め・・・
想いも絡まり、一つになる様に・・・
ベナは自分が女である事、愛する男に触れ、触れられるヨロコビに驚き、震えます。
優しい愛撫に過剰に反応してしまう自分のイヤラシイ体に戸惑い羞恥を感じるものの、強烈な快感が羞恥心をあっという間に消し去り、消し去っては新たな羞恥心に襲われ、それもすぐに忘れさせられ、さらに深く、強く・・・
「・・あ、あぁッ、キヤギネ様ッ! 愛してま・・「ベナ、愛してる・・ッ」
「 !!! 」
初めて、ハッキリと言ってくれた・・愛の言葉を、“愛してる”と・・・
「・・あぁッ・・!!」 嬉しさに心も体も完全に蕩けたベナ。 解き放たれた女のカラダは男が戸惑う程の快感をもたらし、狂わせて・・・
長い、長い“大人のキス”をしながら重なり、繋がり、波打ち・・・
愛の行為が連れて来る快感の凄まじさに悶え狂うカラダ――前世で知る事の無かったソレに圧倒され目眩を覚えながら何度でも求め、何度でも受け入れるベナに、キヤギネは何度でも与え、何度でも求めて―――
温度を上げ湿度を帯びる部屋の空気。
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