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第三章
24 諦めないエロ愚ロ王
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ブワチィッ!
「ぬぅッ!?」
青黒い龍の手はステラに触れる前に弾かれた。
ジュゥゥゥッ
腕の根元まで焼き切れた様に失った青黒い龍の右手。
その分、王の魔力が失われた事を意味する。
「‥‥このッ!」
ビュッ!
ブワチィッ!
カッとした王は青黒い龍の左手をステラ目掛けて繰り出す。
が、右手同様、弾かれたと思ったら根元まで失ってしまう。
(な‥何‥何故!?)
王はステラを甚振って楽しむつもりだった。
魔力で体にショックを与えれば、誰でも力を失い立っている事さえ出来なくなる。
そうして床に倒れ込んだステラのドレスを引き裂き全てを露わにした上で同級生たちが見ている前でメチャメチャに凌辱してやるつもりだった。
快楽に耐えきれず嬌声を上げさせ、泣き喚き、許しを乞わせるつもりだった‥‥!
それなのに、王が両手分の魔力を失っただけで、ステラは相変わらずの無表情だ。
(普通、魔力を使う時は体内に流れる魔力を集中させて形にする。
我の青龍の様に。
だが、ステラ嬢はその気配が無い。
魔力を見せないから、どれぐらいの魔力を持っているか把握出来ない。
我の攻撃に対してピンポイントで対処したという事は、恐ろしいほどの魔力制御能力なのは確かだ。
しかもただの防御ではない。
青龍の両手分の魔力を焼き切り、消滅させた。
これが『赤い魔力』か‥‥
絶対欲しい。
赤い魔力も。
極上の体も!)
「不敬だぞ?
ステラ嬢‥‥
手加減してやっているというのに、抵抗し続けるとは。
可愛さ余ってナントヤラだ。
どうやら本当に、そなたの魔力を我が魔力で凌辱するしかない様だ」
凍り付いていた大ホールの人々がコソコソと言葉を交わす。
「陛下は先程から何を仰っているのだろう?」
「魔力で魔力を凌辱するなど、聞いた事も無い」
「陛下には失望しました。
女性を何だと思っていらっしゃるのか‥‥」
「シッ! 不敬罪に問われます」
「それにしても酷過ぎます!」
「誰も陛下をお止め出来ないのか?」
「出来ない様ですよ。
あぁ、私はこんな国に住んでいたのか‥‥」
尻もちをついたまま呆けている3王子と、真っ青な顔で俯く側近、騎士達。
ホール内の人々は、気付いてしまった。
これまで崇めて来た国王の愚王っぷりを。
そしてその愚王がこの国では法なのだと。
ホール内の人々がティスリー王国から脱出する算段を始めたところで、凛とした声が響く。
「魔力で魔力を凌辱するとは、何といかがわしい響きでしょう。
もしや陛下が為されようとしている事は、国際的にも違法とされている事では?」
「勿論そうだとも!
だが、今ここにいる外国人はそなただけだ。
我が国民は口が固い。
バレなければいいのだよ、我が妃よ」
「私は陛下の側妃になど絶対なりません!」
「分からない子だの?
拒否など無意味だぞ?
我は力尽くでそなたを奪うと決めた!
手加減無しの全力でな!」
王から立ち昇る青黒い龍が最大限に膨れ上がり――
「ぬぅッ!?」
青黒い龍の手はステラに触れる前に弾かれた。
ジュゥゥゥッ
腕の根元まで焼き切れた様に失った青黒い龍の右手。
その分、王の魔力が失われた事を意味する。
「‥‥このッ!」
ビュッ!
ブワチィッ!
カッとした王は青黒い龍の左手をステラ目掛けて繰り出す。
が、右手同様、弾かれたと思ったら根元まで失ってしまう。
(な‥何‥何故!?)
王はステラを甚振って楽しむつもりだった。
魔力で体にショックを与えれば、誰でも力を失い立っている事さえ出来なくなる。
そうして床に倒れ込んだステラのドレスを引き裂き全てを露わにした上で同級生たちが見ている前でメチャメチャに凌辱してやるつもりだった。
快楽に耐えきれず嬌声を上げさせ、泣き喚き、許しを乞わせるつもりだった‥‥!
それなのに、王が両手分の魔力を失っただけで、ステラは相変わらずの無表情だ。
(普通、魔力を使う時は体内に流れる魔力を集中させて形にする。
我の青龍の様に。
だが、ステラ嬢はその気配が無い。
魔力を見せないから、どれぐらいの魔力を持っているか把握出来ない。
我の攻撃に対してピンポイントで対処したという事は、恐ろしいほどの魔力制御能力なのは確かだ。
しかもただの防御ではない。
青龍の両手分の魔力を焼き切り、消滅させた。
これが『赤い魔力』か‥‥
絶対欲しい。
赤い魔力も。
極上の体も!)
「不敬だぞ?
ステラ嬢‥‥
手加減してやっているというのに、抵抗し続けるとは。
可愛さ余ってナントヤラだ。
どうやら本当に、そなたの魔力を我が魔力で凌辱するしかない様だ」
凍り付いていた大ホールの人々がコソコソと言葉を交わす。
「陛下は先程から何を仰っているのだろう?」
「魔力で魔力を凌辱するなど、聞いた事も無い」
「陛下には失望しました。
女性を何だと思っていらっしゃるのか‥‥」
「シッ! 不敬罪に問われます」
「それにしても酷過ぎます!」
「誰も陛下をお止め出来ないのか?」
「出来ない様ですよ。
あぁ、私はこんな国に住んでいたのか‥‥」
尻もちをついたまま呆けている3王子と、真っ青な顔で俯く側近、騎士達。
ホール内の人々は、気付いてしまった。
これまで崇めて来た国王の愚王っぷりを。
そしてその愚王がこの国では法なのだと。
ホール内の人々がティスリー王国から脱出する算段を始めたところで、凛とした声が響く。
「魔力で魔力を凌辱するとは、何といかがわしい響きでしょう。
もしや陛下が為されようとしている事は、国際的にも違法とされている事では?」
「勿論そうだとも!
だが、今ここにいる外国人はそなただけだ。
我が国民は口が固い。
バレなければいいのだよ、我が妃よ」
「私は陛下の側妃になど絶対なりません!」
「分からない子だの?
拒否など無意味だぞ?
我は力尽くでそなたを奪うと決めた!
手加減無しの全力でな!」
王から立ち昇る青黒い龍が最大限に膨れ上がり――
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