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理事長の視線に気付き、ユウトは自分の右側に座っているナイトを見る。
「ナイト?
どうかした?」
「?
別にどうもしない」
ユウトはいつも通りに答えるナイトにニコリと微笑みナイトの頬を染め上げると。
様子のおかしい理事長に声を掛ける。
「理事長?
どうかされましたか?
医者を呼びますか?」
「え――あ――」
理事長はユウトの目がアンバーなのを、ナイトの目に赤い稲妻が無いのを確認して、フウゥーッと息を吐き出し、床の上でスッと居住まいを正すと――
土下座した!
「八桐君、本当に申し訳なかった」
ユウトは胡散臭いと思っていた理事長の突然の土下座にビックリするが――
(今日の理事長は何故か胡散臭くないんだよね。
何か毒気が抜かれてる感じ?)
「謝罪を受け入れます。
慰謝料等は必要ありません。
僕はナイトに助けられ無事ですので。
それより、今後のアイドル部の在り方を検討して欲しいです。
僕の代だけじゃなく、僕の後の代もずっと健全に活動出来るように」
!!!
「ユウト、アイドルは断れ」
「嬉しいよ、ユウト君、アイドルをやってくれるんだね!」
「もちろん、アイドル部は徹底して改善させると約束する!」
「いや、3人同時に言われても――
ナイト、僕、アイドルしないと橘高に通えないんだ。
入試の点数が全然足りてないから。
だからアイドル断れないんだ」
耳がナイトの声を選んだユウトはナイトに答える。
「――ッ」
ナイトは小さく息を吐き出すと、理事長に向かって口を開く。
「知っているだろうが橘高は腐りきっている。
ユウトを守る為に俺とユウトを同じクラスに。
席は隣同士にすること。
――いいな?」
「――ッい、いや、もうクラス分けは終了している」
「だろうから、わざわざ理事長に申し入れている」
「――実はユウト君の学力では普通に授業を受けられないと判断して、特別クラスで勉強してもらおうと思っている。
特別クラスと言っても、生徒はユウト君だけで、教師は全授業私が務める」
「却下だ」
(は、早。
理事長が目を丸くしてるけど――)
「僕もそれはちょっと嫌ですね。
理事長と二人きりなんて――あ、声に出しちゃった。
すみません、でも嫌です」
「――ユ、ユウト君、
そりゃ普通に高校生らしくクラスの仲間と勉強したり行事に参加したりしたいのは分かるけど君の学力‥」
「ユウト、クラスの仲間が欲しいのか?」
「そこは別にいいかな。
僕の夢は男子高校生として、女子高校生とお付き合いする事だから。
クラスの仲間とか別に要らない。
ただ、全授業理事長と二人きりって何の罰ゲームって…あ、すみません」
「ユウト君…ヘビー級の激重ジャブに私はダウン寸前だよ…」
「よし、ならば話は簡単だ。
ユウトは特別クラス、教師は俺が務める。
それで手を打とう。
ユウト、それでいいか?」
「―――いいね!」
「「ダメだッ!」」
叔父と甥の声が仲良く揃った。
「ナイト?
どうかした?」
「?
別にどうもしない」
ユウトはいつも通りに答えるナイトにニコリと微笑みナイトの頬を染め上げると。
様子のおかしい理事長に声を掛ける。
「理事長?
どうかされましたか?
医者を呼びますか?」
「え――あ――」
理事長はユウトの目がアンバーなのを、ナイトの目に赤い稲妻が無いのを確認して、フウゥーッと息を吐き出し、床の上でスッと居住まいを正すと――
土下座した!
「八桐君、本当に申し訳なかった」
ユウトは胡散臭いと思っていた理事長の突然の土下座にビックリするが――
(今日の理事長は何故か胡散臭くないんだよね。
何か毒気が抜かれてる感じ?)
「謝罪を受け入れます。
慰謝料等は必要ありません。
僕はナイトに助けられ無事ですので。
それより、今後のアイドル部の在り方を検討して欲しいです。
僕の代だけじゃなく、僕の後の代もずっと健全に活動出来るように」
!!!
「ユウト、アイドルは断れ」
「嬉しいよ、ユウト君、アイドルをやってくれるんだね!」
「もちろん、アイドル部は徹底して改善させると約束する!」
「いや、3人同時に言われても――
ナイト、僕、アイドルしないと橘高に通えないんだ。
入試の点数が全然足りてないから。
だからアイドル断れないんだ」
耳がナイトの声を選んだユウトはナイトに答える。
「――ッ」
ナイトは小さく息を吐き出すと、理事長に向かって口を開く。
「知っているだろうが橘高は腐りきっている。
ユウトを守る為に俺とユウトを同じクラスに。
席は隣同士にすること。
――いいな?」
「――ッい、いや、もうクラス分けは終了している」
「だろうから、わざわざ理事長に申し入れている」
「――実はユウト君の学力では普通に授業を受けられないと判断して、特別クラスで勉強してもらおうと思っている。
特別クラスと言っても、生徒はユウト君だけで、教師は全授業私が務める」
「却下だ」
(は、早。
理事長が目を丸くしてるけど――)
「僕もそれはちょっと嫌ですね。
理事長と二人きりなんて――あ、声に出しちゃった。
すみません、でも嫌です」
「――ユ、ユウト君、
そりゃ普通に高校生らしくクラスの仲間と勉強したり行事に参加したりしたいのは分かるけど君の学力‥」
「ユウト、クラスの仲間が欲しいのか?」
「そこは別にいいかな。
僕の夢は男子高校生として、女子高校生とお付き合いする事だから。
クラスの仲間とか別に要らない。
ただ、全授業理事長と二人きりって何の罰ゲームって…あ、すみません」
「ユウト君…ヘビー級の激重ジャブに私はダウン寸前だよ…」
「よし、ならば話は簡単だ。
ユウトは特別クラス、教師は俺が務める。
それで手を打とう。
ユウト、それでいいか?」
「―――いいね!」
「「ダメだッ!」」
叔父と甥の声が仲良く揃った。
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