14 / 104
14 決意
しおりを挟む
「ただい…ひぃッ!?
ウチのボロ屋のコタツん中にワールドクラスの美青年と美少年が入っている!?
ハッ!
美少年の方は俺の孫のユウト!」
「じぃちゃ‥‥いや、
もうツッコまないよ。
友達のナイト君。
ウチでご飯食べてってくれるんだって♪」
「ハハ、ユウトご機嫌だなぁ?
カワイイカワイイ。
どうも、ユウトのじぃちゃんです。
ユウトが世話んなっとります」
「南都樫 騎士です」
ペコリ。
「ちょっとアンタ、
手ぇ洗ってうがいしてからでしょ?」
玄関から居間のコタツにダイレクトインしたユウトのじぃちゃんにばぁちゃんが台所からやって来て注意する。
「挨拶が先でしょうが!」
「これだから昭和のオヤジは‥‥
今は衛生第一なの!
それが相手に対するエチケットでしょうが!
大体、今日は早いじゃないのよ?
晩御飯の時間に帰って来るなんて。
さては、すき焼きの匂いを嗅ぎ付けたわね!?」
「おお、今日はすき焼きか!」
「すき焼き‥‥
コレ」
ナイトが持っていた箱をばぁちゃんに差し出す。
「‥ハッ!
ナイト、それ…ッ!」
「どうぞ」
「え?…あら何…
ひぃぃぃぃッ!?
国産高級和牛すき焼き用ッ!?」
「なッ‥‥本当だッ!
庶民の憧れ、牛肉の神3のうちの一つッ!」
「ダメだよ、ナイト!
こんな高級なお肉もらえないよ!」
「薄肉だ」
「すき焼き用だからねッ!?
いや、だけどすき焼き用だからって今日ウチがすき焼きだからってあうぅ‥」
「俺はすき焼き作れない。
どんな肉でも塩コショウして焼くだけ。
すき焼き用の肉ならすき焼きにしてもらった方が肉も喜ぶ」
「え、(ナイトが長文話した?)」
「ユウト…頂きましょう」
「ばぁちゃんッ!?」
その目の奥に静かな決意の炎を揺らめかせたばぁちゃんがそう言うのと同時に、じぃちゃんがコタツからスッと出て――
「ありがとう、ナイト君。
市販の割り下を使うとは言え、ウチのすき焼きはちょっとしたもんだ。
その肉のポテンシャルを最高に引き出して見せる‥‥!」
「じ、じぃちゃん!?
そりゃ確かに凄いお肉だけど、感謝の気持ちを表すのに土下座はヤメテ!
ナイトが少し蒼ざめてるから!」
バッ!
「ひッ!? じぃ‥」
「分かった!
感謝の気持ちは結果で示して見せる!
いくぞ、ばぁさん!」
「あいよ!じぃさん」
まだアラフィフ。
15才の少年の祖父・祖母としてはかなり若い二人は、背中にスーパーサ○ヤ人並みのオーラを燃やしながら並々ならぬ決意と覚悟をもって台所へと消えて行く。
その手に頂きものの三大和牛の一つをしっかり捧げ持ちながら。
「あの、ありがとう、
実は楽しみ。
ウチ、鍋物に肉の代わりにウインナ使うから。
ちゃんとした、しかも高級牛のすき焼きなんて初めて」
「良かった」
「それにさっき――
ナイトの長文も」
「え?」
「嬉しかった。
初めてで、珍しくて」
そう言ってフワリと笑った美少年は照れて直ぐに視線を外してしまった。
だから、長文よりはるかに珍しいナイトのレア表情には気付かなかったんだよね。
ウチのボロ屋のコタツん中にワールドクラスの美青年と美少年が入っている!?
ハッ!
美少年の方は俺の孫のユウト!」
「じぃちゃ‥‥いや、
もうツッコまないよ。
友達のナイト君。
ウチでご飯食べてってくれるんだって♪」
「ハハ、ユウトご機嫌だなぁ?
カワイイカワイイ。
どうも、ユウトのじぃちゃんです。
ユウトが世話んなっとります」
「南都樫 騎士です」
ペコリ。
「ちょっとアンタ、
手ぇ洗ってうがいしてからでしょ?」
玄関から居間のコタツにダイレクトインしたユウトのじぃちゃんにばぁちゃんが台所からやって来て注意する。
「挨拶が先でしょうが!」
「これだから昭和のオヤジは‥‥
今は衛生第一なの!
それが相手に対するエチケットでしょうが!
大体、今日は早いじゃないのよ?
晩御飯の時間に帰って来るなんて。
さては、すき焼きの匂いを嗅ぎ付けたわね!?」
「おお、今日はすき焼きか!」
「すき焼き‥‥
コレ」
ナイトが持っていた箱をばぁちゃんに差し出す。
「‥ハッ!
ナイト、それ…ッ!」
「どうぞ」
「え?…あら何…
ひぃぃぃぃッ!?
国産高級和牛すき焼き用ッ!?」
「なッ‥‥本当だッ!
庶民の憧れ、牛肉の神3のうちの一つッ!」
「ダメだよ、ナイト!
こんな高級なお肉もらえないよ!」
「薄肉だ」
「すき焼き用だからねッ!?
いや、だけどすき焼き用だからって今日ウチがすき焼きだからってあうぅ‥」
「俺はすき焼き作れない。
どんな肉でも塩コショウして焼くだけ。
すき焼き用の肉ならすき焼きにしてもらった方が肉も喜ぶ」
「え、(ナイトが長文話した?)」
「ユウト…頂きましょう」
「ばぁちゃんッ!?」
その目の奥に静かな決意の炎を揺らめかせたばぁちゃんがそう言うのと同時に、じぃちゃんがコタツからスッと出て――
「ありがとう、ナイト君。
市販の割り下を使うとは言え、ウチのすき焼きはちょっとしたもんだ。
その肉のポテンシャルを最高に引き出して見せる‥‥!」
「じ、じぃちゃん!?
そりゃ確かに凄いお肉だけど、感謝の気持ちを表すのに土下座はヤメテ!
ナイトが少し蒼ざめてるから!」
バッ!
「ひッ!? じぃ‥」
「分かった!
感謝の気持ちは結果で示して見せる!
いくぞ、ばぁさん!」
「あいよ!じぃさん」
まだアラフィフ。
15才の少年の祖父・祖母としてはかなり若い二人は、背中にスーパーサ○ヤ人並みのオーラを燃やしながら並々ならぬ決意と覚悟をもって台所へと消えて行く。
その手に頂きものの三大和牛の一つをしっかり捧げ持ちながら。
「あの、ありがとう、
実は楽しみ。
ウチ、鍋物に肉の代わりにウインナ使うから。
ちゃんとした、しかも高級牛のすき焼きなんて初めて」
「良かった」
「それにさっき――
ナイトの長文も」
「え?」
「嬉しかった。
初めてで、珍しくて」
そう言ってフワリと笑った美少年は照れて直ぐに視線を外してしまった。
だから、長文よりはるかに珍しいナイトのレア表情には気付かなかったんだよね。
0
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説
オトナの玩具
希京
BL
12歳のカオルは塾に行く途中、自転車がパンクしてしまい、立ち往生しているとき車から女に声をかけられる。
塾まで送ると言ってカオルを車に乗せた女は人身売買組織の人間だった。
売られてしまったカオルは薬漬けにされて快楽を与えられているうちに親や教師に怒られるという強迫観念がだんだん消えて自我が無くなっていく。
すきなひとの すきなひと と
迷空哀路
BL
僕は恐らく三上くんのことが好きなのだろう。
その三上くんには最近彼女ができた。
キラキラしている彼だけど、内に秘めているものは、そんなものばかりではないと思う。
僕はそんな彼の中身が見たくて、迷惑メールを送ってみた。
彼と彼と僕と彼女の間で絡まる三角()関係の物語
真冬の痛悔
白鳩 唯斗
BL
闇を抱えた王道学園の生徒会長、東雲真冬は、完璧王子と呼ばれ、真面目に日々を送っていた。
ある日、王道転校生が訪れ、真冬の生活は狂っていく。
主人公嫌われでも無ければ、生徒会に裏切られる様な話でもありません。
むしろその逆と言いますか·····逆王道?的な感じです。
ハイスペックストーカーに追われています
たかつきよしき
BL
祐樹は美少女顔負けの美貌で、朝の通勤ラッシュアワーを、女性専用車両に乗ることで回避していた。しかし、そんなことをしたバチなのか、ハイスペック男子の昌磨に一目惚れされて求愛をうける。男に告白されるなんて、冗談じゃねぇ!!と思ったが、この昌磨という男なかなかのハイスペック。利用できる!と、判断して、近づいたのが失敗の始まり。とある切っ掛けで、男だとバラしても昌磨の愛は諦めることを知らず、ハイスペックぶりをフルに活用して迫ってくる!!
と言うタイトル通りの内容。前半は笑ってもらえたらなぁと言う気持ちで、後半はシリアスにBLらしく萌えると感じて頂けるように書きました。
完結しました。
転生貧乏貴族は王子様のお気に入り!実はフリだったってわかったのでもう放してください!
音無野ウサギ
BL
ある日僕は前世を思い出した。下級貴族とはいえ王子様のお気に入りとして毎日楽しく過ごしてたのに。前世の記憶が僕のことを駄目だしする。わがまま駄目貴族だなんて気づきたくなかった。王子様が優しくしてくれてたのも実は裏があったなんて気づきたくなかった。品行方正になるぞって思ったのに!
え?王子様なんでそんなに優しくしてくるんですか?ちょっとパーソナルスペース!!
調子に乗ってた貧乏貴族の主人公が慎ましくても確実な幸せを手に入れようとジタバタするお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる