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第五章
07 翼竜の恐怖
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いつまでも控室にいるワケにはいかないと、先・現王陛下がパーティー会場へ戻って来た時、招待客達は窓の外を見て騒めいていました。
「おかしい」
「空が暗すぎる」
「確か明るい月が出ていたはずなのに」
ゲスト達が口々に真っ暗な空に違和感を訴えるので、宮廷騎士の一人が得意の照射魔法で空を照らしたところ、
「‥‥???
何‥‥だ?
黄土色の雲?」
「ちっ‥‥違う!
動いて‥‥飛んでいる!
アレは‥‥いや、まさか!?」
「そっ、そうだ!
いや、いるはずない!
幻の魔獣で、確か絶滅したんじゃ!?」
「いいや、間違いない!
アレは翼竜だッ!
しかも一頭や二頭じゃないッ!
大群だッ!
翼竜の大群が、α王国の空にッ!」
「おっ、終わりだっ!
α王国は‥‥世界は終わりだぁ~~!!」
空を埋め尽くす影が翼竜の大群だと気付いた人々は絶望の叫びを上げます。
‥‥これは決してオーバーな反応ではありません。
翼竜は、体長約8メートルの大型魔獣です。
(ベガやアルタイルは特別で体長10メートルほど。
まだ子供なので、もっと大きくなるはずです)
彼等は魔力攻撃を受けても大してダメージを負わず、彼等自体は強力な攻撃魔法を使えます。
その戦闘能力の高さから、人類は何度も彼等を飼い慣らそうとしましたが、彼等は誇り高く、決して人間に従いませんでした。(*一人を除いては)
ちなみに、精霊や魔物に従属する事もありません。
とにかく強い魔獣で、翼竜一頭に対抗するには、人間の魔専騎士30名が必要とされると言います。
魔専騎士とは魔法や魔術に長けた精鋭騎士で、α王国のような大国でも100名ほどしかいません。
つまり、大国が総力を挙げても3~4頭しか対応できないのです。
今まで何も対策されて来なかったのは、翼竜は人間から仕掛けない限り人間を襲って来る事は無かったし、棲む場所も違うし、そもそも対策が無理だったからです。
それ程に恐ろしい魔獣が空を埋め尽くしているのですから、『世界の終わり』と震えあがるのも当然の事なのです。
「あぁ~~~、何故だ!?
あの狂った魔獣が何故突然人間界に!?」
人々が絶望の声を上げる中、先・現王陛下達は顔を見合わせます。
まさかと思い信じていなかったが、エリダヌス伯爵の西の屋敷付近で翼竜らしき生物の目撃情報が寄せられていた‥‥それと何か関連が!?
「皆さん、心配には及びません!
彼等は、我々を攻撃する為に集結しているのではありません!」
「「むッ、第二王子‥‥はッ!?」」
「第二王子殿下!?
何かご存知で‥‥はッ!?」
翼竜の大群に動揺するパーティー会場。
そのパーティー会場で、普段は控えめな第二王子が声を張ります。
様子が変‥‥あ、いえ、変な意味ではありません。
金色の眼が仄かに光っており、しかも遠くを見ている様で‥‥
「彼等は怒り狂っています‥‥」
「‥‥なッ!
じゃあ、やはり危険‥‥」
「我々にではなく、魔物達に対してです。
魔物達は‥‥魔物達めが!‥‥魔物風情がッ!
彼等の主‥‥我が主に危害を加えようとしているからだッ!」
”我が主 ”?
我々α王国の民の主は国王陛下(&先王陛下)。
だが、今の口ぶりは、ここにいない誰かを指している?
いつもとは違う第二王子の言動に先・現王陛下も貴族たちも戸惑う中、一度は声を荒げた第二王子が、今度はどこか厳かに話し始めます。
「‥‥我等がリーダーが主の危険を感知しました。
そしてリーダーの激しい怒りを感知した時、私は全てを思い出しました。
‥‥我々翼竜は、結束の一族。
絶対的なリーダーのもと、感情・意思を共有し、共に行動する事を喜びとします。
普段は幾つかの群れに別れ、各地に点在しておりますが、一たびリーダーの強い意志を感知すれば、どこへ居ようとリーダーの許へ馳せ参じ意識・行動を共にします」
「そ‥‥、私の研究と違うぞ?
過去の文献によれば、確かに太古の翼竜は群れで行動したらしいが、今は違う。
単独行動を好み、同種族であっても他の個体は攻撃の対象で、翼竜同士で喰い合う事も少なくないと‥‥」
どうやら翼竜オタクらしい貴族が異議を唱え始めると、第二王子はゆるりと首を横に振り、説明を続けます。
「それは、長い間リーダーが不在だったからです。
リーダーとは、その時代一番強い者がなるわけではないのです。
唯一の魂‥‥いえ、我等のリーダーは双子なので、唯二と言うのでしょうか‥‥
リーダーが没すれば、次に生まれ変わるまでリーダー不在となります。
リーダーが居ないと翼竜は不安で落ち着かず、気も荒くなり、仲間同士傷つけ合うなど異常行動を取る様になります‥‥
あぁ、迎えが来ている‥‥私も早く行かなければ‥‥!」
第二王子が視線を向けた窓の外‥‥甲板に一頭の黄土色の翼竜が待機の姿勢でとまっていて、船内の第二王子を見上げています。
≪キュアッ!≫
ヒッ!?
初めて聞く翼竜の空気を震わせる鳴き声に、パーティー会場は震えあがります。
「ま、待て!
さっきからお前はまるで自分も翼竜であるかのように‥‥
行くとは何処へ!?
お前は我が息子、我がα王国の第二王子なのだぞッ!?」
必死に第二王子に問い掛ける国王陛下。
第二王子は駆け出しながら答えます。
「リーダーには絶対の主がいます!
その主を守る為ならば、命を投げ出す事すら喜び‥‥
その主を今、魔物めが害しようと取り囲んでいるのです!
リーダーの主は我等全ての翼竜の主です!
私は副リーダーとして、主をお守りします!
虹の王子を、アル様をお守りしますッ!」
その言葉を残して、第二王子は黄土色の翼竜に飛び乗ると、巧みに操る様にして空を覆う翼竜の集団の中に消えて行きました‥‥
さて、こちらは魔界。
アルがアル達を襲おうと近付いて来る魔物の一人を見据え、質問しました。
「翼竜は好き?」
次の瞬間!
ドゥォォォゥン!!
爆音とともに、翼竜のリーダーが、
黒と赤の双子の翼竜が、
ベガとアルタイルが、魔界に突入して来ました!
≪≪ギィアーーーーーッ!≫≫
これ以上無いくらい怒り狂っています。
当たり前の事です。
翼竜の転生のサイクルは人間より短く、本来ならずっと前に生まれ変わっているはずだった彼等。
しかし彼等は虹の王子が生まれ変わるまで‥‥
アルが生まれるまで待っていたのです。
(ピッタリ同時とはいきませんでしたが)
そのせいで翼竜界は長い間リーダー不在となっていたのです。
そこまで彼等にとって主は大切で絶対で愛しい存在なのですから。
大切な主を害しようとする者に彼等は容赦しません。
アル達の周りにいた魔物達は驚く間もなく既に肉体を留めている者はいません。
黒い煙状となって暫し虚しく漂った後完全に消えて行きます。
《キキィィッ!?‥‥何故翼竜がッ!?》
《翼竜イヤだッ翼竜恐いッ》
《タッ、タスケテッ》
逃げ惑う魔物達を、リーダーに続き突入して来た翼竜たちが容赦なく煙化して行きます。
翼竜が口から発する魔弾は、魔物達を魂ごと粉砕し黒い煙状に変える、魔物にとってはこの上なく恐ろしい攻撃です。
ベガ、アルタイルを始め、怒りが収まらない翼竜たちは魔弾攻撃を止めません。
たった三人の人間を襲おうとしただけで、どうやら魔物は全滅させられるようです。
と―――
三人がいません!
≪≪ギィアッ!?
ギィアーーーーーッ!?≫≫
忽然と姿を消してしまったアルと廃王子達にベガとアルタイルの悲痛な叫びは届いているのでしょうか‥‥
「おかしい」
「空が暗すぎる」
「確か明るい月が出ていたはずなのに」
ゲスト達が口々に真っ暗な空に違和感を訴えるので、宮廷騎士の一人が得意の照射魔法で空を照らしたところ、
「‥‥???
何‥‥だ?
黄土色の雲?」
「ちっ‥‥違う!
動いて‥‥飛んでいる!
アレは‥‥いや、まさか!?」
「そっ、そうだ!
いや、いるはずない!
幻の魔獣で、確か絶滅したんじゃ!?」
「いいや、間違いない!
アレは翼竜だッ!
しかも一頭や二頭じゃないッ!
大群だッ!
翼竜の大群が、α王国の空にッ!」
「おっ、終わりだっ!
α王国は‥‥世界は終わりだぁ~~!!」
空を埋め尽くす影が翼竜の大群だと気付いた人々は絶望の叫びを上げます。
‥‥これは決してオーバーな反応ではありません。
翼竜は、体長約8メートルの大型魔獣です。
(ベガやアルタイルは特別で体長10メートルほど。
まだ子供なので、もっと大きくなるはずです)
彼等は魔力攻撃を受けても大してダメージを負わず、彼等自体は強力な攻撃魔法を使えます。
その戦闘能力の高さから、人類は何度も彼等を飼い慣らそうとしましたが、彼等は誇り高く、決して人間に従いませんでした。(*一人を除いては)
ちなみに、精霊や魔物に従属する事もありません。
とにかく強い魔獣で、翼竜一頭に対抗するには、人間の魔専騎士30名が必要とされると言います。
魔専騎士とは魔法や魔術に長けた精鋭騎士で、α王国のような大国でも100名ほどしかいません。
つまり、大国が総力を挙げても3~4頭しか対応できないのです。
今まで何も対策されて来なかったのは、翼竜は人間から仕掛けない限り人間を襲って来る事は無かったし、棲む場所も違うし、そもそも対策が無理だったからです。
それ程に恐ろしい魔獣が空を埋め尽くしているのですから、『世界の終わり』と震えあがるのも当然の事なのです。
「あぁ~~~、何故だ!?
あの狂った魔獣が何故突然人間界に!?」
人々が絶望の声を上げる中、先・現王陛下達は顔を見合わせます。
まさかと思い信じていなかったが、エリダヌス伯爵の西の屋敷付近で翼竜らしき生物の目撃情報が寄せられていた‥‥それと何か関連が!?
「皆さん、心配には及びません!
彼等は、我々を攻撃する為に集結しているのではありません!」
「「むッ、第二王子‥‥はッ!?」」
「第二王子殿下!?
何かご存知で‥‥はッ!?」
翼竜の大群に動揺するパーティー会場。
そのパーティー会場で、普段は控えめな第二王子が声を張ります。
様子が変‥‥あ、いえ、変な意味ではありません。
金色の眼が仄かに光っており、しかも遠くを見ている様で‥‥
「彼等は怒り狂っています‥‥」
「‥‥なッ!
じゃあ、やはり危険‥‥」
「我々にではなく、魔物達に対してです。
魔物達は‥‥魔物達めが!‥‥魔物風情がッ!
彼等の主‥‥我が主に危害を加えようとしているからだッ!」
”我が主 ”?
我々α王国の民の主は国王陛下(&先王陛下)。
だが、今の口ぶりは、ここにいない誰かを指している?
いつもとは違う第二王子の言動に先・現王陛下も貴族たちも戸惑う中、一度は声を荒げた第二王子が、今度はどこか厳かに話し始めます。
「‥‥我等がリーダーが主の危険を感知しました。
そしてリーダーの激しい怒りを感知した時、私は全てを思い出しました。
‥‥我々翼竜は、結束の一族。
絶対的なリーダーのもと、感情・意思を共有し、共に行動する事を喜びとします。
普段は幾つかの群れに別れ、各地に点在しておりますが、一たびリーダーの強い意志を感知すれば、どこへ居ようとリーダーの許へ馳せ参じ意識・行動を共にします」
「そ‥‥、私の研究と違うぞ?
過去の文献によれば、確かに太古の翼竜は群れで行動したらしいが、今は違う。
単独行動を好み、同種族であっても他の個体は攻撃の対象で、翼竜同士で喰い合う事も少なくないと‥‥」
どうやら翼竜オタクらしい貴族が異議を唱え始めると、第二王子はゆるりと首を横に振り、説明を続けます。
「それは、長い間リーダーが不在だったからです。
リーダーとは、その時代一番強い者がなるわけではないのです。
唯一の魂‥‥いえ、我等のリーダーは双子なので、唯二と言うのでしょうか‥‥
リーダーが没すれば、次に生まれ変わるまでリーダー不在となります。
リーダーが居ないと翼竜は不安で落ち着かず、気も荒くなり、仲間同士傷つけ合うなど異常行動を取る様になります‥‥
あぁ、迎えが来ている‥‥私も早く行かなければ‥‥!」
第二王子が視線を向けた窓の外‥‥甲板に一頭の黄土色の翼竜が待機の姿勢でとまっていて、船内の第二王子を見上げています。
≪キュアッ!≫
ヒッ!?
初めて聞く翼竜の空気を震わせる鳴き声に、パーティー会場は震えあがります。
「ま、待て!
さっきからお前はまるで自分も翼竜であるかのように‥‥
行くとは何処へ!?
お前は我が息子、我がα王国の第二王子なのだぞッ!?」
必死に第二王子に問い掛ける国王陛下。
第二王子は駆け出しながら答えます。
「リーダーには絶対の主がいます!
その主を守る為ならば、命を投げ出す事すら喜び‥‥
その主を今、魔物めが害しようと取り囲んでいるのです!
リーダーの主は我等全ての翼竜の主です!
私は副リーダーとして、主をお守りします!
虹の王子を、アル様をお守りしますッ!」
その言葉を残して、第二王子は黄土色の翼竜に飛び乗ると、巧みに操る様にして空を覆う翼竜の集団の中に消えて行きました‥‥
さて、こちらは魔界。
アルがアル達を襲おうと近付いて来る魔物の一人を見据え、質問しました。
「翼竜は好き?」
次の瞬間!
ドゥォォォゥン!!
爆音とともに、翼竜のリーダーが、
黒と赤の双子の翼竜が、
ベガとアルタイルが、魔界に突入して来ました!
≪≪ギィアーーーーーッ!≫≫
これ以上無いくらい怒り狂っています。
当たり前の事です。
翼竜の転生のサイクルは人間より短く、本来ならずっと前に生まれ変わっているはずだった彼等。
しかし彼等は虹の王子が生まれ変わるまで‥‥
アルが生まれるまで待っていたのです。
(ピッタリ同時とはいきませんでしたが)
そのせいで翼竜界は長い間リーダー不在となっていたのです。
そこまで彼等にとって主は大切で絶対で愛しい存在なのですから。
大切な主を害しようとする者に彼等は容赦しません。
アル達の周りにいた魔物達は驚く間もなく既に肉体を留めている者はいません。
黒い煙状となって暫し虚しく漂った後完全に消えて行きます。
《キキィィッ!?‥‥何故翼竜がッ!?》
《翼竜イヤだッ翼竜恐いッ》
《タッ、タスケテッ》
逃げ惑う魔物達を、リーダーに続き突入して来た翼竜たちが容赦なく煙化して行きます。
翼竜が口から発する魔弾は、魔物達を魂ごと粉砕し黒い煙状に変える、魔物にとってはこの上なく恐ろしい攻撃です。
ベガ、アルタイルを始め、怒りが収まらない翼竜たちは魔弾攻撃を止めません。
たった三人の人間を襲おうとしただけで、どうやら魔物は全滅させられるようです。
と―――
三人がいません!
≪≪ギィアッ!?
ギィアーーーーーッ!?≫≫
忽然と姿を消してしまったアルと廃王子達にベガとアルタイルの悲痛な叫びは届いているのでしょうか‥‥
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