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第二章

42 新しい朝 その2

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バルコニーの向こうにホバリング状態のベガとアルタイル。

ふふ、私が起きるのを待っていたんだね。



≪≪キュンッ! キュキューーンッ!!≫≫



一々声に出さなくても翼竜たちとは意思疎通できます。

二頭は可愛くお返事します。



「‥‥ハハッ!
行くよ!
ベガ! アルタイル!」



私はバルコニーへ続く扉を開け、勢いよくバルコニーに飛び出します。

その勢いのまま広いバルコニーを駆け、手すりに飛び乗り、思いっきりジャーンプ!


‥‥ちなみに私が寝ていた部屋は、私の傷を治療してもらった部屋。

そう、シリウス様の夫婦の寝室です。

この屋敷の最上階、五階です。

魔力の無い私は、落ちたらヤバい高さ!

思いっきりジャンプしたものの、翼竜たちには届かず、当然私は落ちて行きます。


でも、心配御無用!


ギュンッと急降下したベガは落下中の私を追い抜きます。

そして私の下方からその背に私をナイスキャッチ!

そのまま今度は急上昇!



ブワーーーーーッ!



あっという間に上空!

気ッ持ちイイ~~~~~~!



「ありがとう、ベガ!
あぁ、何て気持ちのいい朝なんだろう!」



澄んだ空気、まだ初々しい太陽、薄く遠慮がちな白い雲‥‥



傷が治った体、たくさん食べてぐっすり眠った体、激しい愛撫の余韻を残す体‥‥




「‥‥フッ‥‥」





私は頭を後ろへ仰け反らせ、目を閉じ思わず笑みを漏らして‥‥‥
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