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第二章

26 或る料理人の独白 その4

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それに‥‥白銀髪に虹色メッシュの超絶美少年‥‥

彼はきっと人間じゃない!

その美しさも雰囲気も、人族ではあり得ない!

きっと精霊の世界から遊びに来ている王子様とかなんだろう‥‥



もう、食べてる様子が美味しそうかどうかとか、どうでもよくなって来た‥‥

俺は滅多に拝めない美の饗宴にただただウットリと見惚れ屋敷を後にした。

屋敷を出る前に厨房で雇ってもらえないか訊いてみたが駄目だった。

師匠の後は師匠の本当の弟子が料理長をしていて、割り込む余地はねえ。

俺は、尊敬しているから師匠と呼んでいるだけで、実際には弟子入りしてねえからな。



もともと俺はフリーで活動している。

どこかのお屋敷に雇われたことはねえ。

パーティーに呼ばれ腕を揮う、それが俺のスタイルだ。


そんな俺にほんの数日前、ある仕事が持ち掛けられた。



さる、やんごとなき出自の青年貴族の屋敷の厨房で料理人を募集している。

そこで料理長として腕を揮ってみないか ――― というものだ。


うん?


何この感じ‥‥どこかで聞いた事がある感じ‥‥



俺は何かに導かれるようにその仕事を引き受けた。

そして主人となるやんごとなき出自の青年貴族に挨拶して震えた。

燃えるような赤い髪に神秘的な金色の瞳‥‥

現王陛下の色!

現王陛下と同じ色を持つ人間はただ一人、もう一人の廃王子様だけだ!


め‥‥目眩ッ!!


俺は何故か人差し指を立て、左右に振りながら叫んだ。



やんごとなさ過ぎ~~~!
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