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第二章
06 え? 無視?
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【―― お疲れ様、アル。
よく頑張ったね。
身体はどう?】
‥‥あ‥‥
やさしい声‥‥あたたかい手が頭を撫でてくれている‥‥
前世様‥‥大好きです‥‥身体?
真っ白になって少しの間意識を失っていた僕はゆっくりと目を開けて‥‥
‥‥はッ! ああッ!!
「傷が‥‥一つもありません!
傷つけられる前の身体に戻ってます!
どこも‥‥どこも痛くありません!
信じられません‥‥でも、そうでした!
この、どこも痛くない状態が普通でしたっけ‥‥
前世様、シリウス様、デネブ様、ありがとうございましたっ!
僕は‥‥シリウス様? デネブ様?
あ、あの?」
デネブ様とシリウス様が僕に背を向けています。
‥‥どうして。
「あ、あのっ!
見て下さい、僕、もう変な‥‥黒い魔力で変容した傷、ついてません!
デネブ様を辛い気持ちにさせた傷はもう無いのを見て欲しいんです!」
必死に言っているのに、こちらを‥‥僕を見る気ゼロです。
逆に少しずつ離れて行っています‥‥どうして!?
【フフフッ‥‥まぁまぁ、落ち着いて、アル。
まず、君は今、全裸だからね?】
「はいっ! もう身体のどこにもおぞましい傷が無い事を見て欲しいです!」
【うん、でもね、彼等は困るんじゃないかな。
性欲は無くても気持ちはあるんだから】
「性欲なら僕もありません!
第一、僕、13才からほとんど成長出来ていないので、子供そのものです。
子供の裸を見たって、別に何もないでしょう?
僕はただ、お礼も込めて、黒傷が無くなった身体を‥‥」
ファサッ‥
あ? 前世様がガウンを掛けてくれました。
や‥‥やっぱり実体ですよね?
魂だったら、物に触れるとか、出来ないですよね?
でも前世様は、実際にガウンを持って、掛けてくれられるんだから。
ハッ‥‥前世様が、真っ直ぐ僕を見ていらっしゃいますッ
は‥‥迫力!!
動けませんッ
【アル‥‥無邪気と無神経は違う。
‥‥分かるね?】
「‥‥え‥‥」
【彼等を困らせてはダメだよ?】
「‥ッ! ‥は‥‥い‥」
僕は大急ぎで服を着ます。
よく分からないけど、多分僕は無神経な振る舞いをしてしまっていたんですね‥‥
よく頑張ったね。
身体はどう?】
‥‥あ‥‥
やさしい声‥‥あたたかい手が頭を撫でてくれている‥‥
前世様‥‥大好きです‥‥身体?
真っ白になって少しの間意識を失っていた僕はゆっくりと目を開けて‥‥
‥‥はッ! ああッ!!
「傷が‥‥一つもありません!
傷つけられる前の身体に戻ってます!
どこも‥‥どこも痛くありません!
信じられません‥‥でも、そうでした!
この、どこも痛くない状態が普通でしたっけ‥‥
前世様、シリウス様、デネブ様、ありがとうございましたっ!
僕は‥‥シリウス様? デネブ様?
あ、あの?」
デネブ様とシリウス様が僕に背を向けています。
‥‥どうして。
「あ、あのっ!
見て下さい、僕、もう変な‥‥黒い魔力で変容した傷、ついてません!
デネブ様を辛い気持ちにさせた傷はもう無いのを見て欲しいんです!」
必死に言っているのに、こちらを‥‥僕を見る気ゼロです。
逆に少しずつ離れて行っています‥‥どうして!?
【フフフッ‥‥まぁまぁ、落ち着いて、アル。
まず、君は今、全裸だからね?】
「はいっ! もう身体のどこにもおぞましい傷が無い事を見て欲しいです!」
【うん、でもね、彼等は困るんじゃないかな。
性欲は無くても気持ちはあるんだから】
「性欲なら僕もありません!
第一、僕、13才からほとんど成長出来ていないので、子供そのものです。
子供の裸を見たって、別に何もないでしょう?
僕はただ、お礼も込めて、黒傷が無くなった身体を‥‥」
ファサッ‥
あ? 前世様がガウンを掛けてくれました。
や‥‥やっぱり実体ですよね?
魂だったら、物に触れるとか、出来ないですよね?
でも前世様は、実際にガウンを持って、掛けてくれられるんだから。
ハッ‥‥前世様が、真っ直ぐ僕を見ていらっしゃいますッ
は‥‥迫力!!
動けませんッ
【アル‥‥無邪気と無神経は違う。
‥‥分かるね?】
「‥‥え‥‥」
【彼等を困らせてはダメだよ?】
「‥ッ! ‥は‥‥い‥」
僕は大急ぎで服を着ます。
よく分からないけど、多分僕は無神経な振る舞いをしてしまっていたんですね‥‥
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