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第二章

03 困った彼

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デネブ様とシリウス様が‥‥苦しそう!?


僕がそう思った時、前世様がお二方に目を移して‥‥

いや、ただそれだけなのに髪が揺れ、虹色の光が柔らかくキラキラして‥‥

見惚れてしまう‥‥‥

きれい‥‥幻想的‥‥ハッ!


見惚れてる場合じゃなかった、お二方、大丈夫!?



【私も早くあなたの姿を見たい‥‥】



‥‥『あなた』って‥‥

前世様の彼だった人?

つまりお二方の前世様?

‥‥はァウッ!?



【だから抑えてあげて‥‥二人が苦しそうだ‥‥ね?】



フワリと微笑んで僕の前世様がそう言う。

と、部屋中に虹色の光がフワフワと舞って‥‥



「「はッ‥‥」」


ガクンッ



同時に膝をついてしまったお二方‥‥

肩で息をしながら何とも言えない表情で互いに見つめ合います。



「‥‥何だ? 今のは‥‥」

「私の‥‥私達の‥‥前世か‥‥」



【呪いが解けなければ姿を現せないんだね。
それなのに二人に影響与えるとか‥‥
本当‥‥困った彼だね‥‥】



はァァう‥‥

僕はドキドキが止まりません。

前世様はただでさえ美しく尊いのに‥‥

前世様が ”彼 ”に向ける視線‥‥声‥‥空気‥‥

その全てが艶めいて、煌めいて‥‥


‥‥切なくて‥‥


あ‥‥

僕の目から涙が溢れて‥‥

止まりません‥‥



【アル‥‥】



前世様が僕の頭を撫でてくれます。

あぁ‥‥あったかい‥‥

前世様は魂のはず。

なのにまるで実体のように見えるし、触れられている様に感じます。

僕は目を閉じ、それから目を開けて‥‥



「あ、アル? 何を‥?」
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