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シリウス・エリダヌス

04 母の記憶

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私はエリダヌス伯爵、シリウス・エリダヌス。

21才。



現王が王太子時代に、西宮の王太子妃を母として、この世に生を受けた。

3年前までは、原因不明の全身の痛みに苛まれる日々だった。

‥‥1才の時魔力無しと判定され、捨てられる事となった。



0才から1才1ヶ月までの母の私に対する失望の言葉を全て記憶している。


『もうっ何なの?面倒くさいわねっ!また発熱?もういい加減にして!?』

『何でこんなに体が弱いのよ!?北の子も南の子もバカみたいに丈夫だそうよ!』

『殿下が来た時くらい可愛く出来ないワケ!?他の子達に負けちゃうじゃない!』



『‥‥アそう。魔力無し。もう、ソイツ殺しちゃってよ‥‥邪魔よ‥‥』




そして、ある日。



‥‥苦しい。

いつもの苦しさとは違う‥‥


プクプクプク‥‥バシャッ!

ハァ、ハァ、ハァ、


『妃殿下!? 何という事をっ!
殿下と妃殿下の御子ですのにっ!?
まだこんなにお小さいのに!
こんなに愛らしいのにっ!
こんなに幼気いたいけでっ‥‥』


ハァ、ハァ、ハァ、


『魔力無しの子供を産んだなんて、私の汚点にしかならないのッ!
私はこんな出来損ない、産んでない!
こんな子、最初から居なかった事にするのよォッ!』


ハァ、ハァ、‥‥ハァ‥‥




母の記憶はそこで終わっている。

私は王宮‥‥西宮を出されたからだ。
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