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アル

14 慈悲? (*暴力表現があります)

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空気を裂くような音、同時に軽い衝撃を感じた。
僕の体から、液体が流れていくのが分かる。
少しずつ、痛みが深くなっていく。


「‥‥ッ‥‥」


シャッ、シャッ、シャッ、シャッ、‥‥‥


「ッ、‥アゥッ、‥アッ、ゥアアッ‥‥」


多分、先端の尖った鉄の爪を指に装着して、僕の体を引っ掻いている。
一掻きで、4本の傷が僕の体に刻まれる。
容赦なく、鉄の爪は何度も何度も上から下へ振り下ろされ、
さらに右から左へ、左から右へ。
傷は幾重にも重なり、血の他に小さな肉片も飛び散って‥‥


シャッ、シャッ、シャッ、シャッ、‥‥‥


「私は、いい事をしているの。
私って、何てのかしら‥‥
ホホホホホッ‥‥」


シャッ、シャッ、シャッ、シャッ、‥‥‥


「…ゥアッ…クッ…ウゥッ…ッア…アァッ…アァッ…アァッ…アァッ‥‥」


シャッ、シャッ、シャッ、シャッ、‥‥‥


「ホホッ、ウフッ、痛い? クフフフッ、痛いわよねぇ‥‥ハァ、ハァ」


シャッ、シャッ、シャッ、シャッ、‥‥‥


「あなたの為なの、ハァ、ハァ、なのよッ、クフンッ、ハァッ、ハァッ‥‥」

彼女のどす黒い魔力がとぐろを巻いて、おどろおどろしく部屋中を満たす。


「アァッ、アァッ、どうしたの!?
痛いんでしょう!?
叫びなさいッ!
躰を捩りなさいッ
ほらッ!
これならどう!?
こうよッ!‥‥こうよッ!!‥‥」


シャッ、シャッ、ズッ、ズクッ、‥‥


「‥ハッ!?‥‥ウアアッ‥‥アッ‥‥」


「そうよッ!
もっと、もっと叫びなさいッ!
こうよッ! ホラァッ!
こうよッ!こうよッ!こうよッ!
こう‥‥アァッ、アァッ、
イイッ、イイわッ、イイッ‥‥
アァ~~~~~~ッ!!」





―――― 僕が気絶するまで、彼女は満足しなかった。
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