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第一章
11 そこから
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「‥‥‥エリダヌス卿‥‥‥
そこからですか‥‥‥」
デネブ様が呆れた声を出します。
デネブ様、お客様に失礼ですよ!
「シリウス様は、この国に生まれ育った。
‥‥で間違いないんですわよねぇ?
何でこの国の愛人制度の常識が欠落してますの?」
「‥‥愛人なんて私には無縁だからだ。
必要ないものの知識を得るほど暇じゃない。
今だって、別にどうしても知りたいわけじゃない。
私に愛人が不要な事は変わらない。
たとえアル君が15才だろうと愛人にするつもりは無い。
ちょっと何故だろうと思っただけで、別に‥‥」
無表情ですが拗ねてますね‥‥‥
何というか‥‥‥(クスッ)
「伯爵様は同性愛者ではありませんよね?」
これまでのお話しから察するに、間違いないでしょう。
「‥‥ああ。
うん。 うん?
そもそも性衝動が無‥‥」
「そういった、異性愛者の方々の慣習の話なのです!
そうでしたよね、デネブ様!」
手に余る重すぎる事案になってしまう前に慌てて言葉を継ぎます。
そしてデネブ様に丸投げです!
フッと笑ってデネブ様が説明を引き受けてくれます。
くッ…カッコイイッ…
「愛人制度が出来た初期の頃の事です。
異性愛者にとって男性との疑似恋愛はムリだと大反発があったそうです。
しかし妻側は制度内容は変えられないと主張しました。
元々自分達の不貞が原因で出来た制度なので、夫側も強く出られず。
膠着状態が続くかに思われましたが‥‥‥
意外にも夫側が自ら解決策を見出しました。
美少年なら、イケると。
10代前半の少年は、性的には曖昧だとされています。
女性ではないが、まだ男性でもない、と。
実際、少女の様な外見の少年も少なくありません。
身体的にも、社会的にも成人とされるのは16才。
エリダヌス卿が気にされている様に、児童虐待の問題もあります。
なので、13才から15才までの準成人の少年が適当だろうと。
彼等が異性愛者の旦那様の愛人を務めるという慣習が定着したそうです。」
「‥‥大人のご都合主義の結果か‥‥‥
吐き気がするな。」
伯爵様が無表情で呟きます。
無表情ですが不快そうです!
「はい! 私もそう思います!」
何だかうれしくて、つい大きな声を出してしまうと。
何やら剣呑なデネブ様の視線が‥‥‥
デネブ様、あなたの目力は普通じゃない事を理解して下さい。
視線がメチャメチャ痛いです‥‥‥
「16才以上の男性を愛人にするのはゲイだけです。
ゲイではないエリダヌス卿はアルを愛人に出来ません。
アルも愛人になるつもりは無い。
‥‥そうだね?」
デネブ様が強い口調で訊いて来ます。
「あ、はい。
私は恋愛も性的な事も一生しませんので、愛人は無理なのです。
申し訳ございません、エリダヌス伯爵夫人様。」
伯爵様の方は僕を愛人にするつもりなど無いとハッキリ言ってたよね。
なので伯爵夫人に頭を下げます。
「えぇっ!? 一生!? まぁ‥‥!」
伯爵夫人はポーカーフェイスがお得意ではないようで‥‥
獲物を見つけた獣のように目をギラギラさせて、
「あなたの様な若い人がどうしてそのような決心を?
何か身体的に恥ずかしい事でも?
性的に機能しないとか、形が‥‥」
「君、先に帰ってくれないか。」
伯爵夫人のかなり不躾な質問を伯爵様が遮ぎりました。
そこからですか‥‥‥」
デネブ様が呆れた声を出します。
デネブ様、お客様に失礼ですよ!
「シリウス様は、この国に生まれ育った。
‥‥で間違いないんですわよねぇ?
何でこの国の愛人制度の常識が欠落してますの?」
「‥‥愛人なんて私には無縁だからだ。
必要ないものの知識を得るほど暇じゃない。
今だって、別にどうしても知りたいわけじゃない。
私に愛人が不要な事は変わらない。
たとえアル君が15才だろうと愛人にするつもりは無い。
ちょっと何故だろうと思っただけで、別に‥‥」
無表情ですが拗ねてますね‥‥‥
何というか‥‥‥(クスッ)
「伯爵様は同性愛者ではありませんよね?」
これまでのお話しから察するに、間違いないでしょう。
「‥‥ああ。
うん。 うん?
そもそも性衝動が無‥‥」
「そういった、異性愛者の方々の慣習の話なのです!
そうでしたよね、デネブ様!」
手に余る重すぎる事案になってしまう前に慌てて言葉を継ぎます。
そしてデネブ様に丸投げです!
フッと笑ってデネブ様が説明を引き受けてくれます。
くッ…カッコイイッ…
「愛人制度が出来た初期の頃の事です。
異性愛者にとって男性との疑似恋愛はムリだと大反発があったそうです。
しかし妻側は制度内容は変えられないと主張しました。
元々自分達の不貞が原因で出来た制度なので、夫側も強く出られず。
膠着状態が続くかに思われましたが‥‥‥
意外にも夫側が自ら解決策を見出しました。
美少年なら、イケると。
10代前半の少年は、性的には曖昧だとされています。
女性ではないが、まだ男性でもない、と。
実際、少女の様な外見の少年も少なくありません。
身体的にも、社会的にも成人とされるのは16才。
エリダヌス卿が気にされている様に、児童虐待の問題もあります。
なので、13才から15才までの準成人の少年が適当だろうと。
彼等が異性愛者の旦那様の愛人を務めるという慣習が定着したそうです。」
「‥‥大人のご都合主義の結果か‥‥‥
吐き気がするな。」
伯爵様が無表情で呟きます。
無表情ですが不快そうです!
「はい! 私もそう思います!」
何だかうれしくて、つい大きな声を出してしまうと。
何やら剣呑なデネブ様の視線が‥‥‥
デネブ様、あなたの目力は普通じゃない事を理解して下さい。
視線がメチャメチャ痛いです‥‥‥
「16才以上の男性を愛人にするのはゲイだけです。
ゲイではないエリダヌス卿はアルを愛人に出来ません。
アルも愛人になるつもりは無い。
‥‥そうだね?」
デネブ様が強い口調で訊いて来ます。
「あ、はい。
私は恋愛も性的な事も一生しませんので、愛人は無理なのです。
申し訳ございません、エリダヌス伯爵夫人様。」
伯爵様の方は僕を愛人にするつもりなど無いとハッキリ言ってたよね。
なので伯爵夫人に頭を下げます。
「えぇっ!? 一生!? まぁ‥‥!」
伯爵夫人はポーカーフェイスがお得意ではないようで‥‥
獲物を見つけた獣のように目をギラギラさせて、
「あなたの様な若い人がどうしてそのような決心を?
何か身体的に恥ずかしい事でも?
性的に機能しないとか、形が‥‥」
「君、先に帰ってくれないか。」
伯爵夫人のかなり不躾な質問を伯爵様が遮ぎりました。
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