ポエムでバトル

ハートリオ

文字の大きさ
上 下
11 / 16

11 一年前の事件3『第一王子』

しおりを挟む
「‥ハァッ、ハァッ」


床に倒れ込んだまま震えながら激しい呼吸をするのが精一杯のプラリネの耳に、その姿を嘲る王妃の醜い声が突き刺さる。


「何て卑しい姿なの!
男が欲しくて身悶えているだなんてねッ!
令嬢として上品ぶって生きて来たんだろうけど、それがお前の本性よ!
あぁ、それにしても酷い震えだこと!
ねぇ、そんなに欲しいの?
したくてしょうがないの?
綺麗な顔して、相当な淫乱だわねぇ?
場末の娼館の色狂いだってそこまでじゃぁないわよ‥‥」

「母上!
もういいからドアを閉めてッ‥‥!
早くプラリネと二人きりにさせて下さい!」


部屋の奥から上ずった男の声がして、堪らずプラリネの頬を涙が伝う。

こんな卑怯者たちに辱めを受けるぐらいなら‥‥

そう思うのに、自分の体なのにいう事を聞かず、ガチガチと噛み合わない歯では舌を噛み切る事も出来ない。


「だって、いい気味なんだものッ
それに私だって‥‥
ね、手伝ってあげる!
腕を押えといてあ‥」
「要りませんから!」


プラリネの耳にバタン!とドアが閉まる音と、ガチャッ、ガチャッと施錠と思われる音が2度聞こえた。


「‥‥ッたく、
サッサと失せろ、
変態が‥‥
色狂いババアがッ」


どんな時でも唯一見方をしてくれる母を口汚く罵る第一王子。

彼は、母親が実はレズビアンで、自分同様、ショコラ公爵夫人、そしてその娘であるプラリネに執着しているのを知っているのだ。

物欲し気な顔でプラリネを舐めまわす様に見て興奮する母には嫌悪感しかない。

――とは言え、母上が一番――

父上や妃達や子供達より大切な存在である事は変わらないが。

母上だってそうだろう。

私と母上は互いに唯一無二の存在なのだ。


なのだが、やっと想いが叶う私の焦る気持ちも気遣って欲しいものだ。


まあ、プラリネが魅力的過ぎるのが悪いのだな。


3ヵ月前、プラリネが通う淑女学園を訪れた際に見つけ、見初めた絶世の美少女。

恋焦がれた隣国の王女はショコラ公爵夫人となってしまったが、彼女にソックリ――いや、更に美しく魅力的な彼女の娘プラリネはまだ誰のものでもない。

まだデビュタント前――男共の目に晒される前に見つけられたのは僥倖だった。

誰にも見つからぬうちに私のものにする!


愛妾とは言え、第一王子――いずれ王太子となる男に囲われるのだ。

誉れな事であるのに何故断って来たのかいまだに理解出来ない――


「ま、それよりも今は早くコレを、プラリネの中に――」


先ずはあの可愛い口を無理矢理大きく開けさせて捻じ込んでやろうか――

既に下半身は下着すら着けていない第一王子は己の股間で猛り勃つモノを見てニヤリといやらしく口角を上げる。

そしてゆっくりと獲物の方へ振り向く。


「お待たせ、プラリ―
―――ん!?」


床に倒れたまま媚薬による欲情に悶え苦しんでいるプラリネを想像していた第一王子だったが――

目に映るものが理解出来ず、目を見開いたまま立ち尽くす。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

スケートリンクでバイトしてたら大惨事を目撃した件

フルーツパフェ
大衆娯楽
比較的気温の高い今年もようやく冬らしい気候になりました。 寒くなって本格的になるのがスケートリンク場。 プロもアマチュアも関係なしに氷上を滑る女の子達ですが、なぜかスカートを履いた女の子が多い? そんな格好していたら転んだ時に大変・・・・・・ほら、言わんこっちゃない! スケートリンクでアルバイトをする男性の些細な日常コメディです。

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

エロ・ファンタジー

フルーツパフェ
大衆娯楽
 物事は上手くいかない。  それは異世界でも同じこと。  夢と好奇心に溢れる異世界の少女達は、恥辱に塗れた現実を味わうことになる。

RUBBER LADY 屈辱の性奴隷調教

RUBBER LADY
ファンタジー
RUBBER LADYが活躍するストーリーの続編です

勝負に勝ったので委員長におっぱいを見せてもらった

矢木羽研
青春
優等生の委員長と「勝ったほうが言うことを聞く」という賭けをしたので、「おっぱい見せて」と頼んでみたら……青春寸止めストーリー。

処理中です...