106 / 117
5 皇帝は求婚を無かったことにされる
105 イチモツを守れ!
しおりを挟む
「駄目ッ‥あぁッ‥」
今正に己のイチモツへ短刀を振り下ろす皇帝――ソルと皇帝の距離5~6メートル!
駆け寄っていては間に合わない!
なので!
〈カッ〉‥サッ!
「‥ッ‥!」
ソルは瞬間移動し、皇帝のイチモツの上に両手をかざしガードした!
すんでのところで皇帝は短刀を止める。
ソルの手を傷つけるわけにはいかない皇帝はギリギリの所で何とか短刀を止めたのだ。
「危ないではないか!‥君の手を刺してしまうところだったぞ!‥何と馬鹿なことを‥」
「馬鹿はあなた様ですわッ!‥一体何をなさろうというのです!?」
「見ての通り、イチモツを切り落とすのだ!
すぐに済む…その手をどけてくれ!」
「すぐに済むようには思えませんわ!‥その短刀では切り落とすのに手こずるのではなくて?」
「‥いや、俺もこの状態で切り落とすことになるとは」
「‥ヒッ!?‥つッつつ突き上げないでくださいましッ!」
「あッすまない‥君が近くにいるだけで…近くに居なくても想うだけで俺はこうなってしまうのだ…」
「じ、自在なのですね‥」
「違う!
制御不能なんだ!
‥だ、だがもう切り落とすのだから恐れないでほしい」
「まぁ…制御不能…不便なのですね…
でもいけませんわ!
不便だからといって大切な御身を傷つけてはなりませ‥ハッ!」
『金髪金銀の者の肉を食べたり、金髪金眼の者と交われば古代人が持っていた魔法の力を手に出来る』
――そんな言い伝えを信じる輩から身を守る為に知っておかなければならないだろうと幼い頃に受けた『閨教育』――男女の『営み』をウサギさんとクマさんのぬいぐるみを使って説明された。
ソルは遠い昔、幼児の頃に受けた『閨教育』のあの部分を思い出す。
(‥確か、ベッドに入ったクマさんの股間が大きいものに取り換えられた…
『ベッドの中で起こる現象』だと講師は説明した…今、陛下の股間に起きている現象はあのクマさんの現象の事なの!?)
「ッどういう事ですの?‥この現象はベッドで起こる現象のはず…
ベッド以外でこうなってしまうなんて…つまり陛下は御病気なのですね!?
だから切り落とそうと‥」
「姉上違います!
カード皇帝陛下の下半身は病気とは真逆――元気溌剌です!
その現象はベッド限定の現象ではなく時と場所を選ばず起こってしまうもので‥」
「まぁ…イグニスもそうなの?」
「えぇッ!?‥ええぇ
ま…まぁ、まぁま…」
姉の性的無知ぶりに思わず口を出さずにいられなかったジョーカー王イグニス。
だが、思いがけず質問が自分に向かって口ごもる。
「そう…大変なのね…
人知れずそんな不便な思いをしていたのね…
イグニスはどんな時に起こってしまうの?」
「エッ‥そ、それはッ
いくら姉上でも答えづらいといいますか、姉上だからこそ答えづら‥」
「答えづらくても答えて頂戴。
だってこんな事、他の誰に聞けばいいの?
可愛い弟のイグニスだから聞けることよ?」
「姉上…可愛‥は、はいッ!(キラキラ)
姉上の為なら、羞恥心と気まずさを乗り越えて答えてみせます!」
「ごほんッ!
そうやってイチャイチャするから俺は心にもない事を言ってしまうのだ!
『いい年した姉弟』などと思ってもいないことを…」
やはり近すぎる様に感じる姉弟関係に苛立ち、吐き捨てる様に思いを吐露する皇帝。
「イチャイチャって…弟ですのよ?」
「弟だろうが何だろうが俺は妬いてしまうのだ…情けないがな…」
そう言って俯きさらに横を向く皇帝。
半ば伏せられた目。
瞳はさらにソルから逃げる。
初めて会った瞬間から誰よりも強い人だと思ってきた皇帝が見せる弱々しい表情に、ソルの胸は締め付けられるようで――
今正に己のイチモツへ短刀を振り下ろす皇帝――ソルと皇帝の距離5~6メートル!
駆け寄っていては間に合わない!
なので!
〈カッ〉‥サッ!
「‥ッ‥!」
ソルは瞬間移動し、皇帝のイチモツの上に両手をかざしガードした!
すんでのところで皇帝は短刀を止める。
ソルの手を傷つけるわけにはいかない皇帝はギリギリの所で何とか短刀を止めたのだ。
「危ないではないか!‥君の手を刺してしまうところだったぞ!‥何と馬鹿なことを‥」
「馬鹿はあなた様ですわッ!‥一体何をなさろうというのです!?」
「見ての通り、イチモツを切り落とすのだ!
すぐに済む…その手をどけてくれ!」
「すぐに済むようには思えませんわ!‥その短刀では切り落とすのに手こずるのではなくて?」
「‥いや、俺もこの状態で切り落とすことになるとは」
「‥ヒッ!?‥つッつつ突き上げないでくださいましッ!」
「あッすまない‥君が近くにいるだけで…近くに居なくても想うだけで俺はこうなってしまうのだ…」
「じ、自在なのですね‥」
「違う!
制御不能なんだ!
‥だ、だがもう切り落とすのだから恐れないでほしい」
「まぁ…制御不能…不便なのですね…
でもいけませんわ!
不便だからといって大切な御身を傷つけてはなりませ‥ハッ!」
『金髪金銀の者の肉を食べたり、金髪金眼の者と交われば古代人が持っていた魔法の力を手に出来る』
――そんな言い伝えを信じる輩から身を守る為に知っておかなければならないだろうと幼い頃に受けた『閨教育』――男女の『営み』をウサギさんとクマさんのぬいぐるみを使って説明された。
ソルは遠い昔、幼児の頃に受けた『閨教育』のあの部分を思い出す。
(‥確か、ベッドに入ったクマさんの股間が大きいものに取り換えられた…
『ベッドの中で起こる現象』だと講師は説明した…今、陛下の股間に起きている現象はあのクマさんの現象の事なの!?)
「ッどういう事ですの?‥この現象はベッドで起こる現象のはず…
ベッド以外でこうなってしまうなんて…つまり陛下は御病気なのですね!?
だから切り落とそうと‥」
「姉上違います!
カード皇帝陛下の下半身は病気とは真逆――元気溌剌です!
その現象はベッド限定の現象ではなく時と場所を選ばず起こってしまうもので‥」
「まぁ…イグニスもそうなの?」
「えぇッ!?‥ええぇ
ま…まぁ、まぁま…」
姉の性的無知ぶりに思わず口を出さずにいられなかったジョーカー王イグニス。
だが、思いがけず質問が自分に向かって口ごもる。
「そう…大変なのね…
人知れずそんな不便な思いをしていたのね…
イグニスはどんな時に起こってしまうの?」
「エッ‥そ、それはッ
いくら姉上でも答えづらいといいますか、姉上だからこそ答えづら‥」
「答えづらくても答えて頂戴。
だってこんな事、他の誰に聞けばいいの?
可愛い弟のイグニスだから聞けることよ?」
「姉上…可愛‥は、はいッ!(キラキラ)
姉上の為なら、羞恥心と気まずさを乗り越えて答えてみせます!」
「ごほんッ!
そうやってイチャイチャするから俺は心にもない事を言ってしまうのだ!
『いい年した姉弟』などと思ってもいないことを…」
やはり近すぎる様に感じる姉弟関係に苛立ち、吐き捨てる様に思いを吐露する皇帝。
「イチャイチャって…弟ですのよ?」
「弟だろうが何だろうが俺は妬いてしまうのだ…情けないがな…」
そう言って俯きさらに横を向く皇帝。
半ば伏せられた目。
瞳はさらにソルから逃げる。
初めて会った瞬間から誰よりも強い人だと思ってきた皇帝が見せる弱々しい表情に、ソルの胸は締め付けられるようで――
11
お気に入りに追加
203
あなたにおすすめの小説
何もできない王妃と言うのなら、出て行くことにします
天宮有
恋愛
国王ドスラは、王妃の私エルノアの魔法により国が守られていると信じていなかった。
側妃の発言を聞き「何もできない王妃」と言い出すようになり、私は城の人達から蔑まれてしまう。
それなら国から出て行くことにして――その後ドスラは、後悔するようになっていた。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と叫んだら長年の婚約者だった新妻に「気持ち悪い」と言われた上に父にも予想外の事を言われた男とその浮気女の話
ラララキヲ
恋愛
長年の婚約者を欺いて平民女と浮気していた侯爵家長男。3年後の白い結婚での離婚を浮気女に約束して、新妻の寝室へと向かう。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と愛する夫から宣言された無様な女を嘲笑う為だけに。
しかし寝室に居た妻は……
希望通りの白い結婚と愛人との未来輝く生活の筈が……全てを周りに知られていた上に自分の父親である侯爵家当主から言われた言葉は──
一人の女性を蹴落として掴んだ彼らの未来は……──
<【ざまぁ編】【イリーナ編】【コザック第二の人生編(ザマァ有)】となりました>
◇テンプレ浮気クソ男女。
◇軽い触れ合い表現があるのでR15に
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾は察して下さい…
◇なろうにも上げてます。
※HOTランキング入り(1位)!?[恋愛::3位]ありがとうございます!恐縮です!期待に添えればよいのですがッ!!(;><)
【完結】そんなに側妃を愛しているなら邪魔者のわたしは消えることにします。
たろ
恋愛
わたしの愛する人の隣には、わたしではない人がいる。………彼の横で彼を見て微笑んでいた。
わたしはそれを遠くからそっと見て、視線を逸らした。
ううん、もう見るのも嫌だった。
結婚して1年を過ぎた。
政略結婚でも、結婚してしまえばお互い寄り添い大事にして暮らしていけるだろうと思っていた。
なのに彼は婚約してからも結婚してからもわたしを見ない。
見ようとしない。
わたしたち夫婦には子どもが出来なかった。
義両親からの期待というプレッシャーにわたしは心が折れそうになった。
わたしは彼の姿を見るのも嫌で彼との時間を拒否するようになってしまった。
そして彼は側室を迎えた。
拗れた殿下が妻のオリエを愛する話です。
ただそれがオリエに伝わることは……
とても設定はゆるいお話です。
短編から長編へ変更しました。
すみません
大好きな恋人が、いつも幼馴染を優先します
山科ひさき
恋愛
騎士のロバートに一目惚れをしたオリビアは、積極的なアプローチを繰り返して恋人の座を勝ち取ることに成功した。しかし、彼はいつもオリビアよりも幼馴染を優先し、二人きりのデートもままならない。そんなある日、彼からの提案でオリビアの誕生日にデートをすることになり、心を浮き立たせるが……。
王子は婚約破棄を泣いて詫びる
tartan321
恋愛
最愛の妹を失った王子は婚約者のキャシーに復讐を企てた。非力な王子ではあったが、仲間の協力を取り付けて、キャシーを王宮から追い出すことに成功する。
目的を達成し安堵した王子の前に突然死んだ妹の霊が現れた。
「お兄さま。キャシー様を3日以内に連れ戻して!」
存亡をかけた戦いの前に王子はただただ無力だった。
王子は妹の言葉を信じ、遥か遠くの村にいるキャシーを訪ねることにした……。
忘れられた妻
毛蟹葵葉
恋愛
結婚初夜、チネロは夫になったセインに抱かれることはなかった。
セインは彼女に積もり積もった怒りをぶつけた。
「浅ましいお前の母のわがままで、私は愛する者を伴侶にできなかった。それを止めなかったお前は罪人だ。顔を見るだけで吐き気がする」
セインは婚約者だった時とは別人のような冷たい目で、チネロを睨みつけて吐き捨てた。
「3年間、白い結婚が認められたらお前を自由にしてやる。私の妻になったのだから飢えない程度には生活の面倒は見てやるが、それ以上は求めるな」
セインはそれだけ言い残してチネロの前からいなくなった。
そして、チネロは、誰もいない別邸へと連れて行かれた。
三人称の練習で書いています。違和感があるかもしれません
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる