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1 「運命を… 動かしてみようか」
6 手紙~月光城にて
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その城からは三つの月がそれは美しく見える故。
月光城――
そう呼ばれる白く美しい城がある。
カード帝国宮殿の広い敷地内に、本宮殿を囲み立つ城群の中の1城である。
城の中心を貫く塔の内部は螺旋階段が続き、頂部にのみ部屋がある。
城の天辺となるその部屋からは空が近く、月が迫って来る様に感じるほど。
『月光の間』と呼ばれるその部屋に入る事を許されている者は少ない。
今、『月光の間』にただ立ち尽くす男は悩まし気に溜息をつく。
(時折、何の為に生きているのか分からなくなる。
――いや、いつもだ。
俺はあの時からずっと空っぽなのだから――)
『月光の間』への長い螺旋階段を足音も立てず気配もさせずに上る者がいる。
「――『影』か。
どうせ今回も同じ結果なのだろう。
『成果なし』なのだろう?」
『影』は諜報活動を得意とする皇帝の側近の一人。
その優秀にして忠実な『影』が『月光の間』に到着するのと同時に皇帝が質問する。
いつもながらこの御方は、古代人が持っていたと言われる『全てを視る目』をお持ちなのではないかと『影』は舌を巻く。
自分の気配を気取るのは後にも先にも皇帝のみ。
この『影』、エリン・ジュームである。
彼は皇帝の命を受け帝国内外を駆けずり回って皇帝の捜し人の情報を集め、月に一度その成果を報告する。
皇帝が皇太子の頃からもう何十年――エリンが先代『影』から命を引き継いでからも22年経つが、エリンはいまだに何一つ皇帝を喜ばせる報告が出来ていない。
だが、今回はいつもとは違う!
「実は今回は、奇妙な手紙を預かっておりますッ!ある修道院で年配の修道女から託されましたッ!」
エリンは勢い込んでそう報告するも、皇帝はにべもない態度。
「女からの手紙など捨て置けといつも言っているだろう」
ウンザリした口調で言う皇帝にエリンは勢いを失うが、あの尊い修道女の為に引き下がるわけにはいかない。
「はい、ですがその修道女は世にも珍しい金色の髪と瞳の様で‥」
「‥何ッ!?」
皇帝の銀眼がキラリと光る。
「太陽の様に輝く金色だったか!?」
「彼女に会ったのは修道院のハーブ園です。
その日は曇っており空は暗く、彼女は頭からベールを被っておりましたが、それでも僅かに見えた髪と瞳の辺りから金色の光が放たれている様で‥」
「手紙を!」
殆どむしり取る様にエリンの手から手紙を受け取ると、皇帝は震える手でもどかしそうにやっと手紙を封筒から取り出し食い入るように視線を走らせる。
「‥ッッ‥」
呼吸を忘れ、再開し、また忘れ――
そんな風に何度も何度も手紙を読み返す皇帝。
その手紙の内容は――
『突然の不躾な手紙をお許し下さい。
わたくしは約30年前に修道院に預けられ、その直後に記憶を失くた者です。
8才までの記憶を失くしており、又、わたくしを知る人もいない為自分の事は年齢しか分かっておりません。
現在37才で次の次に満月となる日に38才になると言われております。
最近、奇妙な記憶がわたくしに蘇りました。
――と言っても夢を見ただけなのですが。
わたくしはその夢が現実に起きた記憶ではないかと思えてならないのです。
それは白く美しいお城の塔の天辺から月を眺める幼い自分の夢です。
わたくしの隣には同い年位の男の子が居て、その子はわたくしに意地悪ばかり言うのです。
わたくしもわたくしで気の強い事、負けずに男の子に言い返して。
会話の詳細は目が覚めた直後は覚えていた気がするのですが、今はほとんど忘れてしまいました。
ですが、とても印象深く覚えている言葉があります。
その男の子がわたくしに言った言葉です。
『――あの月がクッキーに見えるだなんて、君はどれだけ食いしん坊なんだい?
‥ッと、いや、ダメだ、今日は真面目な話を…き、君に申し込みたい事が…』
そこで男の子は絶句し、逡巡し、意を決したように続けました。
『~~~、いや、よし!――1つ賭けをしよう!
もうすぐ来る君の誕生日に、君が喜ぶプレゼントを贈る!
そのプレゼントが気に入ったら俺の願いを叶えてほしい…
‥き、気に入らなかったら、お詫びにあの月をクッキーにして君にあげるよ!』
――勿論、ただの夢かもしれません。
ですがもしもあの夢が、あの言葉が現実だったなら。
わたくしは月のクッキーを食べ損ねた事が残念でならないのです。
夢の中の男の子は銀髪銀眼の大層美しい少年でした。
銀髪銀眼の人は世界にただお一人。
カード皇帝陛下のみです。
もしもわたくしの夢に心当たりが御有りなら――
お会いしたいのです。
お話がしたいのです。
わたくしは、次の次の満月を迎えた後どうなるか分かりませんのでその前に。
心当たりが無ければどうぞお忘れ下さい。
畏れ多くもカード皇帝陛下へ
月のクッキーを食べ損ねた修道女より』
皇帝は何度も何度も手紙を読み返した後、
月を見上げる。
「‥ッ!?」
エリンは信じられない思いで皇帝の横顔を見る。
多くの国を統べるカード皇帝。
26才で即位してから10年以上世を天下泰平に導き続けて来た賢帝。
銀龍の化身と言われる世にも珍しい美しき尊き銀髪に銀眼。
長身で引き締まった肉体を持つ美貌の皇帝は常に威圧的ですらあるほどの威厳に満ちて、視線の上げ下げだけで相対する者を震え上がらせる。
仮面の様な無表情は一度も綻ぶ事無く、人よりも神に近い存在だと誰もが崇拝し服従する――
その尊い銀眼から涙が流れ落ちるのを見て、エリンは腰を抜かさんばかりに驚く。
「俺は皇后を娶るぞ」
月を見上げたままの皇帝が静かに、しかし圧倒的な力強さでそう言えば。
エリンはとうとう腰を抜かし、口をパクパクさせて驚きと喜びに震える。
この世で最も尊い存在、完全無欠の我が皇帝――
そんな皇帝にも、たった一つだけ周りを悩ませている事があった。
それは、38才の今まで独身である事。
お世継ぎ問題が帝国唯一にして最大の悩みと言っていいほど帝国民は平民に至るまで皇帝の結婚を心配している有様だが、皇帝は今まで頑なに結婚を拒み続けて来た。
その皇帝がとうとうその気になって下さった!
「‥で、ではッ!」
「皇后となる者は俺が決める」
「え‥はい、勿論ですとも!
早速、帝国内外の高位貴族をあたり妙齢の女性を‥」
「急くな。
いや急がねばならない。
先ずは確保せねばならぬ‥」
「は、何を‥」
「お前はあの月が何に見える?」
「えッ!?
月は月でございますが」
「あれを菓子だと言う食いしん坊をな、」
「――は?」
『ハハ』と愉快そうに笑う皇帝に、エリンはポカンと呆ける。
一度に皇帝の涙と笑顔を見るとは――
今日は異なる日
不思議な日
もしかしてこれは夢なのかもしれないいや夢だとエリンの心は断じる。
夢は夢でも良き夢なれば願わくばこのまま覚めないで欲しいものだ
――とエリンは心底願うのだ。
月光城――
そう呼ばれる白く美しい城がある。
カード帝国宮殿の広い敷地内に、本宮殿を囲み立つ城群の中の1城である。
城の中心を貫く塔の内部は螺旋階段が続き、頂部にのみ部屋がある。
城の天辺となるその部屋からは空が近く、月が迫って来る様に感じるほど。
『月光の間』と呼ばれるその部屋に入る事を許されている者は少ない。
今、『月光の間』にただ立ち尽くす男は悩まし気に溜息をつく。
(時折、何の為に生きているのか分からなくなる。
――いや、いつもだ。
俺はあの時からずっと空っぽなのだから――)
『月光の間』への長い螺旋階段を足音も立てず気配もさせずに上る者がいる。
「――『影』か。
どうせ今回も同じ結果なのだろう。
『成果なし』なのだろう?」
『影』は諜報活動を得意とする皇帝の側近の一人。
その優秀にして忠実な『影』が『月光の間』に到着するのと同時に皇帝が質問する。
いつもながらこの御方は、古代人が持っていたと言われる『全てを視る目』をお持ちなのではないかと『影』は舌を巻く。
自分の気配を気取るのは後にも先にも皇帝のみ。
この『影』、エリン・ジュームである。
彼は皇帝の命を受け帝国内外を駆けずり回って皇帝の捜し人の情報を集め、月に一度その成果を報告する。
皇帝が皇太子の頃からもう何十年――エリンが先代『影』から命を引き継いでからも22年経つが、エリンはいまだに何一つ皇帝を喜ばせる報告が出来ていない。
だが、今回はいつもとは違う!
「実は今回は、奇妙な手紙を預かっておりますッ!ある修道院で年配の修道女から託されましたッ!」
エリンは勢い込んでそう報告するも、皇帝はにべもない態度。
「女からの手紙など捨て置けといつも言っているだろう」
ウンザリした口調で言う皇帝にエリンは勢いを失うが、あの尊い修道女の為に引き下がるわけにはいかない。
「はい、ですがその修道女は世にも珍しい金色の髪と瞳の様で‥」
「‥何ッ!?」
皇帝の銀眼がキラリと光る。
「太陽の様に輝く金色だったか!?」
「彼女に会ったのは修道院のハーブ園です。
その日は曇っており空は暗く、彼女は頭からベールを被っておりましたが、それでも僅かに見えた髪と瞳の辺りから金色の光が放たれている様で‥」
「手紙を!」
殆どむしり取る様にエリンの手から手紙を受け取ると、皇帝は震える手でもどかしそうにやっと手紙を封筒から取り出し食い入るように視線を走らせる。
「‥ッッ‥」
呼吸を忘れ、再開し、また忘れ――
そんな風に何度も何度も手紙を読み返す皇帝。
その手紙の内容は――
『突然の不躾な手紙をお許し下さい。
わたくしは約30年前に修道院に預けられ、その直後に記憶を失くた者です。
8才までの記憶を失くしており、又、わたくしを知る人もいない為自分の事は年齢しか分かっておりません。
現在37才で次の次に満月となる日に38才になると言われております。
最近、奇妙な記憶がわたくしに蘇りました。
――と言っても夢を見ただけなのですが。
わたくしはその夢が現実に起きた記憶ではないかと思えてならないのです。
それは白く美しいお城の塔の天辺から月を眺める幼い自分の夢です。
わたくしの隣には同い年位の男の子が居て、その子はわたくしに意地悪ばかり言うのです。
わたくしもわたくしで気の強い事、負けずに男の子に言い返して。
会話の詳細は目が覚めた直後は覚えていた気がするのですが、今はほとんど忘れてしまいました。
ですが、とても印象深く覚えている言葉があります。
その男の子がわたくしに言った言葉です。
『――あの月がクッキーに見えるだなんて、君はどれだけ食いしん坊なんだい?
‥ッと、いや、ダメだ、今日は真面目な話を…き、君に申し込みたい事が…』
そこで男の子は絶句し、逡巡し、意を決したように続けました。
『~~~、いや、よし!――1つ賭けをしよう!
もうすぐ来る君の誕生日に、君が喜ぶプレゼントを贈る!
そのプレゼントが気に入ったら俺の願いを叶えてほしい…
‥き、気に入らなかったら、お詫びにあの月をクッキーにして君にあげるよ!』
――勿論、ただの夢かもしれません。
ですがもしもあの夢が、あの言葉が現実だったなら。
わたくしは月のクッキーを食べ損ねた事が残念でならないのです。
夢の中の男の子は銀髪銀眼の大層美しい少年でした。
銀髪銀眼の人は世界にただお一人。
カード皇帝陛下のみです。
もしもわたくしの夢に心当たりが御有りなら――
お会いしたいのです。
お話がしたいのです。
わたくしは、次の次の満月を迎えた後どうなるか分かりませんのでその前に。
心当たりが無ければどうぞお忘れ下さい。
畏れ多くもカード皇帝陛下へ
月のクッキーを食べ損ねた修道女より』
皇帝は何度も何度も手紙を読み返した後、
月を見上げる。
「‥ッ!?」
エリンは信じられない思いで皇帝の横顔を見る。
多くの国を統べるカード皇帝。
26才で即位してから10年以上世を天下泰平に導き続けて来た賢帝。
銀龍の化身と言われる世にも珍しい美しき尊き銀髪に銀眼。
長身で引き締まった肉体を持つ美貌の皇帝は常に威圧的ですらあるほどの威厳に満ちて、視線の上げ下げだけで相対する者を震え上がらせる。
仮面の様な無表情は一度も綻ぶ事無く、人よりも神に近い存在だと誰もが崇拝し服従する――
その尊い銀眼から涙が流れ落ちるのを見て、エリンは腰を抜かさんばかりに驚く。
「俺は皇后を娶るぞ」
月を見上げたままの皇帝が静かに、しかし圧倒的な力強さでそう言えば。
エリンはとうとう腰を抜かし、口をパクパクさせて驚きと喜びに震える。
この世で最も尊い存在、完全無欠の我が皇帝――
そんな皇帝にも、たった一つだけ周りを悩ませている事があった。
それは、38才の今まで独身である事。
お世継ぎ問題が帝国唯一にして最大の悩みと言っていいほど帝国民は平民に至るまで皇帝の結婚を心配している有様だが、皇帝は今まで頑なに結婚を拒み続けて来た。
その皇帝がとうとうその気になって下さった!
「‥で、ではッ!」
「皇后となる者は俺が決める」
「え‥はい、勿論ですとも!
早速、帝国内外の高位貴族をあたり妙齢の女性を‥」
「急くな。
いや急がねばならない。
先ずは確保せねばならぬ‥」
「は、何を‥」
「お前はあの月が何に見える?」
「えッ!?
月は月でございますが」
「あれを菓子だと言う食いしん坊をな、」
「――は?」
『ハハ』と愉快そうに笑う皇帝に、エリンはポカンと呆ける。
一度に皇帝の涙と笑顔を見るとは――
今日は異なる日
不思議な日
もしかしてこれは夢なのかもしれないいや夢だとエリンの心は断じる。
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