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第三章
3の33 姉妹の争い
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「‥‥兄上でなくても、宜しいのですか?」
眼前に差し出された聖女の手を視界に入れない様にか、目を伏せて問うフラット。
その姿が必死に欲情を抑えている様に見えて、聖女は胸をキュンとさせる。
文句なく、そそる!
「絶対勝てないと思っている兄から私を奪い取ってみたらどう?」
煽る様な事を柔らかに言えば、男は危険な光を宿した目を上げる。
差し出した手の手首を乱暴に掴まれ、聖女はビクリと肩を跳ねさせる。
男女の事に関しては何の経験も無い聖女。
途端に怯み、初心なただの女になってしまう。
「‥‥あ、あの、痛い、痛いわ。
怒ったの?
痛くしないで?」
バァーーーンッ!
その時ドアが乱暴に開かれ、髪を振り乱した女――
モーレイが乱入して来る!
「離れてッ!
マーリン、あなた、第一王子殿下はどうしたのよ!?
自分で第一王子殿下をゴブリンにしておいて、人間に戻せないからってフラット殿下に乗り換えようなんて、そんなの絶対許さないわッ!
フラット殿下は私がずっと想い続けて来た人よッ!
私と同じ苦しみを知る人よッ!
ずっと自分が世界の中心だと思って来た様なアンタには到底理解出来ない人なんだからッ!
アンタみたいな欲深い、浅ましい女はねぇッ、」
叫びながら、短剣を構え、聖女に向かって突進しようとしたところで‥‥
ボワァッ!
聖女の突き出した両手から黒い稲妻のようなものが発せられ、モーレイを包む。
「ぎゃぁぁぁ~~ッ
あぁぁぁぁ~~ッ!
あ‥ぁ‥‥ぁ‥‥」
全身を黒い稲妻のようなものに包まれ藻掻き苦しむモーレイ。
例えようの無い異臭が辺りに立ち込める。
眼前に差し出された聖女の手を視界に入れない様にか、目を伏せて問うフラット。
その姿が必死に欲情を抑えている様に見えて、聖女は胸をキュンとさせる。
文句なく、そそる!
「絶対勝てないと思っている兄から私を奪い取ってみたらどう?」
煽る様な事を柔らかに言えば、男は危険な光を宿した目を上げる。
差し出した手の手首を乱暴に掴まれ、聖女はビクリと肩を跳ねさせる。
男女の事に関しては何の経験も無い聖女。
途端に怯み、初心なただの女になってしまう。
「‥‥あ、あの、痛い、痛いわ。
怒ったの?
痛くしないで?」
バァーーーンッ!
その時ドアが乱暴に開かれ、髪を振り乱した女――
モーレイが乱入して来る!
「離れてッ!
マーリン、あなた、第一王子殿下はどうしたのよ!?
自分で第一王子殿下をゴブリンにしておいて、人間に戻せないからってフラット殿下に乗り換えようなんて、そんなの絶対許さないわッ!
フラット殿下は私がずっと想い続けて来た人よッ!
私と同じ苦しみを知る人よッ!
ずっと自分が世界の中心だと思って来た様なアンタには到底理解出来ない人なんだからッ!
アンタみたいな欲深い、浅ましい女はねぇッ、」
叫びながら、短剣を構え、聖女に向かって突進しようとしたところで‥‥
ボワァッ!
聖女の突き出した両手から黒い稲妻のようなものが発せられ、モーレイを包む。
「ぎゃぁぁぁ~~ッ
あぁぁぁぁ~~ッ!
あ‥ぁ‥‥ぁ‥‥」
全身を黒い稲妻のようなものに包まれ藻掻き苦しむモーレイ。
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