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第三章
3の25 魔女と聖女
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確信に満ちた王妃の声に国王も顔を上げ、口を開く。
「では、聖女が魔女だという事か!?
ふむ、人間が魔力を失って久しい。
わが国で唯一魔法を使えるのは『妖しの沼の魔女』だけだから、そうなるか。
あ‥‥いや、違うぞ?
私は国王就任の際に『妖しの沼の魔女』の挨拶を受けている。
見た目は若い美女だったが、アレは老婆だった。
事実、先王の時も、先先王の時も同じ女が『妖しの沼の魔女』だった。
もはや人間ではあり得ない、長い年月を生きて来た化物‥‥
聖女マーリンも化物くさいが、魔女は別の女だった」
手で顎をさすりながら国王が遠くを見つめる様に断言する。
「はい。
聖女は魔女ではない。
ですが、関係者‥‥
姉妹でしょう。
私をゴブリンに変えた魔女は黒髪黒目でしたが、聖女と同じ顔をしていました」
「‥‥ハッ!
わ、わーちの時も!
言あえてみえば、
黒髪黒目、
聖女、同じ顔!」
「まぁ~~~、
そうなのぉ~~、
ウフッ、可愛いわぁ、
シレーヌちゃんッ」
「うんうん、可愛い!
あれ、お口にジャムが付いて‥」
「ンッ!
ゴホンッ!
非情に真面目な話の最中にシレーヌ姫を愛でるのは禁止します」
「「レイのケチ!」」
(発音が難しくなった事、さほど気にしていなかったけど‥‥
話し方が幼児っぽくなってしまうせいで、会話を邪魔してしまっているわ。
なるべく黙って、邪魔しない様にしなければ‥‥)
シレーヌが反省する中、話は魔女へと戻る。
「イール侯爵家の三つ子か‥‥
一人は聖女に、一人はフラットの取り巻きに‥‥
残りの一人は所在不明と言っていたか‥‥
それが『妖しの沼の魔女』なのだな。
という事は、あの不気味な魔女は死んだのか?
代替わりの報告は受けていないが‥‥」
「勝手に代替わりを強行したと思われます。
陛下の知る魔女は死んだ。
恐らく彼女達が殺した。
そして『魔力』や『魅了』の力を無理矢理引き継いだ。
だから魔女として存在する為に必要な代替わりの届け出の義務すら知らない。
真っ当な引継ぎではないから『魔力』や『魅了』の使い方を教えられていない。
それが一番の問題です」
「まぁ、何だか‥‥
聞くのが恐いわね」
実際に、気付かぬまま魅了を掛けられていた事を思い出し、王妃は青褪める。
「では、聖女が魔女だという事か!?
ふむ、人間が魔力を失って久しい。
わが国で唯一魔法を使えるのは『妖しの沼の魔女』だけだから、そうなるか。
あ‥‥いや、違うぞ?
私は国王就任の際に『妖しの沼の魔女』の挨拶を受けている。
見た目は若い美女だったが、アレは老婆だった。
事実、先王の時も、先先王の時も同じ女が『妖しの沼の魔女』だった。
もはや人間ではあり得ない、長い年月を生きて来た化物‥‥
聖女マーリンも化物くさいが、魔女は別の女だった」
手で顎をさすりながら国王が遠くを見つめる様に断言する。
「はい。
聖女は魔女ではない。
ですが、関係者‥‥
姉妹でしょう。
私をゴブリンに変えた魔女は黒髪黒目でしたが、聖女と同じ顔をしていました」
「‥‥ハッ!
わ、わーちの時も!
言あえてみえば、
黒髪黒目、
聖女、同じ顔!」
「まぁ~~~、
そうなのぉ~~、
ウフッ、可愛いわぁ、
シレーヌちゃんッ」
「うんうん、可愛い!
あれ、お口にジャムが付いて‥」
「ンッ!
ゴホンッ!
非情に真面目な話の最中にシレーヌ姫を愛でるのは禁止します」
「「レイのケチ!」」
(発音が難しくなった事、さほど気にしていなかったけど‥‥
話し方が幼児っぽくなってしまうせいで、会話を邪魔してしまっているわ。
なるべく黙って、邪魔しない様にしなければ‥‥)
シレーヌが反省する中、話は魔女へと戻る。
「イール侯爵家の三つ子か‥‥
一人は聖女に、一人はフラットの取り巻きに‥‥
残りの一人は所在不明と言っていたか‥‥
それが『妖しの沼の魔女』なのだな。
という事は、あの不気味な魔女は死んだのか?
代替わりの報告は受けていないが‥‥」
「勝手に代替わりを強行したと思われます。
陛下の知る魔女は死んだ。
恐らく彼女達が殺した。
そして『魔力』や『魅了』の力を無理矢理引き継いだ。
だから魔女として存在する為に必要な代替わりの届け出の義務すら知らない。
真っ当な引継ぎではないから『魔力』や『魅了』の使い方を教えられていない。
それが一番の問題です」
「まぁ、何だか‥‥
聞くのが恐いわね」
実際に、気付かぬまま魅了を掛けられていた事を思い出し、王妃は青褪める。
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