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第二章
2の03 三年後 3
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「第二王子殿下からお手紙です。
『問題の件に関して説明している。
これを読んで理解して欲しい』
と仰って‥‥
すぐにお読みください」
殺気‥‥いや、さっきの侍女が盆に恭しく手紙を乗せて来た。
だから、
「毎回言わせないで。
読む気はありませんのでお返しして。
花も贈り物もよ」
「シッ、シレーヌ様ッ!
あなた、どれだけ不敬‥‥」
サッ!
「‥‥ヒィッ!?」
侍女の前に手鏡を出してやった。
自分の醜い表情に悲鳴って‥‥
自覚無かったの?
あなたはずっとそんな表情で私に接していたのよ?
「一応私はあなたの主人よ。
主人に対してその表情‥‥
私に不敬を説く前に、自分を顧みなさい」
「‥‥でもッ、
ですがッ‥‥
あなたは皆の憧れの第二王子殿下に望まれているのですよ!?
ご自分がどれだけ恵まれているのか、少しは自覚されるべきですわ!
有難いと感謝し、第二王子殿下に報いるべきです!」
「あなた弟か妹は?」
「‥‥え?
3才下の、17才の妹がおりますが‥‥
あと、領地の方に5才下の妹と7才下の弟がいます」
「可愛い?」
「ええ!
そりゃあもう!
すぐ下の妹は去年成人したと言うのにまだまだ子供で‥‥
でも(シレーヌ様と違って)とぉっても素直で可愛い子ですわ!」
「私にも妹二人と弟二人がいるの。
(国王と第一王子は記憶から抹消)
すぐ下の妹とは仲良くないのだけど、3才下の妹とは仲良しだった。
弟二人もね。
幼いという事で謁見の間にいなかった彼等とは会うことも出来ず船に乗せられた‥‥だから、彼等からしたら、突然ワケも分からず姉が消えた事になる。
この約3年間、私はここから出る事を許されなかったから、一度も会えていないわ。
弟妹だけじゃない、友人ともね。
手紙すら隠されてしまう‥‥
一切の交流を絶たれているのよ」
「えッ‥‥!
そんな‥‥
一度も!?
手紙も!?
う‥‥で、でも、」
「例えばあなたの妹が逆らえない相手に望まれて監禁されたらどう?
外出を許されず人との交流も一切絶たれたら?
勿論、あなたとも家族の誰とも手紙すら交わせない。
新たに友人が出来ても、その友人も遠くへ追いやられてしまう。
恵まれていると感謝できる?」
「‥‥ッ!
ソレは‥‥いいえ」
「私は3年間もこの状況に耐えているの。
ちなみに私はあなたの妹よりも子供の15才よ。
有難いと感謝できないのも無理ないと思わない?
少なくとも侍女に鬼の様な表情で詰め寄られる理由は無いわ」
「鬼‥‥ウッ、申し訳ございません‥‥でしたッ!」
「(‥‥あら、謝ってくれるなんて、素直な性質の侍女さんだったのね)
ええ‥‥私はただ殿下に『学校に行きたい』とお願いしているだけなのよ」
「学校‥‥ああ、王立学園は15才からでしたね。
シレーヌ様は学校に通いたいのですか?」
「ええ。
とにかく外に出たいし‥‥
私の母国では、全ての子供が平等に教育を受ける権利を持っていた。
だから私は当然の権利として、『学校に行きたい』とお願いしたの。
なのに殿下は許そうとしないのよ。
だから私は殿下がOKするまで会わないと決めたの」
「はぁ‥‥
(お強い‥‥)」
「‥‥もともと私は『留学生』としてこの国に拉‥連れて来られたのよ。
なのに、数カ月だけ家庭教師を付けられただけで、その後は教育を受けさせてもらっていないの。
私は自国では普通に国民の皆と一緒に学校で学んでいたわ。
王族としての勉強と学校の勉強は全然違って、両立するのは大変だったけど楽しかったの。
先日の事よ。
貴族は15才になったら王立学園で学ぶのだと殿下が仰ったの。
口を滑らせたのね。
私はもうすぐ16才。
王立学園で学んでいたはずの時間を一年も潰したのよ。
分かるでしょう?
私を人間だと思っていないのよ!
だから人間として扱ってくれないのよ!
だけど、私だって人間なのよ!
教育を受ける権利があるはずよ!」
ポカンと聞いている侍女が理解しているかどうか不明だが、不満で爆発寸前のシレーヌは口が止まらない。
バァン!
その時、勢いよくドアが開けられた!
『問題の件に関して説明している。
これを読んで理解して欲しい』
と仰って‥‥
すぐにお読みください」
殺気‥‥いや、さっきの侍女が盆に恭しく手紙を乗せて来た。
だから、
「毎回言わせないで。
読む気はありませんのでお返しして。
花も贈り物もよ」
「シッ、シレーヌ様ッ!
あなた、どれだけ不敬‥‥」
サッ!
「‥‥ヒィッ!?」
侍女の前に手鏡を出してやった。
自分の醜い表情に悲鳴って‥‥
自覚無かったの?
あなたはずっとそんな表情で私に接していたのよ?
「一応私はあなたの主人よ。
主人に対してその表情‥‥
私に不敬を説く前に、自分を顧みなさい」
「‥‥でもッ、
ですがッ‥‥
あなたは皆の憧れの第二王子殿下に望まれているのですよ!?
ご自分がどれだけ恵まれているのか、少しは自覚されるべきですわ!
有難いと感謝し、第二王子殿下に報いるべきです!」
「あなた弟か妹は?」
「‥‥え?
3才下の、17才の妹がおりますが‥‥
あと、領地の方に5才下の妹と7才下の弟がいます」
「可愛い?」
「ええ!
そりゃあもう!
すぐ下の妹は去年成人したと言うのにまだまだ子供で‥‥
でも(シレーヌ様と違って)とぉっても素直で可愛い子ですわ!」
「私にも妹二人と弟二人がいるの。
(国王と第一王子は記憶から抹消)
すぐ下の妹とは仲良くないのだけど、3才下の妹とは仲良しだった。
弟二人もね。
幼いという事で謁見の間にいなかった彼等とは会うことも出来ず船に乗せられた‥‥だから、彼等からしたら、突然ワケも分からず姉が消えた事になる。
この約3年間、私はここから出る事を許されなかったから、一度も会えていないわ。
弟妹だけじゃない、友人ともね。
手紙すら隠されてしまう‥‥
一切の交流を絶たれているのよ」
「えッ‥‥!
そんな‥‥
一度も!?
手紙も!?
う‥‥で、でも、」
「例えばあなたの妹が逆らえない相手に望まれて監禁されたらどう?
外出を許されず人との交流も一切絶たれたら?
勿論、あなたとも家族の誰とも手紙すら交わせない。
新たに友人が出来ても、その友人も遠くへ追いやられてしまう。
恵まれていると感謝できる?」
「‥‥ッ!
ソレは‥‥いいえ」
「私は3年間もこの状況に耐えているの。
ちなみに私はあなたの妹よりも子供の15才よ。
有難いと感謝できないのも無理ないと思わない?
少なくとも侍女に鬼の様な表情で詰め寄られる理由は無いわ」
「鬼‥‥ウッ、申し訳ございません‥‥でしたッ!」
「(‥‥あら、謝ってくれるなんて、素直な性質の侍女さんだったのね)
ええ‥‥私はただ殿下に『学校に行きたい』とお願いしているだけなのよ」
「学校‥‥ああ、王立学園は15才からでしたね。
シレーヌ様は学校に通いたいのですか?」
「ええ。
とにかく外に出たいし‥‥
私の母国では、全ての子供が平等に教育を受ける権利を持っていた。
だから私は当然の権利として、『学校に行きたい』とお願いしたの。
なのに殿下は許そうとしないのよ。
だから私は殿下がOKするまで会わないと決めたの」
「はぁ‥‥
(お強い‥‥)」
「‥‥もともと私は『留学生』としてこの国に拉‥連れて来られたのよ。
なのに、数カ月だけ家庭教師を付けられただけで、その後は教育を受けさせてもらっていないの。
私は自国では普通に国民の皆と一緒に学校で学んでいたわ。
王族としての勉強と学校の勉強は全然違って、両立するのは大変だったけど楽しかったの。
先日の事よ。
貴族は15才になったら王立学園で学ぶのだと殿下が仰ったの。
口を滑らせたのね。
私はもうすぐ16才。
王立学園で学んでいたはずの時間を一年も潰したのよ。
分かるでしょう?
私を人間だと思っていないのよ!
だから人間として扱ってくれないのよ!
だけど、私だって人間なのよ!
教育を受ける権利があるはずよ!」
ポカンと聞いている侍女が理解しているかどうか不明だが、不満で爆発寸前のシレーヌは口が止まらない。
バァン!
その時、勢いよくドアが開けられた!
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