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第一章
1の54 第二王子婚約者候補筆頭令嬢
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「‥‥ッ!
シ、シレーヌ‥‥?」
きっと無反応だろうと思っていた第二王子は眩しい笑顔にショックを受ける。
事前に第二王子から『何を言ってもきっと無反応だろう』と聞いていたモーレイも狼狽える。
愚鈍でまともな返答や対応が出来ずに無反応状態になるのであろう田舎王女に、自分のペースで身の程を弁えさせ、第二王子を諦めさせようと目論んでいたのに、これでは話が違うではないかと。
「‥‥ま、まぁ!
(な、何て笑顔‥‥破壊力‥‥クッ!)
《ニ、ニコォリ》
こ、こちらこそお会い出来て嬉しいわ。
あの、ブルーフィン王国語がお上手ですのね!
しかも、耳で聞いただけで覚えられたとか‥‥
お美しいだけでなく、大変に優秀でいらっしゃいますのね!」
「そんな‥‥
お褒めの言葉、ありがとうございます。
ですが優秀だなんて、とんでもありません。
ラメール王国人はテュナ王国語も話しますので。
殿下から教えて頂きましたが、ブルーフィン王国語はテュナ王国語を簡素化したものとの事ですから、話せて当然と言えましょう。
ですから、優秀だなどと過大な評価を頂いては、恐縮してしまいます」
「(ッッ!
ギリギリ挨拶程度だけ出来るのかと思ったら、ベラベラじゃん!
テュナ王国語!?
初めて聞いたんだけど!?
何て事‥‥せっかくのイヤミが、普通の褒め言葉になってしまったわッ)
い、いえいえ、そんな、本当に、ホホホ‥‥
(ちょ、何か私の方が『語彙力、低!』みたいになってない!?)
ホ、ホホホホホッ!」
目も表情も一切笑っておらず、口だけで『ホホホ』と笑う女を見ながら、シレーヌの笑顔は益々やさし気に、慈愛の色さえ湛えながら柔らかに輝く。
(ライラック色の髪、
ラズベリー色の瞳‥‥
すごく綺麗!
この方が噂のモーレイ侯爵令嬢なのね!
ラメールからの道中で侍女たちが噂していた。
熱烈に第二王子殿下を慕ってる、第二王子殿下と血の繋がらない従姉。
‥‥えぇと、第二王子のたくさんいる恋人の中でも特に親しい‥‥
最近では一番体を重ねている、誰もが認める第二王子の婚約者候補筆頭の令嬢!
早くも淑女の仮面が剥がれ落ちて、私を見る目が敵意丸出しになってるけど‥‥)
シレーヌはフワリとモーレイ侯爵令嬢の真ん前に歩み出る。
シ、シレーヌ‥‥?」
きっと無反応だろうと思っていた第二王子は眩しい笑顔にショックを受ける。
事前に第二王子から『何を言ってもきっと無反応だろう』と聞いていたモーレイも狼狽える。
愚鈍でまともな返答や対応が出来ずに無反応状態になるのであろう田舎王女に、自分のペースで身の程を弁えさせ、第二王子を諦めさせようと目論んでいたのに、これでは話が違うではないかと。
「‥‥ま、まぁ!
(な、何て笑顔‥‥破壊力‥‥クッ!)
《ニ、ニコォリ》
こ、こちらこそお会い出来て嬉しいわ。
あの、ブルーフィン王国語がお上手ですのね!
しかも、耳で聞いただけで覚えられたとか‥‥
お美しいだけでなく、大変に優秀でいらっしゃいますのね!」
「そんな‥‥
お褒めの言葉、ありがとうございます。
ですが優秀だなんて、とんでもありません。
ラメール王国人はテュナ王国語も話しますので。
殿下から教えて頂きましたが、ブルーフィン王国語はテュナ王国語を簡素化したものとの事ですから、話せて当然と言えましょう。
ですから、優秀だなどと過大な評価を頂いては、恐縮してしまいます」
「(ッッ!
ギリギリ挨拶程度だけ出来るのかと思ったら、ベラベラじゃん!
テュナ王国語!?
初めて聞いたんだけど!?
何て事‥‥せっかくのイヤミが、普通の褒め言葉になってしまったわッ)
い、いえいえ、そんな、本当に、ホホホ‥‥
(ちょ、何か私の方が『語彙力、低!』みたいになってない!?)
ホ、ホホホホホッ!」
目も表情も一切笑っておらず、口だけで『ホホホ』と笑う女を見ながら、シレーヌの笑顔は益々やさし気に、慈愛の色さえ湛えながら柔らかに輝く。
(ライラック色の髪、
ラズベリー色の瞳‥‥
すごく綺麗!
この方が噂のモーレイ侯爵令嬢なのね!
ラメールからの道中で侍女たちが噂していた。
熱烈に第二王子殿下を慕ってる、第二王子殿下と血の繋がらない従姉。
‥‥えぇと、第二王子のたくさんいる恋人の中でも特に親しい‥‥
最近では一番体を重ねている、誰もが認める第二王子の婚約者候補筆頭の令嬢!
早くも淑女の仮面が剥がれ落ちて、私を見る目が敵意丸出しになってるけど‥‥)
シレーヌはフワリとモーレイ侯爵令嬢の真ん前に歩み出る。
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