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第一章
1の52 現状分析
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シレーヌが王宮敷地の端の、湖に囲まれた離宮『湖の貴婦人』に連れて来られてから一か月が過ぎた。
一か月で分かった事は
(1)第二王子はナゼかシレーヌに恋をしていると言う。
(2)第二王子はシレーヌが16才成人するまでは手を出さないと誓う。
(3)第二王子はシレーヌを離宮に閉じ込めておくつもりらしい。
離宮の小さな船着き場に船は無い。
離宮のどこを探しても湖を渡る為の船が見当たらない。
離宮から外へ出る事は想定されていない。
‥‥はぁ、やっぱり軟禁状態‥‥
だけど、一番重要なのは、
(4)シレーヌとの婚姻話は公のものではなく第二王子が望んでいるだけらしい。
――て事。
(ここへ来てもう一か月になるのに、第二王子の関係者へのご挨拶とかの行事が一切無い‥‥公の結婚話なら、あり得ない事だよね?
つまり私の訪問は公のものではなく、第二王子の個人的な客という扱い。
ブルーフィン王国は私を第二王子の婚約者候補と認めていない。
―――て事は、私と第二王子が結婚する確率はそんなに高くない‥‥
いや、ほぼ無い!
国王や王妃が私の存在を知っていたとしても、第二王子のホンの気まぐれだと。
私も子供だけど第二王子だってまだ16才、成人直後の子供が言っている事だと。
珍しいオモチャを欲しがっているだけの子供のワガママだと。
とりあえず本人の希望通りオモチャは離宮にでも住まわせておけばいい。
気が済んで目が覚めたら、ちゃんとした婚姻話を進めればいい。
―――的な感じかな?
いわゆる、
《ザ・時間が解決する案件》!
‥‥ふっ、
ふふふふふふふっ!
いやいや、何をそんな悠長な!
のんびり待っていられないよね?
国王様、王妃様!
大量に存在するらしい、第二王子に懸想するご令嬢様方!
今すぐ何とかしたいよね!
Me、too!
承知しております!
時短の為に、私が第二王子にサッサと嫌われればいいって事だよね?
簡単、簡単!)
「‥様、シレーヌ様?」
「‥‥はッ!」
シレーヌは侍女の声に我に返る。
「第二王子殿下がお見えでございます」
(ッ、また来た!
何なの?
毎日どころか一日に何度も!
ヒマなの!?
学校行ってる時間のはずでしょ!?
サボリ?)
「すぐに行きます」
(ああ、面倒くさい!
でもいいか。
早速嫌われてやる!)
足早に廊下を歩きながら、シレーヌはふと気付く。
(‥‥ん? 待てよ?
何をすれば嫌いになってくれるのか分からない。
私を好きって時点で変わり者に間違いないから、一般的な感覚とは違うだろうな。
どうしよう?
聞く?
聞いちゃう?
でも怒り出すと恐いから加減が難しい‥‥ん?)
応接室の豪華ソファ。
第二王子の隣に控えめに座る美女が声を上げる。
「まぁ‥‥えぇっ!?
(ッ!‥‥なッ‥‥予想の遥か上行く美貌!)
‥‥と、とても元気な素敵な王女様ね!」
‥‥オゥ。
第二王子、初の女連れである。
一か月で分かった事は
(1)第二王子はナゼかシレーヌに恋をしていると言う。
(2)第二王子はシレーヌが16才成人するまでは手を出さないと誓う。
(3)第二王子はシレーヌを離宮に閉じ込めておくつもりらしい。
離宮の小さな船着き場に船は無い。
離宮のどこを探しても湖を渡る為の船が見当たらない。
離宮から外へ出る事は想定されていない。
‥‥はぁ、やっぱり軟禁状態‥‥
だけど、一番重要なのは、
(4)シレーヌとの婚姻話は公のものではなく第二王子が望んでいるだけらしい。
――て事。
(ここへ来てもう一か月になるのに、第二王子の関係者へのご挨拶とかの行事が一切無い‥‥公の結婚話なら、あり得ない事だよね?
つまり私の訪問は公のものではなく、第二王子の個人的な客という扱い。
ブルーフィン王国は私を第二王子の婚約者候補と認めていない。
―――て事は、私と第二王子が結婚する確率はそんなに高くない‥‥
いや、ほぼ無い!
国王や王妃が私の存在を知っていたとしても、第二王子のホンの気まぐれだと。
私も子供だけど第二王子だってまだ16才、成人直後の子供が言っている事だと。
珍しいオモチャを欲しがっているだけの子供のワガママだと。
とりあえず本人の希望通りオモチャは離宮にでも住まわせておけばいい。
気が済んで目が覚めたら、ちゃんとした婚姻話を進めればいい。
―――的な感じかな?
いわゆる、
《ザ・時間が解決する案件》!
‥‥ふっ、
ふふふふふふふっ!
いやいや、何をそんな悠長な!
のんびり待っていられないよね?
国王様、王妃様!
大量に存在するらしい、第二王子に懸想するご令嬢様方!
今すぐ何とかしたいよね!
Me、too!
承知しております!
時短の為に、私が第二王子にサッサと嫌われればいいって事だよね?
簡単、簡単!)
「‥様、シレーヌ様?」
「‥‥はッ!」
シレーヌは侍女の声に我に返る。
「第二王子殿下がお見えでございます」
(ッ、また来た!
何なの?
毎日どころか一日に何度も!
ヒマなの!?
学校行ってる時間のはずでしょ!?
サボリ?)
「すぐに行きます」
(ああ、面倒くさい!
でもいいか。
早速嫌われてやる!)
足早に廊下を歩きながら、シレーヌはふと気付く。
(‥‥ん? 待てよ?
何をすれば嫌いになってくれるのか分からない。
私を好きって時点で変わり者に間違いないから、一般的な感覚とは違うだろうな。
どうしよう?
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でも怒り出すと恐いから加減が難しい‥‥ん?)
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第二王子の隣に控えめに座る美女が声を上げる。
「まぁ‥‥えぇっ!?
(ッ!‥‥なッ‥‥予想の遥か上行く美貌!)
‥‥と、とても元気な素敵な王女様ね!」
‥‥オゥ。
第二王子、初の女連れである。
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