33 / 45
5日目(金) 当たっちゃって、分からない3
しおりを挟む
「うんうん、昨日はそんなことがあったのね」
「うん……ねぇ、美香ちゃんはどう思う?」
美香ちゃんは「私は……」と言い、少し間を置いてから、こう告げた。
「その人、瀬良ちゃんに好きってことを『告白』しようとしてるんじゃないかな」
「……そう……なのかなぁ??」
声が少し震えている気がする。私は下手な作り笑顔を見せた後、下を向き、黙り込んでしまった。昨日と同じ答え。
好きなの?優斗が?私のことを??
私はまた、今朝のように不安と焦りの気持ちがふつふつと沸き立っていた。
そして、『告白』と言う言葉だけが、ずっしりと重く、私の脳に響いていた。
今自分はどんな顔をしているだろう。
ここからどうやって顔を上げればいいだろう。
私は ぎゅ と手を握りしめた。もう、色々な気持ちがごちゃ混ぜになって、どうすればいいか考える隙もなくなった。
その時だった。
「瀬良ちゃーん……?」
私は美香ちゃんの呼びかけで はっ と顔を上げた。
「大丈夫……?」
「へっ、あっ、大丈夫だよ~」
「そう……?ならいいけど」
私は あはは と笑い飛ばし、さっきまでの気持ちを隠した。でも、美香ちゃんは眉を下げ、心配そうに私のことを見つめていた。
それから、紅茶を少し飲み、色々なお菓子があった中で、私は一口サイズのピンク色のマカロンを選んだ。袋を開け、口に放り込んだ。
……凄く美味しくて……甘酸っぱい。いちご味のマカロンだ。
私はこの雰囲気を変えるべく、マカロンを食べての感想を美香ちゃんに話した。美香ちゃんはさっきまでの様子を問い詰めず、マカロンの話に乗ってくれた。そして、表情も少し明るくなった。ひとまず安心した。
『私が片思いしている人がいる』ということは誰にも言っていない。これは、自分だけの秘密だ。
そうして、美香ちゃんと話していき、盛り上がってきたところで、時間が来てしまった。午後一時。一応余裕を持って行きたいから、この時間に美香ちゃんの家を出ることにしていた。
「あっ……!もうこんな時間かぁ……」
「あら……残念ね……せっかく、お話も盛り上がってきたところなんだけどね~」
「そうだねぇ……」
私は荷物をまとめている時も美香ちゃん話していた。そしてまとめ終わった後、玄関の方へ行き、外へ出た。美香ちゃんも私のことを見送りに一緒に来た。
「いやぁ、今日は相談に乗ってくれてありがとう」
「いえいえ、こちらこそ。お話楽しかったわ」
「そっか。ならよかったぁ~ それじゃ、公園の方へ向かうね」
「うん、分かったわ。頑張ってきてね。私、陰ながら応援しているわ」
「うん。頑張ってくるよ」
そして私は、もう一回 今日は本当にありがとう と口に出した。それから、「じゃあね」と笑顔で手を振った。今度は作り笑いなんかじゃなく、自然と溢れてきたものだった。美香ちゃんも「うん、またね」と明るい声で手を振り返してくれた。
…………さて、約束の時間まで残り少しだなぁ。あっという間に過ぎていった今日の時間。
私の気持ちはまだ晴れていない。でも、何とか気持ちは落ち着けよう。変に期待しすぎるのもあれだから、気楽に公園で待とうではないか。
私は少し軽い足取りで、いつも行く公園へと今日はちょっと違う気持ちで向かった。
「うん……ねぇ、美香ちゃんはどう思う?」
美香ちゃんは「私は……」と言い、少し間を置いてから、こう告げた。
「その人、瀬良ちゃんに好きってことを『告白』しようとしてるんじゃないかな」
「……そう……なのかなぁ??」
声が少し震えている気がする。私は下手な作り笑顔を見せた後、下を向き、黙り込んでしまった。昨日と同じ答え。
好きなの?優斗が?私のことを??
私はまた、今朝のように不安と焦りの気持ちがふつふつと沸き立っていた。
そして、『告白』と言う言葉だけが、ずっしりと重く、私の脳に響いていた。
今自分はどんな顔をしているだろう。
ここからどうやって顔を上げればいいだろう。
私は ぎゅ と手を握りしめた。もう、色々な気持ちがごちゃ混ぜになって、どうすればいいか考える隙もなくなった。
その時だった。
「瀬良ちゃーん……?」
私は美香ちゃんの呼びかけで はっ と顔を上げた。
「大丈夫……?」
「へっ、あっ、大丈夫だよ~」
「そう……?ならいいけど」
私は あはは と笑い飛ばし、さっきまでの気持ちを隠した。でも、美香ちゃんは眉を下げ、心配そうに私のことを見つめていた。
それから、紅茶を少し飲み、色々なお菓子があった中で、私は一口サイズのピンク色のマカロンを選んだ。袋を開け、口に放り込んだ。
……凄く美味しくて……甘酸っぱい。いちご味のマカロンだ。
私はこの雰囲気を変えるべく、マカロンを食べての感想を美香ちゃんに話した。美香ちゃんはさっきまでの様子を問い詰めず、マカロンの話に乗ってくれた。そして、表情も少し明るくなった。ひとまず安心した。
『私が片思いしている人がいる』ということは誰にも言っていない。これは、自分だけの秘密だ。
そうして、美香ちゃんと話していき、盛り上がってきたところで、時間が来てしまった。午後一時。一応余裕を持って行きたいから、この時間に美香ちゃんの家を出ることにしていた。
「あっ……!もうこんな時間かぁ……」
「あら……残念ね……せっかく、お話も盛り上がってきたところなんだけどね~」
「そうだねぇ……」
私は荷物をまとめている時も美香ちゃん話していた。そしてまとめ終わった後、玄関の方へ行き、外へ出た。美香ちゃんも私のことを見送りに一緒に来た。
「いやぁ、今日は相談に乗ってくれてありがとう」
「いえいえ、こちらこそ。お話楽しかったわ」
「そっか。ならよかったぁ~ それじゃ、公園の方へ向かうね」
「うん、分かったわ。頑張ってきてね。私、陰ながら応援しているわ」
「うん。頑張ってくるよ」
そして私は、もう一回 今日は本当にありがとう と口に出した。それから、「じゃあね」と笑顔で手を振った。今度は作り笑いなんかじゃなく、自然と溢れてきたものだった。美香ちゃんも「うん、またね」と明るい声で手を振り返してくれた。
…………さて、約束の時間まで残り少しだなぁ。あっという間に過ぎていった今日の時間。
私の気持ちはまだ晴れていない。でも、何とか気持ちは落ち着けよう。変に期待しすぎるのもあれだから、気楽に公園で待とうではないか。
私は少し軽い足取りで、いつも行く公園へと今日はちょっと違う気持ちで向かった。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました
東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。
攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる!
そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。
帰らなければ良かった
jun
恋愛
ファルコン騎士団のシシリー・フォードが帰宅すると、婚約者で同じファルコン騎士団の副隊長のブライアン・ハワードが、ベッドで寝ていた…女と裸で。
傷付いたシシリーと傷付けたブライアン…
何故ブライアンは溺愛していたシシリーを裏切ったのか。
*性被害、レイプなどの言葉が出てきます。
気になる方はお避け下さい。
・8/1 長編に変更しました。
・8/16 本編完結しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる