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Study200: Soul to sail it up「遡る心」
しおりを挟む『その時は一緒に名古屋来てくれるか?』
教師と生徒の関係を一変させた、あの部屋で
初めて真崎の熱情を身体の奥底に感じた、あの机の上で。
真っ直ぐに降り注ぐ陽射しのように見つめられて貰った言葉。
一緒に名古屋に行くその時が訪れると、疑いもせずにいた。
あの時……………………
抱き納め、だと言いながら真崎が机の上に夢月の身体を倒した。
後頭部が机上にぶつからないようにと、ゆっくり腰を支えられながらの労りが胸を昂らせる。
「夢月、覚えてる?キスもしないで挿れてた頃」
首筋に唇を這わせながら真崎がスカートを手繰り上げた。
優しい指先がストッキングやショーツをズラしていく。
鍵がかからない部屋、校内でそうなる事に躊躇う頭が、首筋を甘く吸われてボヤけた。
この先にある快感を、頭も身体も良く知っている。
想いの丈を刻み込むように熱く貫く真崎の熱情を知っている。
「……………………おぼえ、てる」
吐息のように応え、夢月は抗うのをやめた。
一度スイッチが入った欲情を、自分が止められない事を知っているから。
真崎の想いも、自分の中にある恋情も分からないままに、快感に流されるだけの行為だった、あの頃。
誰かに肌を吸われたり、誰にも秘部を晒した事などなかった夢月には、全てが未知で全てが戸惑いだった。
太腿までズラされたストッキングとショーツが止まり、夢月の両脚をまとめて持ち上げ真崎が左腕に抱え込んだ。
「…………え?な、なにっ?」
いつもと違う体勢に慌てた夢月の秘部に真崎の指先が沈み込む。
密着した襞を掻き分けるように肉芽へと辿り着いた指先に、夢月は腰をびくつかせ小さく喘いだ。
両脚を左腕に抱え込み見下ろしてくる真崎と目が合い、気恥ずかしさに顔を背ける。
肉芽を指先でやんわり同じリズムで擦られるたびに、どんどんと沸点へと昇り詰めるように、肉芽が熱くなりビリビリと電流のような快感が増した。
与えられる快感をそのままに喘げる場所ではない。
ギリギリにぶら下がっているような理性で夢月は自分の口元に手の平を押し当てた。
「今はあの頃みたいに唇へのキスなしで…………オレを感じてみて」
ストッキングを纏ったままの脹脛を真崎の舌が這い、指先が肉芽から膣の入り口へと移る。
くちゅ、と水音をたてながら、股が閉じられ狭いその入口を解され愛液が溝を伝い流れ出した。
「……………………はっ、あ」
膣は真崎の指先を呑み込み、細かく蠕動する。
もっともっとと強請るような、粘膜の渇望。
深く沈み込んだ真崎の指先が膣の内壁を擦り上げ、愛液に塗れた親指の腹が肉芽を捉えた。
「あっ、……………………それ、だめっ」
背を反らせ夢月は快楽に腰を震わせる。
脚を開いている時とは感覚が違うのか、頂点がすぐ近くに見えた。
「…………ああ、んっ!!!」
頭の芯を駆け抜けていく絶頂に、身体中のあらゆる筋肉が強張り、直後に解き放つような弛緩を与えられる。
沸騰したように頬が逆上せ、視界が熱で潤んだ。
果てたと同時に指が抜き去られ、代わりに反り返る熱の塊が痙攣している膣内へと挿れ込まれる。
指とは比較にならない太さと硬さに、粘膜全体が擦られ、息が止まる様な衝動が走った。
襞が、粘膜の突起が、真崎を呑み込むように深みへ誘い、奥底から愛液がどっぷりと溢れ出す。
「夢月……………………」
甘く掠れた声で名を呼び、真崎が艶めかしく眉を寄せる。
いつもと違う体勢だからか、真崎の顔がよく見えた。
腰を突き動かしながら、真崎の表情が苦しげに色めき歪み、はあ、と熱い息を吐く。
自分の中で悦楽に浸る真崎の顔を見て、愛しさが増し、心が満たされた。
与えられるだけではなく、自分も与える事ができている。
そう感じた瞬間だった。
名古屋に行くなら共に、そう信じていた頃。
なぜ、その事を思い出したのか……………………
首から下げた指輪を指先で弄びながら、夢月は助手席でぼんやりと記憶を遡っていた。
名古屋に連れて行くと言われ絶句していると、涼子に名古屋行きに何の障害があるのかと問われた。
返す言葉が見つからない。
事実、留まる理由がないのだ………………真崎以外は。
自分の真意は、この期に及んでも少しでも側にいたいと足掻いている。
────── そうだ、あの時。
何があっても離れない、改めてそう思ったんだ。
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