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Study190: Stimulating「刺激的」
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病室に入るなり、自然にそう成っていた。
繋いだ手を放せない。
捕まえていないと漸く縮んだ距離が離れていく様で怖かった。
挨拶みたいな、唇が触れるだけの臆病なキスをしてから、確認する様に真崎は目を見つめてくる。
失った記憶を探す様な瞳は憂いが滲み甘く色めいている。
もっと深く探り込んで欲しい。
求めて欲しい…………
真崎の中で確実に、何かが動いている。
取り戻したいと心が強請り、激しく欲情を刺激した。
夢月は繋いでいない手を真崎の首筋へと這わせ、背を伸ばし唇を寄せる。
唇を受け止め、真崎はしなやかな夢月の腰へ手を充てがうと舌先を分け入れた。
熱く絡んでくる真崎の舌に応えながら、夢月はくらくらと眩暈に似た感覚を覚える。
身体の力が抜けていく様に、張り詰めた不安が和らいでいく。
繋いだ手の平が僅かに離れ、真崎の指先が指の間をくすぐる様になぞった。
身体の芯から沸き起こる疼きに息が上がっていく。
明るい昼下がりの午後、いつ誰が来るとも知れない病室は互いを求める吐息だけが支配し、求め合い、身体を引き寄せ合う。
高まる鼓動が熱へと、甘く燻りながら衝動を燃やす。
…………止められない。
どちらともなく互いのシャツの中へ手を滑り込ませていた。
体温を奪わんとする様な真崎の手の平が、ブラの上から胸の膨らみを掴むと、思わず小さな声が漏れる。
唇から首筋へ流れて行く口付けに、肌が熱を帯び、足元がよろけた。
その身体を真崎が支えると、軽々しく抱え上げる。
自分のものだと誇示する様な、引き締まった腕の感触に安堵する。
守られ、独占されている様なその瞬間が、夢月は以前から好きだった。
ベットへ向かい歩き出す真崎の首筋に腕を絡め、しがみつく。
診察で明日の退院が決まった。
会えなくなるわけではないが、同じ病室での寝泊まりはできなくなる。
愛しさが募るだけ、それが寂しい。
ベットに下され、服を剥ぎ取られると明るい病室を嫌でも意識してしまう。
今の真崎が自分の身体を見てどう思うのか、怖くなった。
唇を塞がれながら、ショーツだけになった身体を押し倒されると、胸が苦しい程に全身の血が滾りだす。
「…………っあ」
耳輪を唇で挟みながら舌先がゆっくりと這い、痺れるような衝動が走りじんじんと下腹が疼いた。
「夢月さん、声は抑えて」
濡れた耳珠に息がかかる程に近く真崎に囁かれ、夢月は唇を結ぶ。
素肌を這う手や舌先にいちいち身体の芯から震える。
久しぶりだからなのか、場所が場所だからか、夢月の身体は激しく燃え上がる欲情に落ちていた。
真崎の舌先が首筋から鎖骨へ、肌を味わう様にキスをしながら下りていき、指先がショーツの中へと滑り込む。
「真崎くんっ……………………」
夢月は荒い息の下、手繰り寄せるように真崎の腕に縋った。
秘部に触れられずとも分かる、恋う余り滴る程に濡れている。
前戯の愛撫がもどかしい程に、奥底が求めている。
「…………もう、いいから」
「どうして欲しい?」
真崎の手がゆっくりとショーツを脱がした。
脚を滑るショーツの僅かな刺激にさえ、甘く悶えそうになる。
問いかけながらも口付けを落としてくる真崎の焦らし方は以前と変わらない。
少し意地悪で、甘く刺激的。
「挿れて…………」
夢月は聞き取れないくらいの囁きを口付けの合間に漏らした。
恥ずかしさからか、欲情の熱からか、喉が渇くほどに熱い。
「エロいね、夢月さん」
軽く火照った頬で囁き返した真崎の吐息は熱く、口端に浮かべた笑みは刺激的に艶やかだった。
繋いだ手を放せない。
捕まえていないと漸く縮んだ距離が離れていく様で怖かった。
挨拶みたいな、唇が触れるだけの臆病なキスをしてから、確認する様に真崎は目を見つめてくる。
失った記憶を探す様な瞳は憂いが滲み甘く色めいている。
もっと深く探り込んで欲しい。
求めて欲しい…………
真崎の中で確実に、何かが動いている。
取り戻したいと心が強請り、激しく欲情を刺激した。
夢月は繋いでいない手を真崎の首筋へと這わせ、背を伸ばし唇を寄せる。
唇を受け止め、真崎はしなやかな夢月の腰へ手を充てがうと舌先を分け入れた。
熱く絡んでくる真崎の舌に応えながら、夢月はくらくらと眩暈に似た感覚を覚える。
身体の力が抜けていく様に、張り詰めた不安が和らいでいく。
繋いだ手の平が僅かに離れ、真崎の指先が指の間をくすぐる様になぞった。
身体の芯から沸き起こる疼きに息が上がっていく。
明るい昼下がりの午後、いつ誰が来るとも知れない病室は互いを求める吐息だけが支配し、求め合い、身体を引き寄せ合う。
高まる鼓動が熱へと、甘く燻りながら衝動を燃やす。
…………止められない。
どちらともなく互いのシャツの中へ手を滑り込ませていた。
体温を奪わんとする様な真崎の手の平が、ブラの上から胸の膨らみを掴むと、思わず小さな声が漏れる。
唇から首筋へ流れて行く口付けに、肌が熱を帯び、足元がよろけた。
その身体を真崎が支えると、軽々しく抱え上げる。
自分のものだと誇示する様な、引き締まった腕の感触に安堵する。
守られ、独占されている様なその瞬間が、夢月は以前から好きだった。
ベットへ向かい歩き出す真崎の首筋に腕を絡め、しがみつく。
診察で明日の退院が決まった。
会えなくなるわけではないが、同じ病室での寝泊まりはできなくなる。
愛しさが募るだけ、それが寂しい。
ベットに下され、服を剥ぎ取られると明るい病室を嫌でも意識してしまう。
今の真崎が自分の身体を見てどう思うのか、怖くなった。
唇を塞がれながら、ショーツだけになった身体を押し倒されると、胸が苦しい程に全身の血が滾りだす。
「…………っあ」
耳輪を唇で挟みながら舌先がゆっくりと這い、痺れるような衝動が走りじんじんと下腹が疼いた。
「夢月さん、声は抑えて」
濡れた耳珠に息がかかる程に近く真崎に囁かれ、夢月は唇を結ぶ。
素肌を這う手や舌先にいちいち身体の芯から震える。
久しぶりだからなのか、場所が場所だからか、夢月の身体は激しく燃え上がる欲情に落ちていた。
真崎の舌先が首筋から鎖骨へ、肌を味わう様にキスをしながら下りていき、指先がショーツの中へと滑り込む。
「真崎くんっ……………………」
夢月は荒い息の下、手繰り寄せるように真崎の腕に縋った。
秘部に触れられずとも分かる、恋う余り滴る程に濡れている。
前戯の愛撫がもどかしい程に、奥底が求めている。
「…………もう、いいから」
「どうして欲しい?」
真崎の手がゆっくりとショーツを脱がした。
脚を滑るショーツの僅かな刺激にさえ、甘く悶えそうになる。
問いかけながらも口付けを落としてくる真崎の焦らし方は以前と変わらない。
少し意地悪で、甘く刺激的。
「挿れて…………」
夢月は聞き取れないくらいの囁きを口付けの合間に漏らした。
恥ずかしさからか、欲情の熱からか、喉が渇くほどに熱い。
「エロいね、夢月さん」
軽く火照った頬で囁き返した真崎の吐息は熱く、口端に浮かべた笑みは刺激的に艶やかだった。
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