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Study131: sequel「結果」
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正直、親の承諾がないと20才まで婚姻できないのは衝撃だった。
どう足掻いても承諾なんか貰えない現状、夢月が妊娠していても入籍して責任を背負えないと言うことだ。
分かっていればもっと避妊を徹底していただろう。
………無知とは恐ろしい。
とは言え、スゲー緊張すんな、コレ………
真崎はトイレの前で壁にもたれ腕を組んだ。
検査薬を持った夢月がもう15分近くトイレから出てこない。
確か、検査薬の箱には1分で判定可能と記載されていた。
ノックして急かすべきかと迷っていると、そろそろとトイレのノブが動いた。
狐に化かされたような面持ちの夢月と目が合う。
「ここにいたのっ?!」
とたんに夢月はあたふたと顔を赤らめた。
「すぐに済むもんかと思ったから………」
「あっ、そうなんだよね」
夢月が赤らめた顔を伏せ、明らかに意気消沈する。
後ろ手に隠し持つようにしてるのは多分検査薬だろう。
「どれどれ」
真崎は夢月の体を引き寄せると抱き締めるように背中に腕を回し、手の中の箱を掠め取った。
開封した形跡はあるのだから、検査を済ませてまた箱にしまったのだろうか。
陽性反応が出たようなリアクションではない。
箱を開けようとした真崎の腕に夢月が縋るように抱き着いた。
「待って、真崎くんっ、………やり直したいの」
「やり直す??」
「………うん、なんか良くわからなくて」
「良く分かんないって見方が?」
終了線には必ず赤い線が浮かび上がり、判定線に赤い線が出ると陽性、二本線が並ぶと妊娠している可能性がある訳で、至って分かりやすい仕組みである。
箱を見れば小学生でもわかるレベル。
判定結果が一目でわかります、と表記すらされている。
分かんねーってなんだ??
夢月は困り果てたように眉を下げて腕にしがみついている。
そのままくっ付けて置きたいくらいに愛らしい姿だが………
「じゃー、オレが見ても分からなかったら明日な」
夢月をそのままに真崎は箱を開けた。
使用済の検査薬が2本入っているが、取り出して見て真崎は思わず目を凝らして細める。
「薄っす………………………」
「デスよね………」
判定線が異様に薄い。
もはや線は赤ではなく、消え入る様な薄いピンク色だ。
「いちお線が出たから陽性だよな」
「でも陽性ならもっとはっきり出るんだよね??」
「確かに分かんねーな、素直に喜べねー………」
角度を変えて見ても変化はなく、あれだけトイレにこもっていたのだから放置時間も足りているだろう。
妊娠の有無を知るのは少しでも早いほうがいいのだと聞いた。
仕事にしてもつわりがあるのなら妊娠を隠してどこまでやれるのか………第一、妊娠していたら校内での接触を減らし、無関心を装うなんて自分にはできない気がする。
大体、現時点で妊娠しているかもと考えると、色々と目について気が気ではない。
授業にしても立ちっぱなしで大丈夫なのか、階段だらけの入り組んだ校内の移動にしても気にかかる。
それに、最近顔色が悪い。
99%の正確さを謳っているわりに、陽性か陰性か判断つかないこの状況。
検査薬に頼るだけでいいのだろうか………
どう足掻いても承諾なんか貰えない現状、夢月が妊娠していても入籍して責任を背負えないと言うことだ。
分かっていればもっと避妊を徹底していただろう。
………無知とは恐ろしい。
とは言え、スゲー緊張すんな、コレ………
真崎はトイレの前で壁にもたれ腕を組んだ。
検査薬を持った夢月がもう15分近くトイレから出てこない。
確か、検査薬の箱には1分で判定可能と記載されていた。
ノックして急かすべきかと迷っていると、そろそろとトイレのノブが動いた。
狐に化かされたような面持ちの夢月と目が合う。
「ここにいたのっ?!」
とたんに夢月はあたふたと顔を赤らめた。
「すぐに済むもんかと思ったから………」
「あっ、そうなんだよね」
夢月が赤らめた顔を伏せ、明らかに意気消沈する。
後ろ手に隠し持つようにしてるのは多分検査薬だろう。
「どれどれ」
真崎は夢月の体を引き寄せると抱き締めるように背中に腕を回し、手の中の箱を掠め取った。
開封した形跡はあるのだから、検査を済ませてまた箱にしまったのだろうか。
陽性反応が出たようなリアクションではない。
箱を開けようとした真崎の腕に夢月が縋るように抱き着いた。
「待って、真崎くんっ、………やり直したいの」
「やり直す??」
「………うん、なんか良くわからなくて」
「良く分かんないって見方が?」
終了線には必ず赤い線が浮かび上がり、判定線に赤い線が出ると陽性、二本線が並ぶと妊娠している可能性がある訳で、至って分かりやすい仕組みである。
箱を見れば小学生でもわかるレベル。
判定結果が一目でわかります、と表記すらされている。
分かんねーってなんだ??
夢月は困り果てたように眉を下げて腕にしがみついている。
そのままくっ付けて置きたいくらいに愛らしい姿だが………
「じゃー、オレが見ても分からなかったら明日な」
夢月をそのままに真崎は箱を開けた。
使用済の検査薬が2本入っているが、取り出して見て真崎は思わず目を凝らして細める。
「薄っす………………………」
「デスよね………」
判定線が異様に薄い。
もはや線は赤ではなく、消え入る様な薄いピンク色だ。
「いちお線が出たから陽性だよな」
「でも陽性ならもっとはっきり出るんだよね??」
「確かに分かんねーな、素直に喜べねー………」
角度を変えて見ても変化はなく、あれだけトイレにこもっていたのだから放置時間も足りているだろう。
妊娠の有無を知るのは少しでも早いほうがいいのだと聞いた。
仕事にしてもつわりがあるのなら妊娠を隠してどこまでやれるのか………第一、妊娠していたら校内での接触を減らし、無関心を装うなんて自分にはできない気がする。
大体、現時点で妊娠しているかもと考えると、色々と目について気が気ではない。
授業にしても立ちっぱなしで大丈夫なのか、階段だらけの入り組んだ校内の移動にしても気にかかる。
それに、最近顔色が悪い。
99%の正確さを謳っているわりに、陽性か陰性か判断つかないこの状況。
検査薬に頼るだけでいいのだろうか………
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