【R18】体に刻む恋のspell

神楽冬呼

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Study005: snare「誘惑」

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「昨日は……とりあえず、ありがとね」

いつもの教材室、夢月は机の上に腰掛ける真崎の前に立つ。
鈴木はインフルエンザで数日欠勤と今朝の職員朝礼で告げられていた。
内心、夢月はかなりホッとして、それを聞いた時に安堵の息を吐いていた。
あの後、真崎と鈴木がどんな話をし、どう決着がついたのかわからないけれど、鈴木の欠勤からすると真崎がうまく片をつけたのだろう。
やり方はどうあれ、助けられたのがわかる。
真崎の手が夢月の手を取る。
指の間に真崎の長く細い指が入り込み、夢月はドキリとした。
昨日の真崎の台詞が鮮明に頭に浮かぶと、頬が熱くなっていく。
「夢月先生……」
今日初めて聞く真崎の声がやけに甘い。
真っ直ぐ顔を見ることすらできず、夢月は視線を伏せた。
「芝居、下手過ぎ」

…………ん?芝居??どこから、どこが?

ふと、腑に落ちる。
真崎がそっけなく腕を振りほどいた仕草、ひたすら脅迫者に徹した台詞。
「あの場合、オレを罵倒するくらいしないと」
「な、なるほど………」
急に夢から醒めた気分になる。
一通り芝居であれば、あの台詞もその内なのだ。
「それにさ、鈴木が撮ったあの写真のどこに動揺したワケ?」
「やましいことしてるだけに、なんかちょっと」
言われてみると、ただ教材室から出てきた教師と生徒なのだろう。
うまく誤魔化すこともできたのだろう。
だけど、写真の中で女の顔をした自分の顔に、激しく動揺した。
「やましいことね……」
呟いて真崎が手を引いて、夢月の体を寄せると腰へと手を回す。
「例えば、こんな?」
真崎の右手がスカートの中の太腿をなぞり骨盤の形を確かめるように上へと滑った。
触れられることにはまだ慣れないし、恥ずかしさもあるけれど、不快感がないことははっきりとわかる。
誰でもいい訳ではないことも、昨日わかってしまった。
「抵抗しないの?」
パンストとショーツをずらしながら真崎が見上げてくる。
「いつも何だかんだと騒ぐのに」
言い返したいけど、言い返すこともできない。
気まずくて目を合わせてられず、夢月は顔を隠すように背けた。
「もう濡れてる」
真崎の指が秘部へと入り込み、ひだを割る。
くちゅ、と音が鳴り、夢月は口元に手を当てた。
恥ずかしいし、触れられるだけで声を上げそうになる。
愛液に濡れた指先で肉芽をこすられ、夢月は快感に悶え真崎の肩を掴んでいた。
荒い息遣いが口を吐く。
何かに縋り付きたくなる、切ない衝動。
腰にあった真崎の左手がシャツの中へと潜り、ブラのホックを外した。
胸の膨らみを揉み上げる指の動きに、優しさを感じてしまう。
鈴木には服の上から触られただけで嫌だと感じたのに、真崎には不思議なくらいに不快感がない。
快感に飲まれるのが悔しいと思う気持ちがあるだけだ。
肉芽を刺激され、体中を突き抜けるような甘い電流が走る。
その間隔がどんどんと狭まり、高みへと向かわせた。
「あっ……あ、いや」
堪らずに声を上げ、夢月は膝を震わせる。
「………快い声」
真崎の声が絶頂を誘う。
「ああっ、………あ!」
声を抑えようにも抑えられなかった。
一瞬にして体中が強張り、果てる。

その指先は甘い誘惑。
快楽を知り、抗えなくなっている。
蜘蛛の罠にかかった獲物みたいに、もがけばもがくほど絡まり付いてくる。
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