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決意のクリスマスデート④

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 他のカップルは、食事のあとにデッキに出てロマンチックな夜景を鑑賞していた。
 けれど私たちは、私が重い話を始めたので、デッキに出ることなく時間切れになってしまったのだ。
 桔平さんが、また来ればいいからと、私の手を引いて船を降りる。

「じゃあ、行こう」

 パーキングに停めてあった車に乗り込む直前、桔平さんがそう言って私の頭をふわりと撫でた。
 普通ならば別のお店に行くか帰宅するかだろうけれど、その言い方になにかあると直感して、「どこへ?」と聞いてしまった。

「俺の実家」
「え?! 今から行くんですか? 私も?」
「もちろん」

 どういうことなのかと戸惑っているうちに、助手席のドアを開けて車に乗るように促される。
 桔平さんは、スマホで誰かと話をしながら運転席側から乗り込んできた。

「すぐに行くから」という言葉だけしか私には聞こえず、桔平さんは電話を切って車のエンジンをかける。きっと、実家に電話を入れたのだろう。

「桔平さん、あの……」
「美桜はうちの両親が反対するかも、って気にしてるんだよな。だったら確かめよう」

 はっきり聞けばいいんだよ、なんてサラッと言って、桔平さんは車を発進させてしまった。

「大丈夫。取って食われやしない」

 そんなふうに楽観的に考えられず、どうしようと私の頭はパニック状態だ。落ち着かなきゃと思うのに、どんどん喉が渇いていく。

「絶対、俺が美桜を守るから」

 こんなにカッコいい桔平さんに、こんなに嬉しい言葉をもらえて、私は幸せ者だ。

 勝手にドキドキとしていた動悸が、すーっと治まってきた。私は今、魔法をかけられたのだ。
 桔平さんが正面突破でぶつかってみようと言うなら、私もそうしよう。
 私の中の迷いが、桔平さんの包容力によって消えた瞬間だった。
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