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出会い
3・記憶の中で…
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「アウス,ダメよ。動いてはダメ。声を出してもいけないわよ」
母はすぐにアウスの手を取り物陰へと隠れた。
アウスを足の上に置いて,抱き抱えるようにして。息を潜める。バレないように,気づかれないように。
(どうしたの?)
アウスは母の言う通り声も出したりしなかったものの,何が起こっているのかいまだに理解はできていなかった。ただ,唯一わかったことがある。それは,この家の玄関を壊して,聞いたこともない言葉を話しながら入ってくる男が2人いると言うこと。
「さっきここで物音がしたんだ…」
家へと入ってくるなり,男たちは辺りをじろじろと見渡した。それも,何やら見たこともないような服装で,剣を腰に携えている。
それを見た瞬間,ここにきた目的をアウスでも,わかってしまった。
自分たちを殺しにきたのだと……。
「どこにいるのかな?」
先ほどまで食べていた食事を見て,子どもがいると察したのかそう言ってアウスたちを探す。
「お母さん」
不安と恐怖が重なり合って,小さい声でアウスは囁いた。
「大丈夫よ」
母は笑みを浮かべてアウスを宥めた。
実際は,恐怖で震えていたが,アウスに気づかれないように落ち着いて,声を絞り出していた。
「まあ,すぐに見つけるけどな」
男がそう言った瞬間,アウスは目があったように感じた。動くのも声に出すのも抑えていたが驚いて一瞬,身体が動いてしまった。
その微かな物音に気づいたのか男たちは,ニヤリと口角を上げて,アウスたちの元へと向かってくる。
(怖い……。嫌だ)
心の中でそう叫んでは,声に出さないようにする。
次第に,恐怖で涙が溢れてくる。それでも,動かないように我慢をした。
そうして,男たちが家を出るまでじっと黙っていた。
「はぁ……はぁ……」
息を吐き出し,物陰から外に出る。
辺りを見渡して,男たちがいないことを確認する。
「お母さん」
後ろを振り返って,声に出した。
「ダメだから」
慌てたように,母は,アウスを呼び止めようとする。
「えっ?」
アウスは理解できないで不思議そうに母の顔色を伺う。
正気をあまり感じない母の表情を見るに,何かよくないことが起きているのはわかった。
母はすぐにアウスの手を取り物陰へと隠れた。
アウスを足の上に置いて,抱き抱えるようにして。息を潜める。バレないように,気づかれないように。
(どうしたの?)
アウスは母の言う通り声も出したりしなかったものの,何が起こっているのかいまだに理解はできていなかった。ただ,唯一わかったことがある。それは,この家の玄関を壊して,聞いたこともない言葉を話しながら入ってくる男が2人いると言うこと。
「さっきここで物音がしたんだ…」
家へと入ってくるなり,男たちは辺りをじろじろと見渡した。それも,何やら見たこともないような服装で,剣を腰に携えている。
それを見た瞬間,ここにきた目的をアウスでも,わかってしまった。
自分たちを殺しにきたのだと……。
「どこにいるのかな?」
先ほどまで食べていた食事を見て,子どもがいると察したのかそう言ってアウスたちを探す。
「お母さん」
不安と恐怖が重なり合って,小さい声でアウスは囁いた。
「大丈夫よ」
母は笑みを浮かべてアウスを宥めた。
実際は,恐怖で震えていたが,アウスに気づかれないように落ち着いて,声を絞り出していた。
「まあ,すぐに見つけるけどな」
男がそう言った瞬間,アウスは目があったように感じた。動くのも声に出すのも抑えていたが驚いて一瞬,身体が動いてしまった。
その微かな物音に気づいたのか男たちは,ニヤリと口角を上げて,アウスたちの元へと向かってくる。
(怖い……。嫌だ)
心の中でそう叫んでは,声に出さないようにする。
次第に,恐怖で涙が溢れてくる。それでも,動かないように我慢をした。
そうして,男たちが家を出るまでじっと黙っていた。
「はぁ……はぁ……」
息を吐き出し,物陰から外に出る。
辺りを見渡して,男たちがいないことを確認する。
「お母さん」
後ろを振り返って,声に出した。
「ダメだから」
慌てたように,母は,アウスを呼び止めようとする。
「えっ?」
アウスは理解できないで不思議そうに母の顔色を伺う。
正気をあまり感じない母の表情を見るに,何かよくないことが起きているのはわかった。
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