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3章
13話 2日目の朝 side坊ちゃん
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「おはようございます」
いつもよりも随分と早く不安で目が覚めてしまった。
先生は,僕を待っていたかのようにレオの部屋の目の前にいた。
「ん?おはよう,カインくんよく寝れては…いないみたいだね。大丈夫かい?」
「…大丈夫です。でも,不安で寝れなかったのも本当です…それで,レオは?」
「うん,そうだね。もう入ってもいいよ」
僕はやっと部屋に入れてもらい,レオに会うことが許された。
「レオ…ねぇ,大丈夫なの?」
レオの腕には,点滴が繋がれていて,顔色は良くなかった。
「大丈夫ではあるよ」
先生の大丈夫はきっと生きているであって、目が覚めるとは限らないと言うことを改めて言われた気がした。
「…うっ,なんで…こんなことに…なっちゃったんだろう…?」
色々と考えて,また悲しくなって,涙が溢れては止まらなかった。
「なんで…?僕がっ…」
「大丈夫だからね。不安だよね。でも,大丈夫。レオくんはきっとまた目が覚めてくれるから…ね。今はカインくん,君のことの方が心配だ」
そう言いながら,僕のことを抱きしめる。
「僕より…レオの方が…」
「いいから,今は,君も休んだ方がいい」
また,有無を言わせない目で僕を見て言う。
「…はい…わかりました」
「うん,いい子だね」
ニコリと笑う瞬間だけはこの世にこれ以上優しい人物などいないと感じてしまう。
「あ,それで,先生これだけは聞きたくて…」
「どうしたんだい?」
「あ,あの,どうしたら僕どうしたらいいんですか?」
「うん,そうだね……。レオくんが目覚めるのをひたすらに待つことかな」
「それはっ…」
「うん,それでいいんだよ。君が元気にレオくんが目覚めた時にしてないといけないでしょ?」
その言葉を聞いて,僕はレオのためにできることはなんでもしようと思った。レオが望んでいることはなんでも。
「わかりました…。まずは,レオが目覚めてくれるのを待つことにします…」
そう断言を自分でしてしまったけれど,それからの時間はあまりにも長く,あまりにも僕にとって辛い時間となった。
いつもよりも随分と早く不安で目が覚めてしまった。
先生は,僕を待っていたかのようにレオの部屋の目の前にいた。
「ん?おはよう,カインくんよく寝れては…いないみたいだね。大丈夫かい?」
「…大丈夫です。でも,不安で寝れなかったのも本当です…それで,レオは?」
「うん,そうだね。もう入ってもいいよ」
僕はやっと部屋に入れてもらい,レオに会うことが許された。
「レオ…ねぇ,大丈夫なの?」
レオの腕には,点滴が繋がれていて,顔色は良くなかった。
「大丈夫ではあるよ」
先生の大丈夫はきっと生きているであって、目が覚めるとは限らないと言うことを改めて言われた気がした。
「…うっ,なんで…こんなことに…なっちゃったんだろう…?」
色々と考えて,また悲しくなって,涙が溢れては止まらなかった。
「なんで…?僕がっ…」
「大丈夫だからね。不安だよね。でも,大丈夫。レオくんはきっとまた目が覚めてくれるから…ね。今はカインくん,君のことの方が心配だ」
そう言いながら,僕のことを抱きしめる。
「僕より…レオの方が…」
「いいから,今は,君も休んだ方がいい」
また,有無を言わせない目で僕を見て言う。
「…はい…わかりました」
「うん,いい子だね」
ニコリと笑う瞬間だけはこの世にこれ以上優しい人物などいないと感じてしまう。
「あ,それで,先生これだけは聞きたくて…」
「どうしたんだい?」
「あ,あの,どうしたら僕どうしたらいいんですか?」
「うん,そうだね……。レオくんが目覚めるのをひたすらに待つことかな」
「それはっ…」
「うん,それでいいんだよ。君が元気にレオくんが目覚めた時にしてないといけないでしょ?」
その言葉を聞いて,僕はレオのためにできることはなんでもしようと思った。レオが望んでいることはなんでも。
「わかりました…。まずは,レオが目覚めてくれるのを待つことにします…」
そう断言を自分でしてしまったけれど,それからの時間はあまりにも長く,あまりにも僕にとって辛い時間となった。
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