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第4章 禁術の魔法
禁術の魔法 11
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「あ、いや、風の魔法をよく知らないので。気を悪くさせたのなら、ごめ……」
とノアが言い終えるより早く、「パン!」とノアの肩当てから弾けた音が響いた。ノアは肩を押さえて、そのまま2、3歩後ずさったかと思うと、今度は素早く横に飛んだ。遅れて「トスッ」「トスッ」という音が遠くの地面から聞こえてくる。
「へー、避けるなんてね。やるじゃん」
アルマーマが指先をノアに向けながら言った。指先から風が発射されたようだった。そして、立ち上がると「風の魔法ほど、戦場で役にたつ魔法はないんだから。ふざけた事言わないで!」と言い空をみた。アルマーマは呼吸を整えると、小さな詠唱を囁き両手を広げた。そして寒空の中を飛んでいた風を束ね、つかみ木にぶつけたように見えた。
一呼吸置いたあと「ゴゴー」という音とともに樹木が揺れ、黄色い木の葉が舞上がる。
「おおー」とトーブが感嘆の声を上げる。
ノアが素早く樹木の方に走っていく。
「どうした? ノア」レイが声をかける。
ノアは地面に転がったリンゴを拾っていた。
「あの上の方にあった、取れなかったリンゴが取れたんだ」
それを見ていたアルマーマは「疲れたから宿舎にもどるわ」と言うと、スタスタと歩いて行った。その後をトーブが追っていく。
「アルマーマ班長さすがです。俺と魔法の訓練をしませんか? 見てください俺の魔法も」
そう言って火炎放射を出して見せるトーブ。
「小さい! 細い! しょぼい!」
「えっ?」
「他に何か出せないの炎の竜巻出すとか、ファイヤーウォール出すとか?」
「教えてください!」
「知らないわよ。私炎じゃないし。カディフ様におそわんなさいよ」
「え、あの、おじいちゃんですか?」
トーブはアルマーマの後を追って建物の影に消えた。
「レイ、はいリンゴ」
とノアが持ってきたリンゴをレイに渡す。
「風の魔法か……」
「大した事ないね」
ノアはリンゴにかぶりつきながら答えた。
とノアが言い終えるより早く、「パン!」とノアの肩当てから弾けた音が響いた。ノアは肩を押さえて、そのまま2、3歩後ずさったかと思うと、今度は素早く横に飛んだ。遅れて「トスッ」「トスッ」という音が遠くの地面から聞こえてくる。
「へー、避けるなんてね。やるじゃん」
アルマーマが指先をノアに向けながら言った。指先から風が発射されたようだった。そして、立ち上がると「風の魔法ほど、戦場で役にたつ魔法はないんだから。ふざけた事言わないで!」と言い空をみた。アルマーマは呼吸を整えると、小さな詠唱を囁き両手を広げた。そして寒空の中を飛んでいた風を束ね、つかみ木にぶつけたように見えた。
一呼吸置いたあと「ゴゴー」という音とともに樹木が揺れ、黄色い木の葉が舞上がる。
「おおー」とトーブが感嘆の声を上げる。
ノアが素早く樹木の方に走っていく。
「どうした? ノア」レイが声をかける。
ノアは地面に転がったリンゴを拾っていた。
「あの上の方にあった、取れなかったリンゴが取れたんだ」
それを見ていたアルマーマは「疲れたから宿舎にもどるわ」と言うと、スタスタと歩いて行った。その後をトーブが追っていく。
「アルマーマ班長さすがです。俺と魔法の訓練をしませんか? 見てください俺の魔法も」
そう言って火炎放射を出して見せるトーブ。
「小さい! 細い! しょぼい!」
「えっ?」
「他に何か出せないの炎の竜巻出すとか、ファイヤーウォール出すとか?」
「教えてください!」
「知らないわよ。私炎じゃないし。カディフ様におそわんなさいよ」
「え、あの、おじいちゃんですか?」
トーブはアルマーマの後を追って建物の影に消えた。
「レイ、はいリンゴ」
とノアが持ってきたリンゴをレイに渡す。
「風の魔法か……」
「大した事ないね」
ノアはリンゴにかぶりつきながら答えた。
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