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12/22 ヒロシ

I -4

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「サトシ君メロメロだったし、ユキちゃんも満更でも無さそうだったものね」
「サトシってあのレストランの坊やか?」

 ヒロシが聞気覚えのある名前に反応する。同じ商店街の子供だ。顔を見知ってるのだろう。

「そうなんだよ。クラスメイトの梶原にぞっこんみたいだった」

 ニコニコとリュウが言う。

「そうかそうか。それで、今日は何の用事だ?化粧品はもう十分だろう?」

 先程の朝優しい目がギラリと光る。闇に住む人間のそれに思わず私も表情が強張る。

「あの館について何か知りませんか?孫一さんが住んでいた、古い館です!」
「ほぅ?そんな事を聞いてどうするんだ」
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