錠前破りの私の事が大好きな大泥棒の孫はイケメンだが私の相手にはまだ早い【リレー小説】

12/20 商店街での聞き込み

Ｉ-２

　その師匠の死とリュウの祖父の死が立て続いていた
。ほぼ同時期に2人の心臓発作。偶然とは考えにくい。加えて孫一も死んでしまっているとなれば、誰が犯人なのか。悩んでも仕方がない事は解っている。商店街への地道な聞き込みに期待するしかない。

　私は師匠の死の真相が知りたいのだ。

「おーい！　愛ちゃん達まだー！？」

　サトシの声が玄関から響いてきた。

「サトシ悪い！　今行く！」

　リュウが大きな声で返事をすると、私をじっと見た。

「ねぇ、愛？」
「何？」
「俺、やっぱり愛の事、好きだわ」

　何を思ったのか、リュウは笑顔で私にそう言ってさっさと扉を出て行った。