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M-2 幽霊話

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 サトシが怖い話でもするかの様に上目遣いでニヤリとしてみせた。

「夜な夜な誰かが屋敷の中を歩いている。あそこで死んだ主人が無くした物を探して幽霊になって徘徊してるんだって」

 非科学的な話だった。私は幽霊の存在は信じてはいない。もし存在するならそこには何らかの科学的根拠がある筈だ。

 私が平然とした顔をしていたからだろう、怖がらせようとしていたサトシの態度が元のものに戻った。

「て、いう噂が少し前まであったんだよ。ここ数ヶ月はパッタリ聞かなくなっちゃったけど」
ここ数ヶ月ってことは孫一さんがもしかして……」

 私が言うと、リュウが頷いた。

「その可能性はあるな」
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