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I -4 尻に敷かれる

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 思えば、カジノでリュウと出会った時も同じく、長めに釣り上げていたのだろう。戦化粧は必ずこれだから間違いない。

「ほうほう、リュウくんの一目惚れって訳かい」
「そうなんだよ、おじさん! いい女だろ?」

 さっきのおばちゃんの時と同じような流れになりそうで私はその前にリュウを小突いた。

「愛、痛いからそれは止めてくれよ」
「じゃぁ、化粧終わるまでは黙ってて」
「……はい」

 私がリュウに睨みを聞かせると、おじさんが肩を小刻みに震わせている。どうやら笑いを堪えているようだ。

「こりゃ、尻に敷かれるな」

 ぼそりと呟いたおじさんの声はリュウには届いて無さそうだった。
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