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2/25 花沢さん

I -1

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「え、えっと? 吉田君が私を好き……?」
「そうよ! あんたがいると吉田君は私の方を見向きもしないのよ!!」

 涙交じりに私を睨んでくる花沢さんは、恋する乙女だった。

「そう言われても、私は吉田君の事好きじゃないし……」

 困った顔で応えると花沢さんは余計に激昂した。

「そうやってなんでもかんでも、私が欲しいものを持っているくせに!!お金だってそう、地位だってそう、吉田君の心だって!」
「おいやめろよ」

 奥野君が呆れた声で花沢さんを制止する。

「……じゃない」
「へ?」
「私だってあんな家に生まれたくて産まれたんじゃない!!」

 思わず大きな声が出た。
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