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警備隊のお仕事

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「……私が語るのはおかしいのですが」


 アデルの話を聞くために、私たちは小さな食堂へ入った。食事時間とは大幅にズレているので店は閑散としており、席は自由にと言われたので、窓際へ向かう。適当に座り、アデルが話始めるのを待っていた。


「警備隊だったことはないので、少し違うかもしれませんが、近衛でも似たようなことはしていたので、お話しますね?近衛の中でも、ウィル様の隊やそれに近い隊がしていたことなんですけど、街へ見回りにいくと、何件かのお店を回ったり、広場で街を観察したりしていました」
「それは、何をするためですか?」
「端的にいうと、情報収集ですね。変わった人物はいないかとか、最近になってよく見かけるようになった人とか、あやしい人物が国に入ってきていないかというのを探ることが第一の目的ですけど……」
「そういうのは、そういう機関がするのだと思っていました」
「ダリア様の言う通り。そういう機関が調査していますが、我が国はそういう諜報活動の出来る人材が少ないんです。これは、しーでお願いしたいのですが」


 口元に人差し指を立ててアデルが秘密だというが、後の祭りだ。そもそも、こんな話をお店でするものではない。アデルの言っている話は、別に内緒話でもないので、構わないだろう。建前上、そういっただけである。


「ウィル様はアンナ様に近しい人物ですからね。いろいろと試行錯誤されているのですよ。その中で、今も続いているのが、見回りです。見回りに何年もいけば、親しくなる人もいるので、底からもらえる情報もあります。敵方が回している情報の可能性もあるんですけど、そういう情報精査も課題として良く取り扱われ魔れていましたよ」
「取れた情報全てが正しいとは限らないから、取捨はしないといけないってことね」
「そのあたりは、アンナ様が得意とするところなので、アンナ様のノウハウを伝授してもらうだけでも違いますよ。情報収集や取捨に関しては、アンナ様は私謎足元にも及ばないほどですから」


 アデルの話を聞きながら、近衛を目指すレオ、警備隊のチャコとシークは頷いてい。レオは、実際、アンバー領でも体験をしているし、ウィルから情報収拾の大切さというのは聞いているようだった。チャコたちは今まで意識していなかったようで今度は私に視線を向けてくる。領地発展のためにチャコたちなりに変えようとしてくれているのがわかる。変わることへの期待をコーコナ領にしてきたが、またひとつ、大きな起点ができそうで、今後のコーコナ領の発展がますます楽しみになってきた。
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