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学校運営についてⅣ
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「アンナは、貴族としての勉強だけでなく、好き勝手に街を飛び歩いて街のみんなから勉強しているんですよ」
「……街?」
「そう。街に出かけているんですよ?ほら、想像してみて?わかるでしょ?」
それぞれが空を見上げ、想像しているのだろう。黙ったまま、それぞれに好きなように頷いている。それを見ながら、みなが想像する私を私も想像した。なんとなく……街で飛び跳ねている……そう、もう、昔の私そのものが出てきて首を横にブンブン振る。
「……なんとなくわかった気がする」
「あぁ、そうですね?アンナリーゼ様……」
「アンナ様って感じですね。僕が会ったときも……」
「小さなころから、飛び跳ねてあちこち走り回っていたんでしょうね?」
「きっと、街のガキ大将だったんですよ」
私の幼いころを見てきたかのような言いぶりに、反論できない。今の言葉を聞くだけで、それぞれ想像した姿というのが、私そのものだろうことに、黙っておく。
「でも、そんなアンナ様だからこそ、こうして領民の心を掴めているんじゃないですか?」
「確かに。貴族のご令嬢だったら、こんなふうにはなっていなかったでしょうし、爵位を自身のものにするなんて考えもしなかったでしょうね?」
「……言っておきますけど、爵位は公が私に与えただけで、ジョージア様から権限を借りるつもりだけだったんですからね!」
胡乱な目で見てくるのだが、本当のことだ。実際は、過去見の力と予知夢の力が作用したときに出会ったロサオリエンティスのはからいであり、公が与えた爵位ではないのだが、黙っておく。
「実際、コーコナ領はアンナリーゼ様が領主になって随分暮らしが楽になりましたよ?」
「そうなの?」
「町も綺麗になりましたからね。他領からは、評判がいいです」
ココナとチャコがそれぞれ話をしてくれる。私が1年のあいだで3週間ほどしかコーコナ領には滞在しないため、こういった話を聞けるのは嬉しい。コーコナ領のことは、報告書以上のことは、耳に入ってこないので、やはりこうして直接話を聞きに来てよかった。
「コーコナは綿を中心に布の加工で産業を動かしているけど、それ以外でも何か拠点となるようなものがあればいいわね?」
「アンバー領は学都を目指しているのですよね?」
「そうね。コーコナ領はそれは難しいでしょ?他にも見つけたいのよね」
「今のままではいけないのですか?」
レオが代表して私に聞いてくれるので、困ったように笑って頷いた。必ず、衰退するときが来ることは、わかっている。コーコナ領の綿や布の製品に敵う品質のものは、まだ、ないが、少しずつ研究されていることはナタリーからの報告ですでに知っている。もし、同等に近い製品で値段の安いものが出回るようになれば、コーコナ領はブランド力だけでは、難しいと私は考えているとみなに伝えた。薬師の楽園なんて話もあったが……それは、森の奥深くに眠る危険も伴うので、あまり大きくしたいとは考えていない。
私はみなに笑いかければ、それ以上は何も聞かないでくれた。大人の事情は、知らないふりをするに限ると、知っているようだった。
「……街?」
「そう。街に出かけているんですよ?ほら、想像してみて?わかるでしょ?」
それぞれが空を見上げ、想像しているのだろう。黙ったまま、それぞれに好きなように頷いている。それを見ながら、みなが想像する私を私も想像した。なんとなく……街で飛び跳ねている……そう、もう、昔の私そのものが出てきて首を横にブンブン振る。
「……なんとなくわかった気がする」
「あぁ、そうですね?アンナリーゼ様……」
「アンナ様って感じですね。僕が会ったときも……」
「小さなころから、飛び跳ねてあちこち走り回っていたんでしょうね?」
「きっと、街のガキ大将だったんですよ」
私の幼いころを見てきたかのような言いぶりに、反論できない。今の言葉を聞くだけで、それぞれ想像した姿というのが、私そのものだろうことに、黙っておく。
「でも、そんなアンナ様だからこそ、こうして領民の心を掴めているんじゃないですか?」
「確かに。貴族のご令嬢だったら、こんなふうにはなっていなかったでしょうし、爵位を自身のものにするなんて考えもしなかったでしょうね?」
「……言っておきますけど、爵位は公が私に与えただけで、ジョージア様から権限を借りるつもりだけだったんですからね!」
胡乱な目で見てくるのだが、本当のことだ。実際は、過去見の力と予知夢の力が作用したときに出会ったロサオリエンティスのはからいであり、公が与えた爵位ではないのだが、黙っておく。
「実際、コーコナ領はアンナリーゼ様が領主になって随分暮らしが楽になりましたよ?」
「そうなの?」
「町も綺麗になりましたからね。他領からは、評判がいいです」
ココナとチャコがそれぞれ話をしてくれる。私が1年のあいだで3週間ほどしかコーコナ領には滞在しないため、こういった話を聞けるのは嬉しい。コーコナ領のことは、報告書以上のことは、耳に入ってこないので、やはりこうして直接話を聞きに来てよかった。
「コーコナは綿を中心に布の加工で産業を動かしているけど、それ以外でも何か拠点となるようなものがあればいいわね?」
「アンバー領は学都を目指しているのですよね?」
「そうね。コーコナ領はそれは難しいでしょ?他にも見つけたいのよね」
「今のままではいけないのですか?」
レオが代表して私に聞いてくれるので、困ったように笑って頷いた。必ず、衰退するときが来ることは、わかっている。コーコナ領の綿や布の製品に敵う品質のものは、まだ、ないが、少しずつ研究されていることはナタリーからの報告ですでに知っている。もし、同等に近い製品で値段の安いものが出回るようになれば、コーコナ領はブランド力だけでは、難しいと私は考えているとみなに伝えた。薬師の楽園なんて話もあったが……それは、森の奥深くに眠る危険も伴うので、あまり大きくしたいとは考えていない。
私はみなに笑いかければ、それ以上は何も聞かないでくれた。大人の事情は、知らないふりをするに限ると、知っているようだった。
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