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弓矢の訓練
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「レオ、もっと狙っていきなさい!」
「……はいっ!」
馬上で馬を制御しながら弓の弦を引く。ピンと張る弦をゆっくり引いているが、馬上ではそれは難しい。ある程度早さも求められた。まだ子どものレオには難しいかもしれないが、今日は訓練なので、めいっぱい体で感じてほしい。3本目が終わり、少しだげ弓を弾けるようになったレオはやっとのことで1本の矢を的に当てることができた。
「初めてにしてはなかなかじゃない?」
「……アンナ様に比べたら」
「比べる対象が悪いな。それは……」
「確かに。私はレオの年には自由に馬も乗りこなしていたからね」
「それならなおのこと負けられません!」
「違うわよ。私が馬に一人で乗れたのはもっと小さかったし、弓術を習ったのもそれくらいだったわ」
母から教えられる武術はとても要求が高いだけでなく、子どもには難しい。未だに兄は馬上では弓を引くこともできないのだから、初めて馬上からの矢が的に当たっただけでもすごいのだ。
「どんな幼少時代をおくれば、そうなるんだろうな?俺でも、今のレオくらいのときに初めて馬上訓練を始めたぞ?」
「父様もですか?」
「あぁ、そうだ。だから、レオはすごいんだぞ?俺なんて、的に当てることも出来なかったし」
「それにここは木立のあいだから狙わないといけないから難しいのよ。だから、レオはすごいのよ!」
褒めても納得のいかない表情に肩を竦めた。同じような場所に青と赤の印がついた矢が刺さっているのも原因のひとつだ。
「そうね。もう少し上体を真っすぐに出来るかしら?馬に乗りながらだから難しいと思うけど」
「こうですか?」
「そうそう。お腹から頭の先まで1本の気に貫かれたみたいな感覚でいいと思うの」
「……吊るされたでいいんじゃないの?」
「なんでもいいじゃない」
ウィルを睨むと、そうでしたと返事をする。レオに、向き直り説明を続ける。
「今、弓を構えてみて」
すると、やはりと言ってもいい。上体が少し前のめりになり肩が開いていない。それじゃあ、いくら名手と言えど、的にまで届かないだろう。
「上体が前にいっているわ。グッと真っすぐ。体は狙う方を見て……そう。それでいいわ。そのままの状態で走ってみて。姿勢は崩さないで、視線は的に向けて」
私がレオの後ろについて、注意をしていく。馬に乗っているからか、風の抵抗もあるのか、立ったままより体がグラグラしている。
「レオ、体の軸がブレているわ。もう少し、落ち着いて」
私の指摘で上体を起こしている。そのまま矢を放たずに何往復かするように伝える。
「私が後ろを走るから、そのままの状態で走れるかしら?それが出来ないと、当たる矢も当たらないわ。それに、維持が出来る要因なって初めて、打つタイミングや狙いを確認していく。
なかなか一人になる時間が取れなかったが、こちらで練習しているのからレオの成長を見守るのもいい。
「あぁ、どんどん成長していくな。もう、公からお声がけあってもいいと思うけど、まだまだなんだろうな」
「狩りにも慣れていないのに無理な話なので、冗談でも辞めてください!」
「ほら二人とも話していないで続きをしなさい」
「でもさ?姫さんは指導出来るけど、俺は?」
「レオの冒険を手伝えばいいのよ。私もセバスも一緒だけど、レオの武術的なところを教えるのはウィルの仕事でしょ?」
「……姫さんに教わりたいんじゃないの?」
「それは……その。父様にもアンナ様にも教えてもらいたいです!」
「欲張りさんだな?私はいいけど、ウィルは?」
もちろんと頷くウィル。武術は一長一短で身につくものではそれをもう一度懇切丁寧にレオに教えている。
しばらく馬に乗る練習を中心にレオの練習を見ていた。先日教えたとおり、うまくなっていて、成長期での体の使い方をウィルに教えてもらうべきだ。
「レオにも置いて行かれるんじゃない?」
嫌味っぽくウィルに言ってみたが知らん顔して指導を続けている。私もそれをぼんやりと聞きながら、レナンテの鬣を優しく撫でた。
「……はいっ!」
馬上で馬を制御しながら弓の弦を引く。ピンと張る弦をゆっくり引いているが、馬上ではそれは難しい。ある程度早さも求められた。まだ子どものレオには難しいかもしれないが、今日は訓練なので、めいっぱい体で感じてほしい。3本目が終わり、少しだげ弓を弾けるようになったレオはやっとのことで1本の矢を的に当てることができた。
「初めてにしてはなかなかじゃない?」
「……アンナ様に比べたら」
「比べる対象が悪いな。それは……」
「確かに。私はレオの年には自由に馬も乗りこなしていたからね」
「それならなおのこと負けられません!」
「違うわよ。私が馬に一人で乗れたのはもっと小さかったし、弓術を習ったのもそれくらいだったわ」
母から教えられる武術はとても要求が高いだけでなく、子どもには難しい。未だに兄は馬上では弓を引くこともできないのだから、初めて馬上からの矢が的に当たっただけでもすごいのだ。
「どんな幼少時代をおくれば、そうなるんだろうな?俺でも、今のレオくらいのときに初めて馬上訓練を始めたぞ?」
「父様もですか?」
「あぁ、そうだ。だから、レオはすごいんだぞ?俺なんて、的に当てることも出来なかったし」
「それにここは木立のあいだから狙わないといけないから難しいのよ。だから、レオはすごいのよ!」
褒めても納得のいかない表情に肩を竦めた。同じような場所に青と赤の印がついた矢が刺さっているのも原因のひとつだ。
「そうね。もう少し上体を真っすぐに出来るかしら?馬に乗りながらだから難しいと思うけど」
「こうですか?」
「そうそう。お腹から頭の先まで1本の気に貫かれたみたいな感覚でいいと思うの」
「……吊るされたでいいんじゃないの?」
「なんでもいいじゃない」
ウィルを睨むと、そうでしたと返事をする。レオに、向き直り説明を続ける。
「今、弓を構えてみて」
すると、やはりと言ってもいい。上体が少し前のめりになり肩が開いていない。それじゃあ、いくら名手と言えど、的にまで届かないだろう。
「上体が前にいっているわ。グッと真っすぐ。体は狙う方を見て……そう。それでいいわ。そのままの状態で走ってみて。姿勢は崩さないで、視線は的に向けて」
私がレオの後ろについて、注意をしていく。馬に乗っているからか、風の抵抗もあるのか、立ったままより体がグラグラしている。
「レオ、体の軸がブレているわ。もう少し、落ち着いて」
私の指摘で上体を起こしている。そのまま矢を放たずに何往復かするように伝える。
「私が後ろを走るから、そのままの状態で走れるかしら?それが出来ないと、当たる矢も当たらないわ。それに、維持が出来る要因なって初めて、打つタイミングや狙いを確認していく。
なかなか一人になる時間が取れなかったが、こちらで練習しているのからレオの成長を見守るのもいい。
「あぁ、どんどん成長していくな。もう、公からお声がけあってもいいと思うけど、まだまだなんだろうな」
「狩りにも慣れていないのに無理な話なので、冗談でも辞めてください!」
「ほら二人とも話していないで続きをしなさい」
「でもさ?姫さんは指導出来るけど、俺は?」
「レオの冒険を手伝えばいいのよ。私もセバスも一緒だけど、レオの武術的なところを教えるのはウィルの仕事でしょ?」
「……姫さんに教わりたいんじゃないの?」
「それは……その。父様にもアンナ様にも教えてもらいたいです!」
「欲張りさんだな?私はいいけど、ウィルは?」
もちろんと頷くウィル。武術は一長一短で身につくものではそれをもう一度懇切丁寧にレオに教えている。
しばらく馬に乗る練習を中心にレオの練習を見ていた。先日教えたとおり、うまくなっていて、成長期での体の使い方をウィルに教えてもらうべきだ。
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