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天気もいいし

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 おはようと声をかけると驚いたようにルーイが驚いていた。

 お貴族様だって、早起きするんだぞ?っていうか、私は早起きだよ!

 心の中で、ルーイの驚きに抗議しておく。後ろからひょこっとレオが顔を出し、さらに驚いていた。



「アンナ様、誰ですか?」
「レオには紹介していなかったわね?」


 はいと返事をするので、私の隣に立たせた。ルーイも何かを感じたのか、さっきの驚き顔は引っ込めて、優し気に微笑んだ。


「初めまして、エルドアから参りましたルーイと申します。国ではオリーブという実の研究をしていました」


 そう言って馬車に積まれたままのオリーブの苗木を指さすと、レオもそちらを見上げた。


「ルーイは自己紹介しちゃったわね。この苗木をアンバー領で育てるためにしばらく領地で住んでくれるのよ。じゃあ、レオの紹介をするわね?」


 二人に確認をとって、頷いたので、レオをルーイに紹介する。


「こちら、ウィル・サーラーの息子でレオ。この領地で私たちと一緒に生活をしているわ」
「やはりと言っていいですね。その手に持っているものをみれば、どちらかのご子息だと思っていましたが、サーラー様のですか」
「そう。今は私が剣を教えているの。もう少ししたら、ウィルが本格的に指導するでしょうけどね?」


 先程まで動いていたので、レオの額から汗が流れたので拭ってやる。


「失礼を承知で」
「何かしら?」
「そうしていると、親子に見えます」
「本当?そうだったら……嬉しいかな?」
「アンナ様、それはさすがに……アンジェラ様やジョージ様、ネイト様もいるのに」
「いいじゃない?今だけはね?」


 クスクス笑うとつられてレオも笑う。そんな私たちを見てルーイも優しい笑顔であった。
 レオがルーイを見上げ、興味がでたことを口にする。やはりアンジェラより年上なだけあって、いろいろなものにも興味があるようだ。


「聞いてもいいですか?」
「答えられるものなら」
「この木は、何になるのですか?」
「この木というより、この木になる実が加工品になりますよ。油分があるので、圧搾して食用油として使われるのが一般的ですが、荒れた手に塗っている人もいるとか」
「荒れた手ですか?」
「えぇ、手肌が乾燥する荒れてあかぎれができたりします。冬は特に顕著になりますね。オリーブの油分を嫌う人もいるので、人それぞれですが、油分で手が潤うそうですよ」
「それはすごいですね?アンナ様は、いつもおもしろいものを見つけてこられますね!」
「レオにそう言ってもらえると嬉しいわ」


 頭をくしゃっと撫でると、嬉しそうに見上げてくる。もう一度撫でて、髪を整えた。


「そういえば……今日、出発でよかったのですか?昨日も視察に出られていたと聞いていますが」
「いつものことよ。屋敷にいるほうが少ないわ」
「また、僕たちは留守番ですね?」
「今回は、ウィルたちもね。私が行くくらいかしら?あとは、商人見習いと」
「商人見習いはなぜ行くのですか?」
「あちらで必要なものを揃えるためよ!すぐ必要なものは、ヨハンの研究所から持っていけばいいけど、生活をするには借り物では足りないでしょ?初期投資は私がするから、必要なものがあったらいつでも言って?仮住まいが出来るまでの当面は、ヨハンのところでお世話になることにけど」


 貴族の道楽か何かできたと思っていたルーイにとって、私の提案は驚くものだったようだ。普通の貴族は、そんな用意をしてくれない。至れり尽くせりとまではいかないものの、ある程度の生活基盤を整えるのは私の役目だと思っていたけど、そうではなかったらしい。無理を言って連れて来たルーイとドールにかんしては、面倒をみるよ?というとさらに目を丸くしていた。


「そんなお貴族様の話を聞いたことがありませんよ?」
「そうなの?でも、これが私なりのおもてなしだわ。できれば、この領地に長く根付いてほしいもの。職人や農家の人なんて、この領地を支えてくれている人たちだもの」
「それはそうですが……」
「人は大事にする方だと思うよ?私、この領地がこんなに改革に着いてきてくれているのは、みんなのおかげだって思っているくらいだから!」


 今まで、私のような考えの貴族には出会ったことがなかったらしく、ルーイは驚いてばかりだった。私のやり方になれてね?と笑いかけると、若干苦笑いであったが、頷いてくれたのだる。
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