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領地の屋敷はあったかい
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笑いあっていると、片付きましたか?とリアンが食堂へ入って来た。結構な時間を使っていたはずなのに、一向に片付いて行かない食堂。リアンが苦笑いをしてバケツに入った雑巾を絞り出す。
「ごめんね?リアン」
「いいのですよ。このままだと夕飯に間に合いそうにありませんから……」
テキパキと粉だらけの床を拭きとってくれる。掃き掃除をしたはずだが、リアンが拭いた場所はさらに綺麗になった。
「俺らは、掃除をしているうちにはいるのか?」
ジョージアの言いたいことはわかるが、こんなふうに荒らした食堂を綺麗にしてもらうのは、気がとがめたのでバツとして私たちが掃除をしているのだが、そもそも、掃除をしたことがない公爵二人と子どもでは、綺麗にならない。
リアンが、バケツに雑巾を洗いに向かったところで、アデルも入って来た。床を拭いているリアンを見て、アデルも雑巾や仲間を引き連れ戻って来た。
「手伝います。見た感じ、終わりそうにないですし」
三人のメイドと一人の下男がバケツもひとつ持ってきて反対側から拭き始めた。
私とジョージアはみなにごめんねと謝ると、私たちの仕事ですからと頼もしい返事をくれる。掃き掃除だけ、ジョージアと二人で終わらせ、子どもたちの方へ向かう。さっきまでケンカをしていたはずの二人は、一生懸命机を拭くことで、どうやら仲直りをしたらしい。メイドたちが机の足元まできたとき、褒めてくれることも嬉しいようで、ときおりニッコリ笑っていた。
「本当、あの子たちのおかげで、今、こうしているっていうのにね?」
「全くだよ。アンナのことになると、二人ともが張り切りだすから……」
「なんて返せばいいのかわからないですけど、嬉しいかな」
「……こんな状況でも?」
「考え物だけど、嬉しい。私、あの子たちに愛されているなって」
「アンジーやジョージだけじゃないけどね?」
ちょっと拗ねたようなジョージアの頬にキスをする。帰ってきて早々、粉事件になったものだから、すっかり忘れていたのだ。
ぶすっとしていたジョージアの口元も少し緩む。
「ジョージア様に折り入って相談したいことがあるんでした」
「なんだい?ここで聞けること?」
「人がいない方がいいですね。ちょっと、いろいろとありましたから」
「あぁ、エルドアでのことだね。驚かないからね?」
何かしてきたのだろう?とは思っているらしいジョージアに微笑んでおく。手伝ってもらったおかげで、綺麗に食堂は片付いたので、夕飯までのあいだの時間がとれそうだ。
「みんな、手伝ってくれてありがとう。お礼といっては少ないのだけど……」
ナタリーとリアンにお願いしておいたお菓子をそれぞれ持っていくように伝えると、嬉しそうに調理場へと向かった。
未だ汚れた服を着ている私たち家族は、それぞれ着替えることになった。アンジェラとジョージの手を握り、私は子ども部屋へと歩き始める。その後ろをジョージアとリアンがついてくる。
「じゃあ、俺も着替えてくるから、執務室でいい?」
「えぇ、それで。たぶん、ウィルやセバスもいると思うから」
子ども部屋へ子どもたちを連れていけば、中でヒーナが待っていてくれた。エマはクローゼットから服を取り出して着ているようだ。
「こちらは任せられますね?」
リアンに言われ、ヒーナとエマが頷き、マリアが後ろでそわそわとしていた。
「マリアももう、働いているの?」
「まだまだ見習いですが、飲み込みが早いので、10歳ごろには、侍女に昇格するかもしれませんね」
「そうかもしれないわね」
マリアが、エマの選んだ服を持ち、着替えを手伝っている姿を見ると、なんだかほっこりする。
私の部屋に入れば、リアンがクローゼットへ向かい、豪奢なドレスではなく、質素な服を持ってきてくれた。領地にいるあいだの服ではあるが、とても楽なワンピースにサッと着替える。リアンに孤児院へ戻るように言えば、失礼しますと部屋を出ていく。
そのまま、執務室へ向かうと、すでに集まっている。ジョージア、ウィル、セバス、ダリア、ノクト、イチアが指定の席に座っている。
「よぉ!アンナ、元気にしていたか?」
「もちろんよ!ノクト。南の領地では、手伝ってくれてありがとう」
「いいってことよ。俺も病にはかかっていたからな。それで、何かもらってきたのか?」
「そうね……その話はあとにしましょうか?」
見慣れぬ女性の方に視線を送り、ノクトが首を傾げている。この領地改革の人数も少ない中、女性が静かに末席に座っていたら、気になるだろう。
「まずは、私とウィルの連携で、病は終息したと行ってもいいかなぁ?コーコナにも通達はしてきたから、大丈夫だと思うけど」
「向こうも何か始めたのでしょ?」
「そうなのよ……小さなアンバー領みたいなことをね」
「貧民街ですよね?」
「そう。ちょっと、そこに問題があったから、綺麗にしてきたわ」
「人身売買と麻薬でしたね」
「閉鎖された場所だったから、そういうのの巣窟になっていたから。コーコナのことは、ココナが中心に進めてくれているから、大丈夫だと信じましょ!」
他に報告があるのよねと苦笑いをすれば、いつものことだろう?という表情を崩さないノクトと何を持ち込んできた?と身構えるイチア。
情報を仕入れてはいたようだが、全部は拾いきれていないという話で、私は説明をすることになった。
「ごめんね?リアン」
「いいのですよ。このままだと夕飯に間に合いそうにありませんから……」
テキパキと粉だらけの床を拭きとってくれる。掃き掃除をしたはずだが、リアンが拭いた場所はさらに綺麗になった。
「俺らは、掃除をしているうちにはいるのか?」
ジョージアの言いたいことはわかるが、こんなふうに荒らした食堂を綺麗にしてもらうのは、気がとがめたのでバツとして私たちが掃除をしているのだが、そもそも、掃除をしたことがない公爵二人と子どもでは、綺麗にならない。
リアンが、バケツに雑巾を洗いに向かったところで、アデルも入って来た。床を拭いているリアンを見て、アデルも雑巾や仲間を引き連れ戻って来た。
「手伝います。見た感じ、終わりそうにないですし」
三人のメイドと一人の下男がバケツもひとつ持ってきて反対側から拭き始めた。
私とジョージアはみなにごめんねと謝ると、私たちの仕事ですからと頼もしい返事をくれる。掃き掃除だけ、ジョージアと二人で終わらせ、子どもたちの方へ向かう。さっきまでケンカをしていたはずの二人は、一生懸命机を拭くことで、どうやら仲直りをしたらしい。メイドたちが机の足元まできたとき、褒めてくれることも嬉しいようで、ときおりニッコリ笑っていた。
「本当、あの子たちのおかげで、今、こうしているっていうのにね?」
「全くだよ。アンナのことになると、二人ともが張り切りだすから……」
「なんて返せばいいのかわからないですけど、嬉しいかな」
「……こんな状況でも?」
「考え物だけど、嬉しい。私、あの子たちに愛されているなって」
「アンジーやジョージだけじゃないけどね?」
ちょっと拗ねたようなジョージアの頬にキスをする。帰ってきて早々、粉事件になったものだから、すっかり忘れていたのだ。
ぶすっとしていたジョージアの口元も少し緩む。
「ジョージア様に折り入って相談したいことがあるんでした」
「なんだい?ここで聞けること?」
「人がいない方がいいですね。ちょっと、いろいろとありましたから」
「あぁ、エルドアでのことだね。驚かないからね?」
何かしてきたのだろう?とは思っているらしいジョージアに微笑んでおく。手伝ってもらったおかげで、綺麗に食堂は片付いたので、夕飯までのあいだの時間がとれそうだ。
「みんな、手伝ってくれてありがとう。お礼といっては少ないのだけど……」
ナタリーとリアンにお願いしておいたお菓子をそれぞれ持っていくように伝えると、嬉しそうに調理場へと向かった。
未だ汚れた服を着ている私たち家族は、それぞれ着替えることになった。アンジェラとジョージの手を握り、私は子ども部屋へと歩き始める。その後ろをジョージアとリアンがついてくる。
「じゃあ、俺も着替えてくるから、執務室でいい?」
「えぇ、それで。たぶん、ウィルやセバスもいると思うから」
子ども部屋へ子どもたちを連れていけば、中でヒーナが待っていてくれた。エマはクローゼットから服を取り出して着ているようだ。
「こちらは任せられますね?」
リアンに言われ、ヒーナとエマが頷き、マリアが後ろでそわそわとしていた。
「マリアももう、働いているの?」
「まだまだ見習いですが、飲み込みが早いので、10歳ごろには、侍女に昇格するかもしれませんね」
「そうかもしれないわね」
マリアが、エマの選んだ服を持ち、着替えを手伝っている姿を見ると、なんだかほっこりする。
私の部屋に入れば、リアンがクローゼットへ向かい、豪奢なドレスではなく、質素な服を持ってきてくれた。領地にいるあいだの服ではあるが、とても楽なワンピースにサッと着替える。リアンに孤児院へ戻るように言えば、失礼しますと部屋を出ていく。
そのまま、執務室へ向かうと、すでに集まっている。ジョージア、ウィル、セバス、ダリア、ノクト、イチアが指定の席に座っている。
「よぉ!アンナ、元気にしていたか?」
「もちろんよ!ノクト。南の領地では、手伝ってくれてありがとう」
「いいってことよ。俺も病にはかかっていたからな。それで、何かもらってきたのか?」
「そうね……その話はあとにしましょうか?」
見慣れぬ女性の方に視線を送り、ノクトが首を傾げている。この領地改革の人数も少ない中、女性が静かに末席に座っていたら、気になるだろう。
「まずは、私とウィルの連携で、病は終息したと行ってもいいかなぁ?コーコナにも通達はしてきたから、大丈夫だと思うけど」
「向こうも何か始めたのでしょ?」
「そうなのよ……小さなアンバー領みたいなことをね」
「貧民街ですよね?」
「そう。ちょっと、そこに問題があったから、綺麗にしてきたわ」
「人身売買と麻薬でしたね」
「閉鎖された場所だったから、そういうのの巣窟になっていたから。コーコナのことは、ココナが中心に進めてくれているから、大丈夫だと信じましょ!」
他に報告があるのよねと苦笑いをすれば、いつものことだろう?という表情を崩さないノクトと何を持ち込んできた?と身構えるイチア。
情報を仕入れてはいたようだが、全部は拾いきれていないという話で、私は説明をすることになった。
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